校長室便り

校長室便り

下野新聞~総文祭自然科学部門出場(科学部)

本日付け、下野新聞21面スクール文化欄に本校科学部の紹介記事が掲載されました。

今夏、インターネット上で開催される全国高校総合文化祭(総文祭)の自然科学部門で、生物分野の本県代表として、本校の科学部が出場します。
研究のタイトルは「栃木県産有尾目の保全に向けて」です。昨年の12月に宇都宮大学を会場として県予選が行われ、生物分野で第1位となり、総文祭出場となりました。
総文祭では、地道に積み重ねてきた研究の成果を全国の代表校とともに、動画などで披露します。


(下野新聞6月19日付け21面より、下野新聞社の著作物利用承諾済み)

下野新聞2020.6.19科学部.pdf

下野新聞の記事

本日付け、下野新聞の3面「検証 新型コロナ 県緊急事態措置④」という連載で、以下のように、本校が取り上げられました。

「家庭学習を支援するため、独自の対策に取り組んだ高校もある。佐野高は、教員の授業動画をインターネットで配信。ネット環境のない生徒にはタブレット端末を貸し出した。再開後の授業を円滑に進めるための、県内でも先進的な取り組みであった。」


(下野新聞6月17日付け、3面。著作物利用承諾済み)

本校は、中高ともに各学年各教科で、ユーチューブによる授業動画を独自に作製し、配信してきました。再生回数は少なくとも合わせて数千回以上に上りました。
また、ネット環境のない生徒にはタブレット端末を貸し出したのは、本校のみであり、本県の県立高校では、最も先進的な取り組みとして高く評価されています。

紙面では「遠隔授業は通常の授業の補完には限界がある」ことが指摘されていますが、これは考えてみれば当たり前のことで、遠隔授業の方があらゆる面で優れていたとしたら、本校の存在価値はありません。生徒の反応を見ながら説明したり、生徒同士が学び合ったり、質問に答えたりすることで理解を深める、といった当たり前の授業が求められていることは言うまでもないでしょう。

しかし、本校の動画配信は、遠隔授業という制約の中で、どのような形態の授業であれば、通常授業の補完ととして有効に機能するかを、先生方が試行錯誤しながら、改善していった過程でもありました。

先生方に聞いてみると、授業動画等の配信により、予習をする習慣が身についてきており、小テストなどの成績は例年に比べて上がっている、という成果も出ているそうです。今後、臨時休業中の動画配信等の成果と課題について、検証していきますが、今回蓄積されたノウハウは、おそらく、通常の授業の改善にも反映され、今後のコロナ感染症の第2波、第3波に備えた遠隔授業体制の準備・構築にも役立つ大きな武器になると考えています。

音楽室にエアコンが入ります!

現在、音楽室にエアコンを入れる工事を行っています。

単に、音楽室にエアコンを取り付けるだけでなく、室外機の設置や電源の確保・配線など、結構大がかりな工事が必要です。工事は6月上旬から始まっていますが、実際に使えるようになるのは、7月になった頃になります。

【附属中】生活ノートより

附属中の生徒が毎日提出している「生活ノート」から、通常登校第2週(6/8~6/12)の様子を振り返ってみました。
各学年からランダムに5,6冊の生活ノートを見せてもらいました。



【中学1年生】
・今日は体育で自校体操をやりました。覚えているところと覚えていないところがあるので、しっかり覚えていきたいと思います。(6/8)
・楽しみにしていたワクワクプロジェクトの正体がわかりました。風間さんから藍染め」のお話を聞き、とても驚きました。(6/9)
・きょうは校内オリエンテーリングがありました。学校のことを前より知ることができ、楽しかったです。(6/10)
・美術で立方体を書くのが楽しかったです。もっと描けるようにるように努力したいです。(6/11)
・1週間が終わりました。先週よりかは学校に慣れてきました。休日はゆっくり休んで、また頑張ります。(6/12)

1年生は、校内オリエンテーション、総合的な学習の時間による「藍染めプロジェクト」、部活動見学等がありました。だいぶ学校に馴染んできましたね


【中学2年生】

・今日は2年生で初めての技術の授業があり、プリント整理箱を作りました。あともう少しで完成するところまできました。次回の授業が楽しみです。(6/8)
合唱コンクールの曲決めをしました。どれもいい曲ばかりで迷いましたがやっと決まりました。練習頑張りたいです。(6/9)
・今日は中條先生による情報モラル講話がありました。特にLINEの使い方では、相手に不快な思いをさせないよう、しっかり見直してから送信しようと思いました。(6/10)
・学校帰りに強い雨が降ってきて、リュックに入っていたノートとか教科書が悲惨なことになってました。今日は雨が嫌いになりました。(6/11)
・今日は音楽で校歌のテストがありました。やっぱり先生の前だと緊張してうまく歌えません。(6/12)

2年生は、合唱コンクールの曲決め、情報モラル講話、校歌のテストなどがあったようですね。楽しみな授業も増えてきました

【中学3年生】
・今日は家庭科できんちゃく袋づくりをしました。無事に完成して良かったです。(6/8)
部活動見学で1年生が10何人も来てくれました。さ~ここから何人入ってくれるのかな?(6/9)
・今日は体力テストがありました。暑くてすごくつらかったです。(6/10)
百人一首のテストがぎりぎりの合格だったので、少し悔しかったです。次は満点を取りたいです。(6/11)
古典の授業が面白かった。これから頑張っていきたい。先週よりは疲れないようになってきました。(6/12)

部活動見学で、1年生がどれだけ入ってくれるかが気がかりですね。いろいろなテストが行われています

SGHクラブディベート班「Farewell Cup」

本日、英語演習室で、ディベート班の「Ferewall Cup(お別れ試合)」が行われました。

県内外のディベート大会が中止となり、高3生は事実上の引退となってしまいましたが、2年生が3年生のためのFerewall Cup(お別れ試合)を企画しました。
Ferewall Cup には、高1(14名)、高2(15名)、高3(4名)、計33名が参加しました。また、昨年度までお世話になった野城充生(みつお)先生(現:作新学院高校トップ英進部スーパーバイザー)が、御同僚である佐藤わかな先生岩上亭子(たかこ)先生とともに、参加してくださいました。


2年生の司会で、即興型のディベートが行われました。10分程度の準備時間の後、試合が始まりました。




最後の試合のお題は、「Japan  should  legalize active enthansia 」(日本は積極的な安楽死を合法化すべきである。)という難題でした。active enthansia (積極的な安楽死) に対して、passive enthansia(受動的な安楽死)があります。受動的なものには、例えば、人工呼吸器をはずす行為があり、合法化されています。しかし、積極的な安楽死は、例えば、薬物を注射する行為があり、合法化されていません。
「日本は、積極的な安楽死を合法化すべきである」という非常に重いテーマに対して、白熱したディベートが繰り広げられました。試合後、4人の3年生からは、やり切った、という達成感が伝わってきました。



試合終了後、高3生の大門君(部長)、若田部さん(副部長)、前川君、関口君から、一言ずつ挨拶があり、後輩たちから花束が贈られました。4人からの「やめたいと思ったことは何度もあった。最初は12人いた仲間がいなくなることで失いかけた自信を、続けることで取り戻すことが出来た。得るものはあっても、失うものはなかった。最後まで続けてよかった。」といった名言の数々が印象的でした。



新部長は、2年生の江部君に引き継がれ、力強い宣言をもって、本日のFarewell Cup(お別れ試合)は終了しました。
こんな素敵な引退ができる3年生は幸せですね。
1,2年生たちは頑張ってください。

最後に、今日一日、ご指導いただいた野城先生、そして佐藤先生、岩上先生ありがとうございました。

佐高ミュージアム㉕

「佐高ミュージアム Original  No.12 ~17」を公開します。

今回は1991年4月号から9月号までの6回分の公開です。この年からスケッチに力を入れるようになってきました。また、文字の大きさや配置など、読みやすさを少しは考えるようになってきました。

佐高ミュージアム Original No.12 「春の野草 Best10」.pdf
佐高ミュージアム Original No.13 「サンショウウオの生存競争」.pdf
佐高ミュージアム Original No.14 「シュレーゲルアオガエル」.pdf
佐高ミュージアム Original No.15 「モリアオガエル」.pdf
佐高ミュージアム Original No.16 「カブトガニ」.pdf
佐高ミュージアム Original No.17 「オニヤンマ」.pdf

下野新聞の取材がありました

本日、下野新聞から2件の取材がありました。

①編集局 政経部の市川記者
 →通常登校開始後の学校、特に、受験を控えた高校3年生の日常について、取材されていました。授業の様子、部活動、高3生へのインタビューなど、約半日かけての取材でした。

(左)高3の授業風景、(右)美術部の活動(中高で30人を超す大所帯となりました)


バスケットボール部、ボート部、ラグビー部などの練習を見学されていました。高3生数名にもインタビューがありました。

*記事は、明日(13日)から始まる「検証 新型コロナ 県緊急事態措置」という連載企画の中で、教育に関する項目(特に、高3に与える影響に焦点)として、来週半ば(水曜日頃?)に掲載される予定だそうです。

②編集局 くらし文化部の藤田記者
  →科学部は今年7月31日から高知県で開催される「第44回全国高等学学校総合文化際高知大会」に自然科学部門の本県代表として参加することが決まっています。ただし、コロナ禍の影響で通常開催ではなく、web開催となりました。そこで、参加校の紹介ということで、下野新聞の取材がありました。取材には、高3の前部長の小松原君、高2の現部長の戸室さんが対応し、最後に新聞に掲載される研究班の写真撮影が行われました。

*記事は来週中に掲載されるのではないかと思います。

*本日は、同じ時間帯で、下野新聞の2件の取材が重なりました。たまたま遭遇した2人の記者さんも、こういうことはめったにない、とおっしゃってました。下野新聞の取材は、今年度、これで5件目となりました。

*また、先日、フジテレビの報道番組で、本校の部活動の様子が放送されましたが、12日のフジテレビ「ノンストップ」(9:50~11:30)でも、同じ映像が放映されたようです。私は実際には見ていませんが、前日、フジテレビから、放送の了解を求める連絡がありました。

https://www.fnn.jp/articles/-/48538

朝の風景(高校3年生)

毎朝、7時半を過ぎる頃から、高校3年生が先生方に質問にやってきます。
職員室前の廊下には、質問・学習用の机イスが用意されていますが、今朝は、7時45分の段階で、4名の高3生が熱心に質問していました。また、自習室や教室でも、勉強している生徒はたくさんいるようです。受験生、頑張れ!

【附属中】生活ノートより

通常登校が始まって、2週目に突入しました。
附属中の生徒が毎日提出している「生活ノート」から、通常登校第1週(6/1~6/5)の様子を振り返ってみました。各学年からランダムに5,6冊の生活ノートを見せてもらいました。

【中学1年生】
・今日は初めての7時間授業でした。とてもドキドキしましたが、面白かったです。(6/1)
・今日から学校が始まりました!とてもうれしいです。係や委員会も決定したので、良かったです。(6/1)
・7時間授業!週番の仕事や清掃などもあり、忙しかった。この生活に早く慣れたい。(6/2)
・今日は音楽の授業がありました。校歌のテストです。校歌を何回も歌って練習しました。(6/3)
・暑かった!そして疲れた。明日はスクールガイドの表紙の写真撮影がある。まさか自分があれに載るとは。(6/4)
・今日は7時間授業になって初めてCTPと家庭科の授業があった。楽しかった。(6/5)


【中学2年生】
・久しぶりの学校だったが、休校になる前と同じように楽しく過ごせた。少し、疲れた。(6/1)
・今日から通常の7時間授業が始まった。月曜からいきなり5教科全部はきつかった。どの教科も頑張っていきたい。(6/1)
・マイチャレンジの希望アンケートをとった。小学校のころから知ってはいたが、実感がわいてきた。中止ではなく延期で良かった。(6/2)
・分散登校では午前か午後のみで一日が短かったが、今日は通常登校3日目なのに、もう2週間くらいたった感じがして面白かった。(6/3)
・急に始まった通常授業にまだ慣れていないので、家に帰ってくる頃には結構疲れている。それでもテストはテストなので、しっかりと家で勉強したい。(6/4)
・私にとって、この1週間はとても長いものだった。想像以上に疲れているので、休日にしっかりとリフレッシュして、月曜日から頑張れるようにしたい。(6/5)


【中学3年生】
・本格的に授業が始まりました。とても疲れました。(6/1)
・今日は、部長による部活動紹介がありました。すごい緊張していて、自分の声が震えていたと思います(笑)。でも、一生懸命さは伝わったと思います。(6/1)
・昨日はよく眠れたので、元気に過ごせました。最近は少しずつ勉強を頑張っています。(6/2)
・今日は予定通りに勉強できました。今度は電車のスキマ時間も活用していきたいです。フジテレビでの佐野高校の紹介見ました。ほんの一瞬ですが、自分もちゃんと映っている!と感動しました。(6/3)
・今週5日間の4日目ということで疲れました。しかし、明日が金曜日なので、少しやる気が出ました。(6/4)
・今日は全学年の集合写真を撮りました。想像以上に暑くて驚きました。(6/5)


*各学年とも、いきなりの7時間授業はかなり疲れを感じていたようです。
少しずつ授業が進み、その生活に慣らしていこう、というポジティブな生徒が多かったです。今週も元気に登校しています。


(PS)中学生は、とても元気です。
 →校長室清掃は、中学校の3年2組が当たっていますが、とても一生懸命にやってくれているので、感動しています。隅々までの掃除機かけ、机だけでなく、椅子の一つ一つを丁寧にぞうきんで拭いてくれます。中途半端では決して止めません。最後まできちんとやってくれています。素晴らしいです。ありがとう!

校長室(自宅)便り⑧

身近な風景 ~ ナガミヒナゲシ

5月になった頃から、気になる植物がありました(下の写真、5月20日撮影)。
道端には至る所で、オレンジ色の可愛らしい花が咲いているのですが、名前がわかりません。以前はあまり見たことがありませんでした。佐高にある「校庭の雑草図鑑」で調べてみても載っていません。おそらく、外来種で最近、分布を広げてきたのではないかと思い、インターネットで、「最近見かける花」などのキーワードで検索したところ、ようやくヒットしました。それが、「ナガミヒナゲシ」でした。

ウィキペディア等で調べてみると、園芸種である「ポピー(ヒナゲシ)」と同じケシの仲間で、ヒナゲシに比べて、果実(実)が細長いことから、「ナガミヒナゲシ」という名前が付けられたということがわかりました。ケシというとアヘンの原料になる危険な植物ですが、ヒナゲシと同様に、アヘンの原料となるアルカロイドは含まれていないそうです。

日本では帰化植物としてすでに自生していますが、日本で最初に発見されたのは、1961年、東京都世田谷区だそうです。おそらく、輸入された作物にその種子が付着して日本に入ってきたと推測されていますが、2000年以降には、全国に爆発的に広がっています。繁殖力が非常に強いことから、2016年以降、埼玉県、千葉県、神奈川県、京都府、東京都、茨城県、新潟県、群馬県、そして栃木県等に位置する複数の自治体では、住民に対し、「特定外来生物や要注意外来生物には指定されていないものの、これらと同様に生態系に大きな影響を与える外来植物」として、ナガミヒナゲシの危険性を周知するとともに、駆除の協力を呼びかけるにいたっています。(以上、ウィキペディア「ナガミヒナゲシ」に記載されている内容を参考に転載しました。)


ところで、ナガミヒナゲシは、本当に大繁殖しているのでしょうか、また、駆除が必要なほどの悪影響があるのでしょうか?

本校では、中高でそれぞれ課題研究など、探究的な学習を行っていますが、上記の疑問は、課題研究のテーマになりうるものではないかと考えました。
そこで、私も「ナガミヒナゲシ」について、課題研究をしてみました。課題研究の事例として紹介します。


(1)リサーチクエスチョンの設定
→ナガミヒナゲシは、駆除が必要なほど、生態系へ悪影響を与えているのか。

(2)仮説
→どんな場所で繁殖しているかを解明すれば、生態系への影響の有無を推測できる。

(3)研究方法
→佐野市内の繁殖状況を明らかにするため、「ナガミヒナゲシ」マップを作製する。
 ・平日は徒歩で通勤したり、土日は散歩をしたりする際に、道路上に繁殖しているナガミヒナゲシをスマホで撮影する。
 ・写真には位置情報が記録されているので、それをもとに、地図上にマッピングする。


(4)結果


「ナガミヒナゲシ」マップ(赤い点がナガミヒナゲシの繁殖を確認し写真を撮った地点)

→・調査した地域では、ほぼ全域でナガミヒナゲシの繁殖を確認した。
   (予想以上に繁殖していた)
 ・車の通りの激しい道路で、路側帯に植物を植栽している場所では大集団で繁殖していた。


(花は枯れていて実が出来ている)

 ・車の通りがあまりない住宅地の路地では、一株単位で繁殖しているものもあった。



  ・農地や農道では、あまり繁殖していない。

(4)考察
→2000年以降、全国に急速に分布を広げている、という文献情報のとおり、佐野市内全域で繁殖しているのが確認できた。特に、車の通りが激しく、土壌があるところでは、大集団となっており、車のタイヤに種子がくっついて分布を広げている可能性が示唆された。一つの実(果実)からは、多数の種子が作られるため、その繁殖力は非常に大きいと考えられる。


(一つの果実で作られる種子は約1600あった)

→現状では、すでに駆除できるレベルを超えているような状況である(と感じた)。
 しかし、そもそも、本種を駆除する必要性がある(=何らかの悪影響がある)かどうかについては、今回の調査からは判断できなかった。
 各自治体で駆除を奨励しているケースも多いが、どういった根拠に基づくものなのかは不明である。

→まだ、農地や農道には、ほとんど入り込んでいないが、今後、さらに時間がたつと進出してくる可能性はある。その際は、何らかの対策が必要となる可能性もある。


(5)今後の課題
→ナガミヒナゲシの花自体は可愛らしく印象的である。繁殖力が旺盛であることが駆除の理由になるのかどうかの追究が必要ではないか。「外来種=悪」という考え方を見直すきっかけになるかもしれない。市民の意識調査(嫌悪感等があるかどうか)なども有効かもしれない。
→各自治体がどのような事態を想定して駆除を推奨しているのか、聞き取り調査を実施したい。
→(ローカルな問題でありながら、グローバルな視点も必要である。)


*もし自分が研究するとしたら、結構面白いテーマになるのではないかと思いました。
*なにこれ?と疑問を持つことと、HP等に書いてあることをうのみにしないことが大切です。まさにクリシン(クリティカル・シンキング)が生きてきます。

レッツ、クリシン!