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校長室便り
2022年2月の記事一覧
【中2】「クエストカップ2022全国大会」出場
2月19日(土)、実在の企業を題材に、答えのない課題に取り組む「クエストカップ2022全国大会」がオンラインで開催されます。全国31都道府県の154校、4098チームから、企業探究部門「コーポレートアクセス」の優秀賞144チームの一つに、附属中の1チームが選ばれました。初めての参加で全国大会出場は、快挙といってもいいでしょう。よく頑張りました。
選ばれたのは、中学2年生の堀田太貴君(2-1)、金谷祐希君(2-2)、前泊慶也君(2-1)、土橋虎太朗君(2-1)の4人グループ(チーム名:team progressive )です。
彼らは「テレビ東京」にインターンし、ミッションに取り組みました。「テレビ東京」のミッションとは、「もう一人の自分」との出会いから世界が始まるテレビ東京のプロジェクトを提案せよ! というものでした。
このミッションに対して、彼らは「センスが世界のヒーローに」というタイトルの作品に仕上げ、7分間のプレゼンをオンラインで行いました。なお、「コーポレートアクセス」は、本校の中学2年生が「総合的な学習の時間」を活用して、全員が取り組んでおり、12月22日に実施した成果発表会の様子は、オンラインで保護者にも配信しました
インターン先の企業は、全部で以下の12社です。
Adecco Group、カルビー、大正製薬、大和ハウス工業、テレビ東京、博報堂、パナソニック、フォレストアドベンチャー、富士通、三菱地所、メニコン、吉野家ホールディングス、といった日本を代表する大企業ばかりです。
「クエストカップ2022全国大会」に出場できるグループは、成果発表の際の資料(パワーポイントと台本)を元に審査されました。
その結果、「テレビ東京」にインターンした堀田君たちの班が、同じく「テレビ東京」にインターンした全国の数多くのチーム(中高)の中から、全国大会に出場できる「優秀賞」12チームの一つに選ばれました。受賞の知らせを先生から聞いたときは、嬉しいと同時に、驚いたそうです。
クエストカップ2022.pdf
「クエストカップ2022全国大会」出場校一覧
2月19日(土)は、1st STAGE として、オンラインで、「テレビ東京」の優秀賞12チームのプレゼンが行われ、企業賞、準企業賞が各1チーム選ばれます。
さらに、後日、2nd STAGE が開催され、12の企業ごとの、企業賞、準企業賞、合わせて、24チームで、決勝大会が開催され、グランプリ、準グランプリ等が決定します。
なお、審査基準は、以下の5項目です。
調査力(調査すべき項目について、きちんと調べているか。)
独創性(チームの主張に独自の見方・考え方はあるか。)
論理性(発表の内容は筋が通っているか。納得がいくか。)
探究力(自らの力で答えを求め、より深く追究しているか。
表現力(表現はわかりやすいか。発表資料に工夫はあるか。)
2月19日(土)の全国大会では、学校からオンラインで参加します。
チームリーダーの堀田君は、このチームの持ち味であるチームワークで頑張りたいと話してくれました。応援しています。
【高2】「世界史」の授業見学(岩田先生)
2月10日(木)3限目、高校2年2組の「世界史」の授業(岩田先生)を見学しました。授業は、イギリスとフランスの「百年戦争」についてでした。後半には、ジャンヌダルクも登場し盛り上がっていました。
岩田先生の授業は、教科書やプリントをベースに資料集を駆使して、考えさせながら進んでいます。生徒たちは、そのような進め方にはまっていて、プリントや資料集を自分が使いやすいようにカスタマイズしています。
後から見た時に、わかりやすいように工夫しています。
授業では、資料集を使って、考えさせる問いかけをしていきます。
例えば、イギリスとフランスの武器の違いによる戦い方の違い。
例えば、家系図から読み取れること。また、地図から考えることも重要です。
当時の地理的な情報や家系図から、百年戦争の背景が見えてきたりします。こうした資料からの読み取りは、これから求められる資質・能力でもあり、「共通テスト」でも重視されています。
そして、百年戦争の末期、フランスの敗色が濃くなってきた時に「ジャンヌダルク」が突如あらわれました。
ジャンヌダルクは、16歳の時にシャルル7世と謁見し、17歳でオルレアンを奪還、フランスの勝利へと導き、19歳でイギリスで火刑に処されました。このわずか数年間の出来事から、百年戦争を俯瞰したり、世界史を動かした生身の人間を感じたりしていました。
世界史の授業では、重要な語句や年号を覚えるのも大切ですが、過去の歴史を学ぶことは、人間という生き物がしてきたことを知り、これからの社会を考える上でも役に立つことを、授業を見学して改めて思いました。
【中1】「国語」の授業見学(北堀先生)
2月10日(木)2限目、中学1年1組の「国語」の授業(北堀先生)を見学しました。単元は、自分を見つめる/随筆二編、「空」と「えんぽう」の2つの随筆を読み味わいます。

ハンカチを「ひらひら」と落としてみました。
ハンカチを「ひらひら」と落としてみました。
この単元は「事物や情感を表す語句や表現に着目して読み、語感を磨く」こと、「場面の展開や描写を基に、筆者の考えや思いを捉える」ことが目標とされています。
授業では、「空」という随筆に出てくる「ひらひら・ひらひらと」が、「ひらひらと」と1回だけ言う場合とどう変わってくるのか、そして、随筆「えんぽう」では、「えんぽう」「エンポー」と書き方が変わると、どのように感じ方が変わってくるのか、について考えました。
生徒たちは、まず、それぞれの考えをプリントに書いていきます。
近くの人の意見も聞いてみた後、指名された何人かの生徒が、自分の考えを黒板に書いて発表しました。
「ひらひら」がどんな場面で使われるか、みんなで考えています。
北堀先生のハンカチだったら、どんな落ち方をするでしょうか。
外は、雪が降っていましたが、この降り方だったら、どんな表現がふさわしいのかも考えています。
そこで、改めて、「ひらひら・ひらひらと」と2回繰り返されると、どんな感じになるかを考えました。
また、「えんぽう」と「エンポー」では、それぞれの語感を伝えるためには、どんな発音をすればよいか、実際に声を出して、確かめ合いました。
こうした語句や表現の工夫について理解を深め、次は、いよいよ、筆者の考えや思いについて、話し合います。
随筆「空」では、文中で出てくる「風花」ではなく、「空」という題名を付けたのはなぜかをそれぞれが考え、近くの人と話し合いました。
そばで聞いていると、「風花は、空を見上げるきっかけにすぎず、伝えたかったのは、見上げた先にあった空だったから」といった説明をしていました。なるほど、と思いました。
こういう活動は、みな大好きなようです。
北堀先生の授業では、読み深める活動が、個人→近くの人→クラス全体、という風に、共感の輪が広がっていきます。背伸びをせず、自分たちが確かに感じられる感覚を大事に拾い上げていくことで、自分自身に置き換えながら、理解が深まってきているように感じました。
【高1】「現代文」の授業見学(松浦先生)
2月10日(木)1限目、高校1年1組の「現代文」の授業(松浦先生)を見学しました。岩井克人「経済の論理/環境の倫理」という評論の授業で、1月31日(月)に見学した授業の続編です。

廊下を通ると、大勢の生徒が黒板で何かをカリカリ書いているような音がしていたので、興味を持ちました。
廊下を通ると、大勢の生徒が黒板で何かをカリカリ書いているような音がしていたので、興味を持ちました。
この評論文の読解も進んできており、この時間は主に読み取ったことをどのように表現するか(アウトプット)に重点が置かれていました。授業は、毎回配られる「読解プリント」により進められています。
授業プリントでは、「倫理」を否定することから出発した経済学が、環境問題に関しては「再び呼び戻す」ことになったのはなぜか。文中の言葉を用いてわかりやすく説明せよ。という問いに対して、生徒はそれぞれ自分の考えを書き込んでいきます。
次に、近くの生徒同士で、自分はこんなふうに書いた、ということを説明し合います。
その後、指名された生徒は自分の答えを黒板に書いていきます。
松浦先生は、ここで説明する際に必要となるキーワード的なものを一つ一つ確認していきます。5人の生徒が書いた文章の中から、該当する部分にアンダーラインを入れていきます。生徒は、5人の指名された生徒が、どのように表現しているかを比較することができ、同じことでもこういう表現の仕方がある、ということを瞬間的に理解することが出来ます。
同様に、いくつかのキーワードが、文章のどこに、どのように書かれているかを内容ごとに番号を付けて示していきます。これらを見ると、自分の文章では、どこが不足していて、どのように書くとわかりやすいかを実感することが出来ます。
このような授業の進め方は、オンラインでも可能なのかもしれませんが、リアルタイムで対面で進めることで、より効果を発揮できるものではないかと思いました。
ここでは、「黒板に書いてくれた大門君の書いた文章は超絶素晴らしい。自分でもこんな風には書けない。」と松浦先生から大絶賛されていました。
さらに授業は、プリントに示された2つ目の問いへの考察へと移っていきました。
その間、生徒が書いたものを机間巡視しながら、アドバイスしたり、良く書けているものを紹介したりしていました。
このように、「評論文の読解」という内面的な作業を、「ともに学ぶ集団」の中でしか得られない付加価値を感じられる授業にしているところが、超絶素晴らしいと思いました。
【中3】「国語」の授業見学(石塚先生)
2月9日(水)3限目、中学3年2組の「国語」の授業(石塚先生)の後半を見学しました。「君は『最後の晩餐』を知っているか」と「『最後の晩餐』の新しさ」という2つの文章を比べて読む、という授業でした。
「最後の晩餐」という壁画は、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品です。
この作品を巡って、藤原えりみ(美術ジャーナリスト)が「『最後の晩餐』の新しさ」、布施英利(美術評論家)が「君は『最後の晩餐』を知っているか」という評論を書いています。二人は、同じ作品を対象に、それぞれ別の視点から、その魅力を解き明かしています。
授業では、2つの文章を読み比べ、それぞれのテーマや着眼点、表現の特徴、共通点などの観点ごとに比較しています。
まずは、班ごとに読み比べを行い、チームスを使って、表にまとめます。
次に、自分たちの班以外で、どんな考えが出ているのかを知るため、「ワールドカフェ方式」を行いました。
ワールドカフェ方式は、班員1名を残して、他の班を訪問し、他の班がまとめた成果を学んできます。残った1名は、他の班からの訪問者を受け入れ、自分たちの成果を説明します。これをすべての班が同時に実行し、最後にもとの班に戻ってきて、いろいろな班の成果を共有します。これにより、一度に多くの班の成果を知ることが出来ます。
他の班から学んできたことのメモです。
これらを班員全体で共有し、気づかなかった視点などを取り入れていきます。
このように、他の班から学ぶことで、比較することの楽しさを味わうとともに、他の班のアイディアを取り入れることで、自分たちの比較内容の完成度を高めることができます。まさに「主体的対話的で深い学び」でもあります。
他の人のいろんな考えを知ることで、多様性を実感しています。
また、比較することで、文章を読み解く力が付いてくることを生徒自身も感じています。全員が集中して取り組んでおり、その中に楽しさを感じていることも伝わってきました。
もちろん、一人1台パソコンを最大限に有効活用していることも、授業の成功の要因です。こういう授業を受けてみたい人は、たくさんいると思います。
緊急情報
特にありません。
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