校長室便り

2020年7月の記事一覧

中3シンカゼミの授業見学

今日の6,7限目は、中学3年の「総合的な学習の時間(シンカゼミ)」(3クラス合同)がありました。

この日は、各グループごとに、フィールドワークの計画を立てたり、訪問先へアポをとる準備を行っていました。

このグループのメンバーは、魚などの生物に興味を持っていて、環境によって棲んでいる生物にどんな違いがあるかを研究しようとしています。班長の飯塚遥人君は、小6の頃から30種類以上の魚類や両生類、爬虫類、甲殻類などを捕獲し、水槽で飼育しているそうです。
(アドバイス)
どこにどんな魚が生息しているかを知っていることは、それだけでも凄いことだと思います。近くの河川や水路でも、環境が違えば、棲んでいる魚も違ってくるので、生息環境と魚類の多様性(種類の豊富さ、在来種の多さ)との関係を調べると面白い研究になると思います。その成果を生物室に展示してくれるとありがたいです。ぜひ、水族館を作ってください。


このグループは、「特定外来生物クビアカツヤカミキリ」の影響などについて研究するそうです。クビアカは、サクラやウメ、モモなどに寄生し、幼虫が木の中を食い荒らす外来昆虫で、被害が進行すると木が枯れてしまうため、観光や農業に深刻な影響を及ぼしています。
(アドバイス)
グループのメンバーの知り合いに佐野市や館林市でクビアカの対策をしている方や被害にあっている果樹園の方がいるなど、研究を進める上で大きなアドバンテージを持っています。まずは実際に被害にあっている方からお話が聞ければ、よりイメージが沸くと思います。研究がどのように展開するか、とても楽しみです。


このグループは、日本と海外の舞台芸術の比較を行うことを研究テーマにしていました。佐野市文化会館やコスモスホールの館長にインタビューを考えているようです。
(アドバイス)
「舞台芸術」という言葉はかなり範囲が広いので、テーマをもっと絞った方がよいと思います。メンバーには、バレエやピアノを習っている人がいるので、自分の体験や普段感じている疑問などから、研究テーマを考えてみたらと提案しました。また、4月に本校に遊びに来てくれたバレエ留学をしている先輩を良く知っている、ということなので、その先輩を通して、海外のことを知ることができると面白い研究になると思います。頑張ってください。


このグループは、佐野市のリサイクルについて研究することを考えています。また、佐野市のリサイクル率を上げるにはどうしたらよいか、をリサーチクエスチョンにしています。
(アドバイス)
最初にリサイクルと聞いたとき、かなり漠然としているような感じがしましたが、リサイクル率という数値で、他の都市との比較ができるということなので、それならテーマを絞り込めるのではないかと思いました。リサイクル率が高い市町を設定し、そことの比較をすることによって、佐野市とどこが違うのかが明確に出来れば、先が見えてくると思います。まずは、リサイクル率についていろいろ調べてみることから始めてみましょう。そうすることで、疑問点や不明な点を解明するにはどこに取材すればよいかなどが見えてくると思います。頑張ってください。


このグループは、オンライン教育がどんな影響を与えているかに着目しています。非常にタイムリーな研究ですね。生徒から見たオンライン教育の功罪という視点は、重要だと思います。
(アドバイス)
どんな影響があったかを調べるには、聞き取り調査が必須ですが、その対象をどこに設定し、どのようにして実施するかが重要です。そう簡単にはいかないこともありますが、ぜひ挑戦して欲しいです。頑張ってください。

高3・フードデザインの授業見学

今日の3・4限目の高校3年生のフードデザイン(森戸先生)の授業では、餃子を作りました。栃木県は餃子の消費量も多く人気も高いですよね。(餃子に欠かせないニラの生産量は栃木県が日本一だそうです。)おいしい餃子が自分で作れるようになるといいですよね。(と言っている自分は作ったことがありません。)


家庭科室の白板には、餃子(2人分)の材料と手順がわかりやすく示されています。

まずは、餃子の具を作ります。森戸先生のまわりに生徒が集まってきました。


みじん切りにした野菜と、塩を振った挽肉と混ぜ合わせ、よくこねます。できた具を餃子の皮で包みます。森戸先生のわかりやすい説明に生徒たちも納得です。


ここからは、生徒たちが具を作って皮で包むまでの作業を行います。

見るからに餃子です。もう、おいしさは想像できます。

まず、焦げ目をつけ、次に、水を3分の1くらい入れ、5分間、蒸し焼きにします。
じきに、おいしそうなにおいが漂ってきます。


いやあ、本当においしそうです。


自分で作った達成感と餃子の味に、思わず、笑顔がこぼれます。


最後に、生徒の感想です。
「わりと簡単にできました。味もおいしいです。家でも作ってみたいです。」
「しょうゆの分量を間違えてしまいましたが、その分、しょうゆをつけなくてもおいしかったです。」
「具をこねるところと、餃子の皮で包むところが楽しかったです。家でも作ってみたいです。」

*毎回、とても楽しい授業です。自分で作った餃子の味は、さぞかし格別だったでしょう。私は見ていただけでしたが、見ていただけでも作れそうな気がしてきました。

7月いじめ・教育相談アンケート結果の公表

7月1日に実施した中高の全生徒を対象に実施した「いじめ・教育相談アンケート」の集計結果について、個人情報に配慮した形で公表いたします。

いじめ・教育相談アンケート用紙.pdf

本アンケートは、いじめをゼロにすることを目指すものではなく、いじめは、いつ、どこでも、だれにでも起こりうるものであることから、その早期発見、早期対応を目的としています。
スクールカウンセラーや教員等との面談の希望がある場合には、即座に対応しています。

R2.7月いじめ・教育相談アンケート結果(中学).pdf
R2.7月いじめ・教育相談アンケート結果(高校).pdf
R2.7月いじめ・教育相談アンケート・自由記述.pdf

今回の調査で、「いじめを受けた」という生徒が中1で2名いましたので、担任がその日のうちに本人から聞き取りを行うなど、即座に対応しました。また、担任との面談を希望していた高校生1名とはすぐに面談を行い、スクールカウンセラーとの面談を希望していた中高の5名の生徒には、直ちに面談日時を設定しました。

自由記述欄についても、担任だけでなく、生徒指導部長、教頭、校長が全生徒の回答に目を通し、生徒の心身の健康状態の把握に努めています。また、生徒の気になる記述についても、必要に応じて、校長自ら、直接生徒本人から話を聞くなど、不安・不満の解消に努めています。


*なお、各月のアンケート結果については、本HPのメニューにある「いじめ・教育相談アンケート」に収納しています。













身近な風景 ~ネムノキは本当に眠るのか?

アジサイの季節も終わろうとしています。
そんな中、今、咲いている花はないかなと探していたら、近くの道路沿いで「ネムノキ」の薄紅色の花が満開でした。


近づいて花をよく見てみると、まるで糸のような繊細な花です。糸のように見えるのは、花の雄しべとめしべです。夕方になると、つぼみの中に縮れて収納されていた糸が少しずつ伸びていきます。



ところで、和名の「ネムノキ」は、夜になると葉が合わさって閉じ、眠るように見えることに由来する、と言われています。漢字名の「合歓木」は、中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされていることからつけられたもの、だそうです。(以上、Wikipediaより)
「眠る」という言葉が適切であるかどうかはわかりませんが、体内時計によって、周囲が暗くなると、葉の付け根の細胞の内部の圧力の変化により、葉を閉じると考えられています。
そこで、「ミニ探究活動」です。

リサーチクエスチョン「ネムノキは、本当に眠るのか?
仮説「ネムノキは夜になると葉を閉じ、朝になると葉を開く
検証方法「ネムノキの葉の様子を夕方、夜、朝の時間帯で、どのように変化するかを観察する。」

早速、7月11日(土)の夕方から12日(日)の朝にかけて、観察を行いました。
夕方17時の段階では、まだ明るく、葉は全開の状態でした。いよいよ、夜の9時です。

明らかに、葉は閉じていますね。本当に眠っているかのように見えます。

次は、翌朝の4時30分です。このころはすでに周囲は明るくなっています。

葉は、開いているのがわかりますか。場所によっては、まだ閉じている葉もあります。ネムノキは、かなり早起きですね。


これは、ネムノキ全体の様子の比較です。左側が夜9時、右側が朝4時30分です。

さらに、1時間経つと、葉がより開いてきます。

左側が、朝4時50分、右側が朝5時10分です。葉がだいぶ開いてきました。

*この観察により、「ネムノキは、夜、葉を閉じ、朝、葉を開く」ことが検証できました。
ここで、さらなる疑問を持った人もいるかもしれません。例えば、ネムノキは暗くなるから葉を閉じ、明るくなるから葉を開くのか、つまり、周囲の明るさ(照度)によって、葉の開閉が起こるのか、それとも、明るさには関係なく、時間によって葉が開閉するのか、その疑問を解明するためには、新たな仮説をたて、どうすればそれを検証できるか、を考える必要があります。

このように、研究はこれがわかれば終わり、というものではなく、一つの疑問の解明が新たな疑問を呼び起こし、深まっていくことになります。

*これからは、「与えられた宿題が終われば、それで終了」という学習ではなく、「自分で問いを見出し、自分で答えを導く」という学習がより求められています。
もちろん、スキルの習得という点では宿題も大事ですが、社会に出れば、「答えのわかっている宿題」がだされることはありません。あったとしても、それはAIがやってくれるでしょう。
「人間にしかできないこと(=考えること)」で勝負できるよう、力をつけていきましょう!

佐高ミュージアム㉙

「佐高ミュージアム 研究室だより No.11~15」を公開します

宇都宮大学教育学研究科に内地留学中の1993年4月号から8月号です。
大学院での研究内容や、内留中に出会った人や生物について、紹介しています。

佐高ミュージアム 研究室だより No.11 「サクラの開花予想」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.12 「渡良瀬遊水池のカラスガイ」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.13「NHK青春牡丹灯籠・悲話」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.14 「山原日記 その1」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.15 「イボイモリに命をかける男~山原日記 その2」.pdf