校長室便り

2020年6月の記事一覧

いじめ・教育相談アンケート結果の公表について

本校では、毎月、月の初めに「いじめ・教育相談アンケート」を中高の全生徒対象に実施しています。

いじめ・教育相談アンケート用紙.pdf

本アンケートは、いじめや悩みなどの早期発見・早期対応をねらいとしており、スクールカウンセラーや教員等との面談の希望がある場合には、即座に対応しています。

これまで、アンケート結果については、特に公表はしてきませんでしたが、本校の「いじめ・教育相談」について、ご理解、ご協力をいただくため、生徒のプライバシーには十分配慮した形で、毎月のアンケート結果を公表することといたしました。本アンケートは、いじめの件数をゼロにすることを目指すものではなく、いじめは、いつ、どこでも、だれにでも起こりうるもの、であることから、その早期発見、早期対応を目指しています。

R2.6月いじめ・教育相談アンケート結果(中学).pdf
R2.6月いじめ・教育相談アンケート結果(高校).pdf

自由記述欄についても、最終的には、校長が全生徒の回答に目を通し、自由記述の内容を分析するなど、生徒の心身の健康状態の把握に努めています。必要な場合には、生徒指導部等を通して、各学年、担任等と連携した対応をとっています。

R2.6月いじめ・教育相談アンケート結果(自由記述).pdf

今後は、やってみて不都合が生じない限りは、アンケートの結果を公表するとともに、これまで以上に、生徒の心身の健康状況の迅速な把握に努めていきたいと考えています。

保護者の皆様には、今後とも、ご理解とご協力をお願いいたします。

*なお、各月のアンケート集計結果等は、本HPのメニューにある「いじめ・教育相談アンケート」に収納します。

中3(体育)の授業見学

今日の3限目は、中学3年生の体育(器械体操:石井先生)の授業を見学しました。

最近、中3の授業見学がやけに多いな、とお気づきの方もいると思いますが、今週末(7月3日)に「中学第3学年保護者会」がありますので、事前に中3の授業や生徒の様子を紹介しておこうと重点的に見学しています。(中高全教員の授業見学を行いますので、他の学年もそのうち回ります。)

体育の授業は、選択制で、
器械体操(石井先生)は第一体育館
バドミントン(久保先生)は第二体育館
陸上競技(吉永先生)は校庭で実施しています。

今日は、器械体操の授業を見学しました。

今日の器械体操の主な種目は「倒立前転」でした。
前時の最後に生徒が記入した「学習カード」の結果から、「倒立前転」がうまくできない生徒がいることから、本時は、「倒立前転」ができるように指導を行っていました。

①まずは、グループごとに分かれて準備運動をした後、倒立(逆立ち)の練習です。体育館の壁をうまく使います。
 →グループ全員ができるようにすることが目標です。苦手な生徒には、生徒同士で補助をしていました。

②次は、全体で前転と後転の練習です。石井先生は、特に安全面には細心の注意を払って指導しています。


③そして、いよいよ「倒立前転」の練習です。倒立前転は、まず倒立して、その後、前転します。

倒立が苦手な生徒には、グループで補助をしています。
すぐにできるようには、なかなかうまくいきませんが、生徒たちは何度も挑戦していました。

*生徒たちには、なぜ、器械体操を選んだのか、どういうところが楽しいのか聞いてみました。

「去年やった器械体操はあまりうまくできなかったので、今年はどうしても克服したいと思って選びました。」
「最初はできないことが、練習してできるようになった時が一番嬉しいです。」
「小学校の時、体操をやっていて、得意なので選びました。」
「自分は陸上部なので、普段はあまりやることがない種目を選びました。」

*いろいろな動機で器械体操を選択していますが、今までできなかったことができるようになりたい、という気持ちで一生懸命練習している姿が、とても良かったです。応援したい気持ちになりました。

中3(家庭科)の授業見学

今日の1限目、中学3年2組の「技術家庭(家庭)」の授業(森戸先生)を見学しました。

保冷バックの製作(全6時間)の3時間目ということで、今日は以下のような作業をしていました。(白板に今日やることがわかりやすく書かれています。)


色のついた布の右側のわき1.5cm幅でチャコで印をつけ、アイロンで折り目をつけ、内側にアルミ布はさみます。
②ぬいしろに、まち針をさして固定し、ミシンで縫います。→見せる
③左側のわきも右側と同様に、1.5cm幅で印をつけ、アイロンで折り目をつけます。→見せる
④持ち手をつける場所に印をつけ、持ち手をホチキスで仮止めします。
⑤ファスナーを縫い付ける場所に印をつけます。→見せる

この →見せるというのが、森戸先生のオリジナルな指導法で、間違い易いところを未然に防ぐことができます。
このチェックポイントごとに先生に見せに来て、合格をもらうと自分ではんこを押し、次の作業に進みます。これによって、誰もが間違いなく完成することができるのだそうです。
(余談)色のついた布は5色(黒、青、ベージュ、ピンク、黄色)あり、希望で選べます。
今年の一番人気は「黒」で、次が「青とベージュ」だそうです。


 チェックポイントを確認してもらいます。
   

 合格したら、自分ではんこを押します。

生徒たちは、お互いに教わったりしながら、もくもくと作業を進めていきます。
自分が何をすればいいのかよくわかっている、という感じでした。ミシンの調子が悪い時は、自分で何とかしていました。



完成するには、あと3時間分の作業が必要です。得意不得意はあるようですが、一人一人着実に進んでいることは間違いないようです。りっぱですね。

授業終了後、生徒にどこが難しかったのか聞いてみました。
安藤さん「アイロンでわきの折り目をつけるとき、温度が高いとアルミが溶けてしまうので、どうやってアイロンをかけるかが難しかったです。」
清水君「まち針を指すのが難しかったです。ミシンをかけるとき、少ししわができてしまいましたが何とかできました。」

*完成したら、お弁当を入れて持ってきます、と多くの生徒が答えてくれました。自分で使うものを自分でつくる。
「素晴らしい」としかいいようがありません。

校長室(自宅)便り⑨ ~有理数と無理数(再考)

先日(26日)、中3の数学の授業(服部先生)を見せてもらいましたが、その際、そもそも、なぜ分数で表すことが出来る数を「有理数」というのかが、大変気になりました。有理数の理は、何を意味しているのでしょうか? 
気になると眠れなくなりそうなので、本日(28日)、佐野市立図書館で、有理数に関して解説している本がないかどうか、探してみました。
そしたら、あったのです! しかも、2冊も。

桜井 進「面白くて眠れなくなる数学」(2010年8月、PHP出版
→著者は、東京工業大学理学部数学科卒業、同大学院卒業の「サイエンス・ナビゲーター」。世界初の「数学エンターテイメント」で話題、という有名人です。期待大ですね。気になって眠れないのと、面白くて眠れないのと、どっちを取るかです。


一松 信「数の世界 -概念の形成と認知」(2015年1月、丸善出版

→著者は1926年生まれ、京都大学名誉教授です。著書の冒頭で「数って一体何なのだろう?」と考えたことはありませんか? と投げかけています。完全に学者の先生ですので、より学問的な裏付けがわかるかもしれません。こちらも期待できそうです。



桜井 進「面白くて眠れなくなる数学」からわかったこと

・先日の服部先生の授業では、有理数の例として、分数 22/7 がさりげなく登場していましたが、実は深い意味があったようです。世界の「7月22日」は「円周率の日」とされていて、22/7 (22÷7)を計算すると、3.142…となり、円周率の近似値になっています。紀元前250年、ギリシャの数学者アルキメデスが、世界で最初に円周率を計算によって、22/7と求めました。そのことを記念して、7月22日は「円周率の日」と制定されているのです。
円周率は紀元前二千年前から探究されてきましたが、その値は長い間、分数で表されていました。小数が発明されたのは今から400年前に過ぎないのです。
(→ちなみに、日本の「円周率の日」は3月14日。わかりやすすぎますね!)

・ところで、日本では「分数で表すことが出来る数」を「有理数」と呼んでいますが、英語で「有理数」は何と呼ばれているのでしょうか?英訳すると「Rational Number」となるそうです。形容詞「Rational」の名詞形は「Ratio」で、「Ratio」とは「比」を表しています。つまり、形容詞「Rational」は「比なる数」という意味になります。つまり、分数は分子と分母の数の比なので、「比なる数」だというのです。
しかし、それだったら、日本人が「Rational Number」を日本語に訳すとき、「有理数」ではなく「有比数」とすればよかったのではないでしょうか。
(→これって、誤訳だったの?)

・著者は、ここからさらにもう一歩踏み込みます。実は、英語の「Ratio」の起源となったラテン語の「Ratio」には「計算」という意味があるのです。「計算すること」から「比」に通じ、「Rational」は「計算的な」となり「合理的な」になっていきました。そうすると、「Rational Number」の日本語訳の候補として、「比なる数→有比数」と「合理的な数」すなわち「理が有る数→有理数」の2つあったのに、「有理数」が採用されたことになります。なぜ、後者に軍配があがったのでしょうか?
(→さすがはサイエンス・ナビゲーターですね。理詰めで畳みかけてきます。)

・「ピタゴラスの定理」で有名な、古代ギリシャの数学者ピタゴラス(紀元前6世紀頃)は、「万物の根源は数なり」と言ったと伝えられています。この「数」とは自然数(正の整数)のことです。ピタゴラスの時代、自然数こそが計算できる数、つまり「理性の象徴」というべき存在ととらえられていました。分数は、二つの自然数の比として考えられる(計算できる)数に他ならず、そうでない数は「非合理的な」という意味となり、排斥されるべき「考えてはいけない存在」だったというのです。そうした歴史的な背景を考慮し、「Ratinal Number」を「有理数」と訳したのではないか、というのが著者の説です。
(→なるほど、説得力ありますね)

・一方、「無理数」の概念は、もっと後になってから出てきます。現代では、√2やπ(円周率)が無理数であることは知られています。しかし、無理数であること(=分数では表すことが出来ないこと)を証明することは、そう簡単ではありませんでした。円周率πが無理数であることが証明されたのは1761年になってからのことでした。400年前、小数点が発明されたことで、ようやく分数を超えて「無理数」への挑戦が始まったのです。
(→確かに、有理数と無理数はセットになっていますので、「無理数」が存在することがわかって、初めて「有理数」という概念が生じてきたのですね。)

・無理数の英訳は「Irrational Number」で、打消しの接頭語Irがついているので、「比に非ず」と「非合理的」の意味があります。この英語を始めて日本語に訳した昔の日本人数学者は、「非合理的」を採用して、「無理」という言葉をあてたのではないか。
(→個人的には、著者の考えに深く納得しました。)


一松  信「数の世界」からわかったこと

・こちらの著者は、「有理数」について、以下のように断言します。
「ピタゴラスは半ば伝説的な人物ですが、その伝統もあって古代ギリシャでは当初すべての数は互いに整数の比で表わされる、つまり整数の比で表される分数だけで十分と考えていました。今日では整数の比で表される数を「有理数」といいます。これはRational Number の訳語ですが、原義は「ratio(比)をもつ数」の意味で、むしろ「有比数」と呼ぶのが的確でした。しかし、すでにこの語が定着しているので、厳格にいえば「誤訳」ですがそのまま使います。」と述べています。
(→つまり、昔の日本人数学者が訳した言葉なので、なぜそのように訳したのかを詮索してもしようがない。それは、学問的にはさして重要なことではない。ということでしょうか。なるほど、学者としては、そのように考えるものなのかもしれませんね。)

・しかし、この本には、√2が無理数であることの証明や、なぜ、0.9999999…=1なのか、の証明が詳しく紹介されています。先日の服部先生の授業では、0.9999999…=1が正しいのかどうかわかりませんでしたが、この本では、0.99999999…=1 であることを証明しています。てっきり間違いだと思っていましたが、数学的に正解でした。それを知れただけでも、この本を読んだ価値がありました。
(→もっとも、全部は読んでませんけどね。興味あるところだけです。文献調査をする際は全部読む必要は全くありません。)



*最後に一言。これらはいわゆる「文献調査」です。たった2冊の本でしたが、その主張は微妙に異なっていましたね。
*自分にとって、どちらがより納得するか、という見方はありますが、どちらが正しいとは判断できません。文献調査をする際は、最低でも複数の文献にあたらないと危険です。文献調査で間違ったことをうのみにしてしまうと、そもそも前提から間違った方向に研究が進んでしまう可能性があるからです。
*少なくとも、「諸説あります」くらいの知識がないと、「チコちゃんに叱られますよ!」

桜井 進「面白くて眠れなくなる数学」からわかったこと

・先日の服部先生の授業では、有理数の例として、分数 22/7 がさりげなく登場していましたが、実は深い意味があったようです。世界の「7月22日」は「円周率の日」とされていて、22/7 (22÷7)を計算すると、3.142…となり、円周率の近似値になっています。紀元前250年、ギリシャの数学者アルキメデスが、世界で最初に円周率を計算によって、22/7と求めました。そのことを記念して、7月22日は「円周率の日」と制定されているのです。
円周率は紀元前二千年前から探究されてきましたが、その値は長い間、分数で表されていました。小数が発明されたのは今から400年前に過ぎないのです。
(→ちなみに、日本の「円周率の日」は3月14日。わかりやすすぎますね!)

・ところで、日本では「分数で表すことが出来る数」を「有理数」と呼んでいますが、英語で「有理数」は何と呼ばれているのでしょうか?英訳すると「Rational Number」となるそうです。形容詞「Rational」の名詞形は「Ratio」で、「Ratio」とは「比」を表しています。つまり、形容詞「Rational」は「比なる数」という意味になります。つまり、分数は分子と分母の数の比なので、「比なる数」だというのです。
しかし、それだったら、日本人が「Rational Number」を日本語に訳すとき、「有理数」ではなく「有比数」とすればよかったのではないでしょうか。
(→これって、誤訳だったの?)

・著者は、ここからさらにもう一歩踏み込みます。実は、英語の「Ratio」の起源となったラテン語の「Ratio」には「計算」という意味があるのです。「計算すること」から「比」に通じ、「Rational」は「計算的な」となり「合理的な」になっていきました。そうすると、「Rational Number」の日本語訳の候補として、「比なる数→有比数」と「合理的な数」すなわち「理が有る数→有理数」の2つあったのに、「有理数」が採用されたことになります。なぜ、後者に軍配があがったのでしょうか?
(→さすがはサイエンス・ナビゲーターですね。理詰めで畳みかけてきます。)

・「ピタゴラスの定理」で有名な、古代ギリシャの数学者ピタゴラス(紀元前6世紀頃)は、「万物の根源は数なり」と言ったと伝えられています。この「数」とは自然数(正の整数)のことです。ピタゴラスの時代、自然数こそが計算できる数、つまり「理性の象徴」というべき存在ととらえられていました。分数は、二つの自然数の比として考えられる(計算できる)数に他ならず、そうでない数は「非合理的な」という意味となり、排斥されるべき「考えてはいけない存在」だったというのです。そうした歴史的な背景を考慮し、「Ratinal Number」を「有理数」と訳したのではないか、というのが著者の説です。
(→なるほど、説得力ありますね)

・一方、「無理数」の概念は、もっと後になってから出てきます。現代では、√2やπ(円周率)が無理数であることは知られています。しかし、無理数であること(=分数では表すことが出来ないこと)を証明することは、そう簡単ではありませんでした。円周率πが無理数であることが証明されたのは1761年になってからのことでした。400年前、小数点が発明されたことで、ようやく分数を超えて「無理数」への挑戦が始まったのです。
(→確かに、有理数と無理数はセットになっていますので、「無理数」が存在することがわかって、初めて「有理数」という概念が生じてきたのですね。)

・無理数の英訳は「Irrational Number」で、打消しの接頭語Irがついているので、「比に非ず」と「非合理的」の意味があります。この英語を始めて日本語に訳した昔の日本人数学者は、「非合理的」を採用して、「無理」という言葉をあてたのではないか。
(→個人的には、著者の考えに深く納得しました。)


一松  信「数の世界」からわかったこと

・こちらの著者は、「有理数」について、以下のように断言します。
「ピタゴラスは半ば伝説的な人物ですが、その伝統もあって古代ギリシャでは当初すべての数は互いに整数の比で表わされる、つまり整数の比で表される分数だけで十分と考えていました。今日では整数の比で表される数を「有理数」といいます。これはRational Number の訳語ですが、原義は「ratio(比)をもつ数」の意味で、むしろ「有比数」と呼ぶのが的確でした。しかし、すでにこの語が定着しているので、厳格にいえば「誤訳」ですがそのまま使います。」と述べています。
(→つまり、昔の日本人数学者が訳した言葉なので、なぜそのように訳したのかを詮索してもしようがない。それは、学問的にはさして重要なことではない。ということでしょうか。なるほど、学者としては、そのように考えるものなのかもしれませんね。)

・しかし、この本には、√2が無理数であることの証明や、なぜ、0.9999999…=1なのか、の証明が詳しく紹介されています。先日の服部先生の授業では、0.9999999…=1が正しいのかどうかわかりませんでしたが、この本では、0.99999999…=1 であることを証明しています。てっきり間違いだと思っていましたが、数学的に正解でした。それを知れただけでも、この本を読んだ価値がありました。
(→もっとも、全部は読んでませんけどね。興味あるところだけです。文献調査をする際は全部読む必要は全くありません。)



*最後に一言。これらはいわゆる「文献調査」です。たった2冊の本でしたが、その主張は微妙に異なっていましたね。
*自分にとって、どちらがより納得するか、という見方はありますが、どちらが正しいとは判断できません。文献調査をする際は、最低でも複数の文献にあたらないと危険です。文献調査で間違ったことをうのみにしてしまうと、そもそも前提から間違った方向に研究が進んでしまう可能性があるからです。
*少なくとも、「諸説あります」くらいの知識がないと、「チコちゃんに叱られますよ!」

身近な風景

先週は、「栃木県立博物館」のある公園でのアジサイを紹介しましたが、今日はアジサイ寺としても有名な大平山にある「大中寺」のアジサイを紹介します。


境内には、大勢のカメラマンがアジサイの写真を撮っていました。午前中までの雨が上がり、強い日差しを受けたアジサイはとりわけ綺麗に見えました。

いろいろな色や品種?のアジサイが咲いていました。

佐高ミュージアム㉗

今回から「佐高ミュージアム研究室だより 」を公開します。

1992年4月から1994年3月までの2年間、佐野高校に在籍しながら、宇都宮大学大学院教育学研究科に内地留学していました。指導教官は、生物学科の中村和夫教授でした。

私は当時、佐野高校の生物部でトウキョウサンショウウオの生態について調査していたので、サンショウウオの生態について研究しようと思っていましたが、中村先生はもともと昆虫生理学が御専門だったので、今まであまり興味のなかった昆虫について研究することにしました。当時の大学院への内地留学は、今と違って、特に教育に関するテーマでなくても、自分のやりたい研究をすることができました。

当時、宇都宮市内を流れる鬼怒川で、川に生息しているカゲロウという昆虫の一種が、夏の夕方ごろ一斉に羽化し、鬼怒川にかかる橋の水銀灯に集まり、その死骸が数センチにも積り、交通渋滞を引き起こすなど、社会問題となっていました。そこで、この昆虫(アミメカゲロウ)について、研究することにしました。大学院での研究については、追々話が出てきますが、最後には、新種の発見となりました。

この2年間の内地留学期間に、佐野高校の生徒(生物選択者)向けに、「すっかんぽ研究室だより」を20号まで発行しました。佐野高校に原稿を送り、印刷して配ってもらいました。研究室でどんな研究をしているのか、また、同じ研究室の大学院生との調査の様子などを紹介しました。

この2年間は、私のその後の教員人生に大きな転機となりました。高校科学部での研究方法、大学関係の人脈など、科学部指導のノウハウ、後にSGHの探究活動を進める上で必要なことは、すべてこの2年間で学んだといっても過言ではありません。この黄金の2年間で見聞きしたことを高校生向けに紹介した「すっかんぽ研究室だより 全20号」を今回から5号ずつ公開していきます。
(前置きが長くなってしまいました)

佐高ミュージアム 研究室だより No.1 「アミメカゲロウの謎!」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.2 「ホタルイカ」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.3 「名古屋の八田耕吉先生」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.4 「カラスウリの花」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.5 「アミメモドキ現われる!」.pdf

中3(数学)の授業見学

本日7限目は、中学3年1組の「数学」(服部先生)の授業を見学しました。

服部先生は、臨時休業中にたくさんの授業動画をアップしていましたね(私が数えてみたら16本ありました!)。独特な登場の仕方で、心を鷲づかみ?された生徒も多かったと聞いています。

今日の学習のめあては、「有理数と無理数について分かる」でした。

①授業はまず、前時の復習で、平方根の大小の確認問題から入りました。
     -3 と  √10              -0.7 と  ー√0.7    
    (どっちが大きいかわかりますか)

②次がいよいよ本題で、有理数と無理数の違いの説明です。
   有理数 → 分数で表すことが出来る数  
         例:整数、0.3   -1.2   2/3 など
   無理数 → 分数で表すことが出来ない数
         例:π=3.141592653589793238462643383279
                                      (円周率です。澁江さんは30桁まですらすら答えました!)



③無限に続く小数→循環小数と循環しない小数(→だんだん難しくなっていきますね。)
   循環小数 → 4/3=1.3333333… 
                                         =1.3(3の上に・)
                22/7=3.142857142857… 
            =3.142857(1と7の上に・)
   循環しない小数 → π や √2など



④循環小数を分数にする(→そんなことができるの?)
   例:0.162(1と2の上に・)
    X=0.162 とし、両辺を1000倍し、もとの式を引くと、

        1000X=162.162162…
    -)     X=    0.162162…
     999X=162   
     よって、X=162/999 →約分すると X=6/77

 *こんなふうに、循環小数は必ず分数にすることが出来るんですね!
  (人生得した気分です。といっても、自分もきっと習っていたはずですけど)

⑤最後に、服部先生からこんな問題が出されました。
  Q 循環小数 0.9(9の上に・)を分数にせよ。

  A X=0.9… とし、両辺を10倍し、元の式を引くと
       10X=9.9…
             -)    X=0.9…
       9X =9
                        X=1

         つまり、循環小数 0.9(9の上に・)=1 となります。
  (こんなありえないことが起こってきます。なぜ、こうなるのかはわかりません。いやあ、数学は奥が深いですね!)

*授業はここで終わりました。生徒たちに授業の感想を聞いてみました。

澁江さん「授業はとてもわかりやすかったです。循環小数のことも理解できました。」
渡辺君「服部先生はユーモアがあり、授業がとても楽しみです。」

*最後に私の感想ですが、「有理数と無理数について分かる」という本時のめあては十分達成できていたのではないかと思います。個人的には、そもそも、分数で表すことが出来る「有理数」が示す「理(ことわり?)」とは何なのか?に興味を持ちました。有理数=理にかなった数、何ゆえ、有理数と呼ぶのか知りたい、と強く思いました。数学も面白いですね
(→こう思わせるのも服部先生のねらいだったのでしょうか? だとしたら、服部先生の思うつぼでしたね。)

中3(国語)の授業見学

今日は、中学3年の国語と数学の授業を見学しました。

まずは、中3「国語」(3年3組、5限目)北堀先生の授業です。

本日のテーマは「俳句を作って句会を開こう」です。

句会は、次のような手順で開かれました。
①選句用紙に、グループ(5~6人)で一人一句ずつ、自分の自信作を書いていきます。
②グループ全員の俳句の中から、一番良いと思う句(自分の句以外で)を一つ選びます。
③自分が良いと思った俳句について、なぜそう思ったのかをグループ内で発表し合います。
④最も票を集めた俳句を班の代表として黒板に書き、発表します。


自分が良いと思った俳句となぜそう思ったかを発表し合っています。


各班で選ばれた俳句を黒板に書いています。


各班の代表作が出そろいました。
それぞれの俳句について、作者の説明を聞き、一番良いと思った俳句を選びました。

1班「梅雨時の 照れる旭と 君の声」
2班「雨が降り 水たまりには 未来像」
3班「寒椿 待ち人いずこ 白い息」
4班「休校中 一時帰宅する 母ツバメ」
5班「猛暑日の 部屋の空気は 赤道下」
6班「制服や 引きこもり吹く 夏の風」

さて、皆さんだったらどれがいいですか?
ちなみに、私は生き物好きなので、生き物が詠み込まれている俳句には反応してしまいます。「生き物」俳句にはこんな作品もありました。

「晴れぬ気と 天気をながめる あまがえる」
「触覚を ゆうゆう伸ばす かたつむり」

*生徒の今日の感想より
「俳句を作るのがこんなに楽しいとは思っていませんでした。」
「自分で見つけた驚きや感動を俳句にすることで、言葉のセンスや想像力が高められました。」
「17音で色々な思いを伝えることができるのはすごいなと思いました」
「俳句には人それぞれの個性が表れていることがわかりました」等

*本時は、確かに楽しい句会でした。自分が選んだ俳句と選んだ理由を語り合う場面が一番盛り上がっていました。楽しいなあ、と言う声もあちこちで聞こえてきました。みんなそれぞれこだわりがあって、なかなか一つに決まらないところが良かったです。
ちょっとのぞいてみようと軽い気持ちで、見学を始めましたが、面白くなって、結局、最初から最後まで見学しました。

高1CTPの授業見学

今日の7限目は、高校1年生のCTP(Criticai Thinking Program)の授業を見学しました。高1の1組から4組まで、同じ時間帯で授業を受けています。

CTPは「批判的な思考力」を養う本校独自の学校設定科目で、国語科、数学科、理科、地歴公民科、英語科の各教員がチームとなって授業を行う合科授業です。1年間の前半は、国語科、数学科、理科、地歴公民科、それぞれの教科で「批判的な思考力」を養う教材を作成し、その教科の教員の指導の下に授業を行います。後半は、それまでに身につけた「批判的な思考力」を活用し、英語科が中心となった「ディベート活動」を行います。

今日は、地歴公民科の島田先生が作成した教材「見えているものが真実とは限らない」と題した授業を行いました。



(浜島書店「最新図説 政経」を参考に作成。授業のパワーポイント資料より)

昨年度は、1学年全員が格技場で一斉に授業を受けていましたが、その形態だとメモがとりにくかったり、グループワークなどがしにくいことや、コロナや熱中症対策で、今年度は各教室で実施しました。
教材作成者の島田先生が、担任をしている1年3組で授業し、それをZoomを使って、他の3クラスに同時中継することで、4クラスの一斉授業が可能になりました


1年3組で授業をする島田先生


他の3クラスでは、Zoomによって配信された画面を見ながら学習します。

生徒に授業を受けた感想を聞いてみました。
まずは、島田先生の授業をその場で受けた3組の生徒です。

林さん「事実や根拠の意味、日常生活との関わりなど、これからどうやって生活していけばいいのか考えるきっかけとなりました。」
小林さん「前提、根拠など、具体的な事例が紹介されていたので、わかりやすかったです。」
松本君「固定観念にとらわれない考え方が大切だとわかりました。興味を持てる内容だったので、面白かったです。」

それでは、Zoomによる遠隔授業を受けていた生徒たちはどうだったでしょうか。

新井さん「音の大きさが突然変わることがありましたが、遠隔でも普通に授業を受けているのと変わりありませんでした。」同様多数。

*島田先生が伝えたいことは、遠隔でもしっかりと生徒たちに伝わっていました。

中3英語の授業見学

今日も、いろいろな先生の授業を見学しました。

中学3年3組の「英語」(高木先生)の授業です

昨日の高校3年生の英語の授業を見学し、中学校ではどんな授業をしているのか興味を持ちました。
3限目に英語演習室で行われている「英語」の授業を見せてもらいました。

・Lesson 3「Rakugo Goes Overseas」(世界に広がる落語)は、英語で落語を行う大島希巳江(おおしま きみえ)さん、桂三輝(かつら さんしゃいん)さんが登場します。


桂三輝(かつら さんしゃいん)さんの落語。カナダ出身のプロの落語家です。

・教科書の内容を学習した後、「マッピング」という作業を行います。教科書に書かれていることを参考にして、例えば、「Rakugo」に関する情報をプリントに書き出します。その際、教科書以外の内容や自分の感想なども記入し、「Rakugo」に関することが一目でわかる「マップ」を作成します。

・このマップをもとに、「Rakugo」について伝えるストーリーを英語で作ります。これが、Story Retelling(ストーリー リテリング)です。自分が作ったストーリーを英語で相手に伝え、さらに相手を変えて繰り返すことで、他の人のアイディアを取り込み、ストーリーをより魅力的なものにしていきます。こうして英語での表現の幅がどんどん広がっていく、という画期的な取組です。





授業が終わった後に生徒に感想を聞いてみました。

落合さん「他の人が話すストーリーを聞いて、そういうストーリーもあるのかと勉強になりました。」
山口さん「英語でのコミュニケーションがたくさんできて楽しかったです。」
清水君「日本の文化を英語で伝えることは難しかったです。しかし、ジェスチャーを交えれば何とか紹介できるんじゃないかと思いました。」

*生徒たちは、ペアワークを繰り返すことで、ペアの相手の発想の良さに気づいたり、それを取り入れて自分の表現の幅がひろがったことに喜びを感じたり、コミュニケーションの楽しさを感じていたりしていました。 素晴らしい授業です!

高3理系(英語)の授業見学

本日、3限目、高校3年生理系の「コミュニケーション英語Ⅲ」(川俣先生)の授業を見学しました。

教科書のLesson2「God's  Hands(神の手)」を教材に、授業を進めていました。
Lesson 2は、「神の手を持つ」と言われ、2012年に当時の天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀した心臓外科医、天野篤(あまの あつし)さんを取り上げています。天野さんは、順天堂大学医学部心臓血管外科教授として、また同大学医学部附属順天堂医院院長として、現在も第一線で活躍しています。

この教材をもとに、授業は物語のSection(段落)ごとに、以下のように進められていました。

Step1発音の確認。:単語やフレーズの発音を確かめ、CDや教員のあとに続いて発音。CDを聞いてListening Quiz に答える。等
Step2本文を読む。:文章の構造を理解し、正確に文章を理解する。
Step3Q&A:ペアに分かれて問題を出し合う、音読穴埋め:適語を補いながら音読する。 ←(本時はここまで)
Step4サイトラ(Sight translation):英文または日本文を見て、それぞれを翻訳する。

この授業の進め方は、担当の先生が変わると教え方ががらっと変わってしまうのではなく、担当の先生が違っても同じ内容を学習できるよう、本校の英語科の先生方が試行錯誤しながら、たどり着いた「学習サイクル」だそうです。このサイクルの中で、それぞれの先生が工夫してプリントを作ったりしています。これによって、本校の英語科全体の指導力アップにつながりました。
(以上は、授業後に英語科の先生方にお聞きした内容をもとにまとめました。もし間違っていたら後で訂正します。)


写真は、Step3の「Q&A」に取り組んでいる生徒たちです。

授業終了後、近くにいた生徒に授業の感想を聞いてみました。

中野君「いつも通りの川俣先生の授業です。先生の説明を一方的に聞くのではなく、ディスカッションがあり、話し合い活動が多いので、眠くなるようなことはありません。」
入澤君「ペアワークが多いです。単語やフレーズの発音を自分で確認できるところがよいと思います。」
岡さん「先生が元気すぎるので疲れますが、眠くなりません。」

*川俣先生のパワー溢れる授業が印象的でした。授業見学は、突然、ふらっとお邪魔しましたが、一見して生徒が授業に真剣に楽しく取り組んでいることがわかりました。

中2(華道)、中1(学活)の授業見学

今日の7限目に、
①中学2年1組の「華道」(総合的な学習の時間)の授業と
②中学1年生の「学活」(総学の振り替えにより実施)の授業を見学しました。

①「華道」の授業では、小原流の清水一克先生のご指導により、生徒一人一人が、実際にお花を生け、最後に清水先生に手直し等をしていただき、作品を完成させます。今日は、ニューサイラン、カスミソウ、カーネーションの3種を使いました。


生け方には、いくつかの型があるそうで、それをもとに生徒たちは何度も試行錯誤をしながら、完成させていました。

何人かの生徒に感想を聞いてみました。

浅野さん「茎が細いカスミソウは指しにくかったです。正面だけでなく、横から見たときにも立体感を出すのが難しかったです。とても楽しかったです。」

恩田さん「初めてだったので難しかったです。緊張しました。最初は、何が良くて何が悪いのかわかりませんでしたが、先生に直していただくと、なるほどそうなのかと納得しました。先生からは90点と言われました。」


お花は、家に持ち帰り、家でもう一度、生けてみるそうです。
自分でお花が生けられるなんて、素敵ですね。


②中学1年生は、7限目に「学活」を行いました。
テーマは「ソーシャルスキル」、ソーシャルディスタンスではありませんよ。
友人関係のスキルを身につけます。

私たちは、何かを失敗したときに「ごめんなさい」と謝りますが、そのタイミングを逸してしまい、後悔した経験は誰しもあると思います。
ソーシャルスキルは、これまで謝れなかった自分の経験を振り返り、場面に応じた謝罪の仕方を確認します。
2人1組になり、「さりげない謝罪」「普通の謝罪」「丁寧な謝罪」を表す言葉や態度を考え、実際にやってみました。
最後に、我こそはと思う生徒が、担任の先生を相手に、「さりげない謝罪」、「普通の謝罪」、「丁寧な謝罪」にチャレンジしていました。

「さわやかに謝ることができる佐附中生」、もうそれだけで素晴らしいです!

身近な風景

今日(2020年6月21日)は、夏至です。そして、部分日食がありました。

栃木県の天気は曇りでしたので、残念ながら、部分日食を観察することはできませんでした。九州地方などでは観察できたところもあったようです。

一方、夏至は二十四節気の一つで、暦の上では夏の盛りの頃です。
夏至の日は1年で太陽が最も空高く昇り、最も昼の長さが長くなる日です
しかし、日の出時刻が最も早く、日の入り時刻が最も遅いわけではありません。

(今日の佐野市は)
日の出時刻は4時24分20秒日の入り時刻は19時2分37秒で、
昼間の時間(日長)は14時間38分17秒でした。

ところで、今年
日の出時刻が最も早いのは、6月12・13日(4時23分22秒)、
日の入時刻が最も遅いのは、6月28・29日(19時3分24秒)なのですが、
昼間の時間(日長)を計算すると、本日6月21日が最も長くなるのです(→夏至)。
つまり、夏至は毎年6月21日と決まっているわけでなく、日長を計算し、最も日長が長い日が「夏至の日」となるのです。ちなみに、去年の夏至は、6月22日でした。

今年の22日は、日の出が21日より14秒遅れ(=日が短くなる)、日の入りは12秒遅れる(=日が長くなる)ので、差し引きすると、21日より2秒だけ日が短くなってしまいます。今年は2秒の差で、今日(21日)が、めでたく夏至となりました。

1年で最も日が長いといっても、わずか数秒の差ですので、私たちがその変化を感じとることは難しそうです。


今日は、栃木県立博物館で、「栃木県版レッドデータブック改定事業 両生爬虫類部会」が開催されました。私も部会員として参加しましたが、博物館がある公園の敷地では、この時期の風物詩である「アジサイ」が見頃を迎えていました。



アジサイを見ると、今は梅雨なんだな、と改めて思います。
梅雨という季節に最もピッタリくる植物は、アジサイをおいてほかにはないでしょう。(あくまで主観です。)


*最後に、本日の「両生爬虫類部会」では、2000年頃、足利市松田町で「モリアオガエル」(木の枝に白い泡に包まれた卵を産むことが有名)を確認しているのですが、その後の記録がないことが話題になりました。

足利市や佐野市で、これまでに「モリアオガエル」の卵塊(木の枝に産んだ白い泡に包まれた卵)を見たことがある方は、是非、情報をお寄せください(→校長室まで)。大発見になるかもしれません。

佐高ミュージアム㉖

「佐高ミュージアム Original  No.18 ~22」を公開します。

今回は1991年10月号から1992年3月号までの5回分の公開です。2月号は行方不明でした。(そもそも作っていなかったのかもしれませんが…。)ところで、NO.21で紹介したタヌキの剥製は、現在、生物室の廊下にあるロッカーの中に保管されています。見たい人は見に来てください。

(PS)No.20と21の2枚目が入れ替わっていたことに気が付きました。後日、学校で訂正しますが、今見ている人は2枚目を交換して読んでください。


佐高ミュージアム Original No.18 「赤とんぼとヒガンバナ」.pdf
佐高ミュージアム Original No.19 「サケ」.pdf
佐高ミュージアム Original No.20 「タヌキの事情」.pdf
佐高ミュージアム Original No.21 「タヌキの事情part2」.pdf
佐高ミュージアム Original No.22 「サンショウウオをめぐる人々」.pdf

SGHクラブ国内班 第1回オンライン講座

本日の放課後、英語演習室でZoomを使ったオンライン講義を行いました(16:30~17:30)

内容は以下の通りです。
(1)テーマ「Think Globally Act Locally エコロジーオンラインがつなげる世界」
(2)講師:NPO法人エコロジーオンライン代表 上岡裕先生(佐野高校OB)
(3)講義内容
   ・エコロジーオンライン及び上岡先生のこれまでの取組
   ・佐野から全国へ世界へ発信する方法、
   ・田中正造型グローバルリーダーについて
   ・質疑応答
(4)参加者:SGHクラブ国内班、フランス語班(16名)


*参加した生徒からの感想です。

・これまで授業で聞いたことがある言葉がたくさん出てきました。それらがどのようにつながっているのかが理解できました。これからの研究に活かしていきたいです。(2年 猪瀬君)
・私は、田中正造が生まれた佐野に住んでいるからこそ、やるべきことがある、と思いました。(2年 松原さん)
・マダガスカルとフランス語との関係を初めて知ることができました。フランス語班として何ができるか考えていきたいです。(2年 戸室さん)
・自分がよく知っている去年の台風で秋山川が決壊した場所を上岡先生も知っていたことから、同じ佐野に住んでいるんだなあと親近感を持ちました。(2年 大山君)

次回は1週間後の6月27日だそうです。

下野新聞~総文祭自然科学部門出場(科学部)

本日付け、下野新聞21面スクール文化欄に本校科学部の紹介記事が掲載されました。

今夏、インターネット上で開催される全国高校総合文化祭(総文祭)の自然科学部門で、生物分野の本県代表として、本校の科学部が出場します。
研究のタイトルは「栃木県産有尾目の保全に向けて」です。昨年の12月に宇都宮大学を会場として県予選が行われ、生物分野で第1位となり、総文祭出場となりました。
総文祭では、地道に積み重ねてきた研究の成果を全国の代表校とともに、動画などで披露します。


(下野新聞6月19日付け21面より、下野新聞社の著作物利用承諾済み)

下野新聞2020.6.19科学部.pdf

下野新聞の記事

本日付け、下野新聞の3面「検証 新型コロナ 県緊急事態措置④」という連載で、以下のように、本校が取り上げられました。

「家庭学習を支援するため、独自の対策に取り組んだ高校もある。佐野高は、教員の授業動画をインターネットで配信。ネット環境のない生徒にはタブレット端末を貸し出した。再開後の授業を円滑に進めるための、県内でも先進的な取り組みであった。」


(下野新聞6月17日付け、3面。著作物利用承諾済み)

本校は、中高ともに各学年各教科で、ユーチューブによる授業動画を独自に作製し、配信してきました。再生回数は少なくとも合わせて数千回以上に上りました。
また、ネット環境のない生徒にはタブレット端末を貸し出したのは、本校のみであり、本県の県立高校では、最も先進的な取り組みとして高く評価されています。

紙面では「遠隔授業は通常の授業の補完には限界がある」ことが指摘されていますが、これは考えてみれば当たり前のことで、遠隔授業の方があらゆる面で優れていたとしたら、本校の存在価値はありません。生徒の反応を見ながら説明したり、生徒同士が学び合ったり、質問に答えたりすることで理解を深める、といった当たり前の授業が求められていることは言うまでもないでしょう。

しかし、本校の動画配信は、遠隔授業という制約の中で、どのような形態の授業であれば、通常授業の補完ととして有効に機能するかを、先生方が試行錯誤しながら、改善していった過程でもありました。

先生方に聞いてみると、授業動画等の配信により、予習をする習慣が身についてきており、小テストなどの成績は例年に比べて上がっている、という成果も出ているそうです。今後、臨時休業中の動画配信等の成果と課題について、検証していきますが、今回蓄積されたノウハウは、おそらく、通常の授業の改善にも反映され、今後のコロナ感染症の第2波、第3波に備えた遠隔授業体制の準備・構築にも役立つ大きな武器になると考えています。

音楽室にエアコンが入ります!

現在、音楽室にエアコンを入れる工事を行っています。

単に、音楽室にエアコンを取り付けるだけでなく、室外機の設置や電源の確保・配線など、結構大がかりな工事が必要です。工事は6月上旬から始まっていますが、実際に使えるようになるのは、7月になった頃になります。

【附属中】生活ノートより

附属中の生徒が毎日提出している「生活ノート」から、通常登校第2週(6/8~6/12)の様子を振り返ってみました。
各学年からランダムに5,6冊の生活ノートを見せてもらいました。



【中学1年生】
・今日は体育で自校体操をやりました。覚えているところと覚えていないところがあるので、しっかり覚えていきたいと思います。(6/8)
・楽しみにしていたワクワクプロジェクトの正体がわかりました。風間さんから藍染め」のお話を聞き、とても驚きました。(6/9)
・きょうは校内オリエンテーリングがありました。学校のことを前より知ることができ、楽しかったです。(6/10)
・美術で立方体を書くのが楽しかったです。もっと描けるようにるように努力したいです。(6/11)
・1週間が終わりました。先週よりかは学校に慣れてきました。休日はゆっくり休んで、また頑張ります。(6/12)

1年生は、校内オリエンテーション、総合的な学習の時間による「藍染めプロジェクト」、部活動見学等がありました。だいぶ学校に馴染んできましたね


【中学2年生】

・今日は2年生で初めての技術の授業があり、プリント整理箱を作りました。あともう少しで完成するところまできました。次回の授業が楽しみです。(6/8)
合唱コンクールの曲決めをしました。どれもいい曲ばかりで迷いましたがやっと決まりました。練習頑張りたいです。(6/9)
・今日は中條先生による情報モラル講話がありました。特にLINEの使い方では、相手に不快な思いをさせないよう、しっかり見直してから送信しようと思いました。(6/10)
・学校帰りに強い雨が降ってきて、リュックに入っていたノートとか教科書が悲惨なことになってました。今日は雨が嫌いになりました。(6/11)
・今日は音楽で校歌のテストがありました。やっぱり先生の前だと緊張してうまく歌えません。(6/12)

2年生は、合唱コンクールの曲決め、情報モラル講話、校歌のテストなどがあったようですね。楽しみな授業も増えてきました

【中学3年生】
・今日は家庭科できんちゃく袋づくりをしました。無事に完成して良かったです。(6/8)
部活動見学で1年生が10何人も来てくれました。さ~ここから何人入ってくれるのかな?(6/9)
・今日は体力テストがありました。暑くてすごくつらかったです。(6/10)
百人一首のテストがぎりぎりの合格だったので、少し悔しかったです。次は満点を取りたいです。(6/11)
古典の授業が面白かった。これから頑張っていきたい。先週よりは疲れないようになってきました。(6/12)

部活動見学で、1年生がどれだけ入ってくれるかが気がかりですね。いろいろなテストが行われています

SGHクラブディベート班「Farewell Cup」

本日、英語演習室で、ディベート班の「Ferewall Cup(お別れ試合)」が行われました。

県内外のディベート大会が中止となり、高3生は事実上の引退となってしまいましたが、2年生が3年生のためのFerewall Cup(お別れ試合)を企画しました。
Ferewall Cup には、高1(14名)、高2(15名)、高3(4名)、計33名が参加しました。また、昨年度までお世話になった野城充生(みつお)先生(現:作新学院高校トップ英進部スーパーバイザー)が、御同僚である佐藤わかな先生岩上亭子(たかこ)先生とともに、参加してくださいました。


2年生の司会で、即興型のディベートが行われました。10分程度の準備時間の後、試合が始まりました。




最後の試合のお題は、「Japan  should  legalize active enthansia 」(日本は積極的な安楽死を合法化すべきである。)という難題でした。active enthansia (積極的な安楽死) に対して、passive enthansia(受動的な安楽死)があります。受動的なものには、例えば、人工呼吸器をはずす行為があり、合法化されています。しかし、積極的な安楽死は、例えば、薬物を注射する行為があり、合法化されていません。
「日本は、積極的な安楽死を合法化すべきである」という非常に重いテーマに対して、白熱したディベートが繰り広げられました。試合後、4人の3年生からは、やり切った、という達成感が伝わってきました。



試合終了後、高3生の大門君(部長)、若田部さん(副部長)、前川君、関口君から、一言ずつ挨拶があり、後輩たちから花束が贈られました。4人からの「やめたいと思ったことは何度もあった。最初は12人いた仲間がいなくなることで失いかけた自信を、続けることで取り戻すことが出来た。得るものはあっても、失うものはなかった。最後まで続けてよかった。」といった名言の数々が印象的でした。



新部長は、2年生の江部君に引き継がれ、力強い宣言をもって、本日のFarewell Cup(お別れ試合)は終了しました。
こんな素敵な引退ができる3年生は幸せですね。
1,2年生たちは頑張ってください。

最後に、今日一日、ご指導いただいた野城先生、そして佐藤先生、岩上先生ありがとうございました。

佐高ミュージアム㉕

「佐高ミュージアム Original  No.12 ~17」を公開します。

今回は1991年4月号から9月号までの6回分の公開です。この年からスケッチに力を入れるようになってきました。また、文字の大きさや配置など、読みやすさを少しは考えるようになってきました。

佐高ミュージアム Original No.12 「春の野草 Best10」.pdf
佐高ミュージアム Original No.13 「サンショウウオの生存競争」.pdf
佐高ミュージアム Original No.14 「シュレーゲルアオガエル」.pdf
佐高ミュージアム Original No.15 「モリアオガエル」.pdf
佐高ミュージアム Original No.16 「カブトガニ」.pdf
佐高ミュージアム Original No.17 「オニヤンマ」.pdf

下野新聞の取材がありました

本日、下野新聞から2件の取材がありました。

①編集局 政経部の市川記者
 →通常登校開始後の学校、特に、受験を控えた高校3年生の日常について、取材されていました。授業の様子、部活動、高3生へのインタビューなど、約半日かけての取材でした。

(左)高3の授業風景、(右)美術部の活動(中高で30人を超す大所帯となりました)


バスケットボール部、ボート部、ラグビー部などの練習を見学されていました。高3生数名にもインタビューがありました。

*記事は、明日(13日)から始まる「検証 新型コロナ 県緊急事態措置」という連載企画の中で、教育に関する項目(特に、高3に与える影響に焦点)として、来週半ば(水曜日頃?)に掲載される予定だそうです。

②編集局 くらし文化部の藤田記者
  →科学部は今年7月31日から高知県で開催される「第44回全国高等学学校総合文化際高知大会」に自然科学部門の本県代表として参加することが決まっています。ただし、コロナ禍の影響で通常開催ではなく、web開催となりました。そこで、参加校の紹介ということで、下野新聞の取材がありました。取材には、高3の前部長の小松原君、高2の現部長の戸室さんが対応し、最後に新聞に掲載される研究班の写真撮影が行われました。

*記事は来週中に掲載されるのではないかと思います。

*本日は、同じ時間帯で、下野新聞の2件の取材が重なりました。たまたま遭遇した2人の記者さんも、こういうことはめったにない、とおっしゃってました。下野新聞の取材は、今年度、これで5件目となりました。

*また、先日、フジテレビの報道番組で、本校の部活動の様子が放送されましたが、12日のフジテレビ「ノンストップ」(9:50~11:30)でも、同じ映像が放映されたようです。私は実際には見ていませんが、前日、フジテレビから、放送の了解を求める連絡がありました。

https://www.fnn.jp/articles/-/48538

朝の風景(高校3年生)

毎朝、7時半を過ぎる頃から、高校3年生が先生方に質問にやってきます。
職員室前の廊下には、質問・学習用の机イスが用意されていますが、今朝は、7時45分の段階で、4名の高3生が熱心に質問していました。また、自習室や教室でも、勉強している生徒はたくさんいるようです。受験生、頑張れ!

【附属中】生活ノートより

通常登校が始まって、2週目に突入しました。
附属中の生徒が毎日提出している「生活ノート」から、通常登校第1週(6/1~6/5)の様子を振り返ってみました。各学年からランダムに5,6冊の生活ノートを見せてもらいました。

【中学1年生】
・今日は初めての7時間授業でした。とてもドキドキしましたが、面白かったです。(6/1)
・今日から学校が始まりました!とてもうれしいです。係や委員会も決定したので、良かったです。(6/1)
・7時間授業!週番の仕事や清掃などもあり、忙しかった。この生活に早く慣れたい。(6/2)
・今日は音楽の授業がありました。校歌のテストです。校歌を何回も歌って練習しました。(6/3)
・暑かった!そして疲れた。明日はスクールガイドの表紙の写真撮影がある。まさか自分があれに載るとは。(6/4)
・今日は7時間授業になって初めてCTPと家庭科の授業があった。楽しかった。(6/5)


【中学2年生】
・久しぶりの学校だったが、休校になる前と同じように楽しく過ごせた。少し、疲れた。(6/1)
・今日から通常の7時間授業が始まった。月曜からいきなり5教科全部はきつかった。どの教科も頑張っていきたい。(6/1)
・マイチャレンジの希望アンケートをとった。小学校のころから知ってはいたが、実感がわいてきた。中止ではなく延期で良かった。(6/2)
・分散登校では午前か午後のみで一日が短かったが、今日は通常登校3日目なのに、もう2週間くらいたった感じがして面白かった。(6/3)
・急に始まった通常授業にまだ慣れていないので、家に帰ってくる頃には結構疲れている。それでもテストはテストなので、しっかりと家で勉強したい。(6/4)
・私にとって、この1週間はとても長いものだった。想像以上に疲れているので、休日にしっかりとリフレッシュして、月曜日から頑張れるようにしたい。(6/5)


【中学3年生】
・本格的に授業が始まりました。とても疲れました。(6/1)
・今日は、部長による部活動紹介がありました。すごい緊張していて、自分の声が震えていたと思います(笑)。でも、一生懸命さは伝わったと思います。(6/1)
・昨日はよく眠れたので、元気に過ごせました。最近は少しずつ勉強を頑張っています。(6/2)
・今日は予定通りに勉強できました。今度は電車のスキマ時間も活用していきたいです。フジテレビでの佐野高校の紹介見ました。ほんの一瞬ですが、自分もちゃんと映っている!と感動しました。(6/3)
・今週5日間の4日目ということで疲れました。しかし、明日が金曜日なので、少しやる気が出ました。(6/4)
・今日は全学年の集合写真を撮りました。想像以上に暑くて驚きました。(6/5)


*各学年とも、いきなりの7時間授業はかなり疲れを感じていたようです。
少しずつ授業が進み、その生活に慣らしていこう、というポジティブな生徒が多かったです。今週も元気に登校しています。


(PS)中学生は、とても元気です。
 →校長室清掃は、中学校の3年2組が当たっていますが、とても一生懸命にやってくれているので、感動しています。隅々までの掃除機かけ、机だけでなく、椅子の一つ一つを丁寧にぞうきんで拭いてくれます。中途半端では決して止めません。最後まできちんとやってくれています。素晴らしいです。ありがとう!

校長室(自宅)便り⑧

身近な風景 ~ ナガミヒナゲシ

5月になった頃から、気になる植物がありました(下の写真、5月20日撮影)。
道端には至る所で、オレンジ色の可愛らしい花が咲いているのですが、名前がわかりません。以前はあまり見たことがありませんでした。佐高にある「校庭の雑草図鑑」で調べてみても載っていません。おそらく、外来種で最近、分布を広げてきたのではないかと思い、インターネットで、「最近見かける花」などのキーワードで検索したところ、ようやくヒットしました。それが、「ナガミヒナゲシ」でした。

ウィキペディア等で調べてみると、園芸種である「ポピー(ヒナゲシ)」と同じケシの仲間で、ヒナゲシに比べて、果実(実)が細長いことから、「ナガミヒナゲシ」という名前が付けられたということがわかりました。ケシというとアヘンの原料になる危険な植物ですが、ヒナゲシと同様に、アヘンの原料となるアルカロイドは含まれていないそうです。

日本では帰化植物としてすでに自生していますが、日本で最初に発見されたのは、1961年、東京都世田谷区だそうです。おそらく、輸入された作物にその種子が付着して日本に入ってきたと推測されていますが、2000年以降には、全国に爆発的に広がっています。繁殖力が非常に強いことから、2016年以降、埼玉県、千葉県、神奈川県、京都府、東京都、茨城県、新潟県、群馬県、そして栃木県等に位置する複数の自治体では、住民に対し、「特定外来生物や要注意外来生物には指定されていないものの、これらと同様に生態系に大きな影響を与える外来植物」として、ナガミヒナゲシの危険性を周知するとともに、駆除の協力を呼びかけるにいたっています。(以上、ウィキペディア「ナガミヒナゲシ」に記載されている内容を参考に転載しました。)


ところで、ナガミヒナゲシは、本当に大繁殖しているのでしょうか、また、駆除が必要なほどの悪影響があるのでしょうか?

本校では、中高でそれぞれ課題研究など、探究的な学習を行っていますが、上記の疑問は、課題研究のテーマになりうるものではないかと考えました。
そこで、私も「ナガミヒナゲシ」について、課題研究をしてみました。課題研究の事例として紹介します。


(1)リサーチクエスチョンの設定
→ナガミヒナゲシは、駆除が必要なほど、生態系へ悪影響を与えているのか。

(2)仮説
→どんな場所で繁殖しているかを解明すれば、生態系への影響の有無を推測できる。

(3)研究方法
→佐野市内の繁殖状況を明らかにするため、「ナガミヒナゲシ」マップを作製する。
 ・平日は徒歩で通勤したり、土日は散歩をしたりする際に、道路上に繁殖しているナガミヒナゲシをスマホで撮影する。
 ・写真には位置情報が記録されているので、それをもとに、地図上にマッピングする。


(4)結果


「ナガミヒナゲシ」マップ(赤い点がナガミヒナゲシの繁殖を確認し写真を撮った地点)

→・調査した地域では、ほぼ全域でナガミヒナゲシの繁殖を確認した。
   (予想以上に繁殖していた)
 ・車の通りの激しい道路で、路側帯に植物を植栽している場所では大集団で繁殖していた。


(花は枯れていて実が出来ている)

 ・車の通りがあまりない住宅地の路地では、一株単位で繁殖しているものもあった。



  ・農地や農道では、あまり繁殖していない。

(4)考察
→2000年以降、全国に急速に分布を広げている、という文献情報のとおり、佐野市内全域で繁殖しているのが確認できた。特に、車の通りが激しく、土壌があるところでは、大集団となっており、車のタイヤに種子がくっついて分布を広げている可能性が示唆された。一つの実(果実)からは、多数の種子が作られるため、その繁殖力は非常に大きいと考えられる。


(一つの果実で作られる種子は約1600あった)

→現状では、すでに駆除できるレベルを超えているような状況である(と感じた)。
 しかし、そもそも、本種を駆除する必要性がある(=何らかの悪影響がある)かどうかについては、今回の調査からは判断できなかった。
 各自治体で駆除を奨励しているケースも多いが、どういった根拠に基づくものなのかは不明である。

→まだ、農地や農道には、ほとんど入り込んでいないが、今後、さらに時間がたつと進出してくる可能性はある。その際は、何らかの対策が必要となる可能性もある。


(5)今後の課題
→ナガミヒナゲシの花自体は可愛らしく印象的である。繁殖力が旺盛であることが駆除の理由になるのかどうかの追究が必要ではないか。「外来種=悪」という考え方を見直すきっかけになるかもしれない。市民の意識調査(嫌悪感等があるかどうか)なども有効かもしれない。
→各自治体がどのような事態を想定して駆除を推奨しているのか、聞き取り調査を実施したい。
→(ローカルな問題でありながら、グローバルな視点も必要である。)


*もし自分が研究するとしたら、結構面白いテーマになるのではないかと思いました。
*なにこれ?と疑問を持つことと、HP等に書いてあることをうのみにしないことが大切です。まさにクリシン(クリティカル・シンキング)が生きてきます。

レッツ、クリシン!


佐高ミュージアム㉔

「佐高ミュージアム Original  No.6 ~11」を公開します。

当時は、月一回発行していましたので、今回は1990年10月号から翌年の3月号までの6回分の公開です。細かい文字が多くて読みにくいかと思いますが、興味のある方はご覧ください。

佐高ミュージアム Original No.6 「秩父の秋」.pdf
佐高ミュージアム Original No.7 「がんばれ!寒すずめ」.pdf
佐高ミュージアム Original No.8 「琵琶池の朝」.pdf
佐高ミュージアム Original No.9 「ケサランパサランを探して」.pdf
佐高ミュージアム Original No.10 「トウキョウサンショウウオの産卵」.pdf
佐高ミュージアム Original No.11 「春を告げる花たち」.pdf

附属中全体写真の撮影

本日の昼休み、今年度のスクールガイド用の写真撮影を行いました。
「12:45にシャッターを切る」という予定でしたので、生徒たちは昼食終了後、徐々に前庭に集まってきました。撮影は、管理棟3階の理科室の窓から、写真屋さんが身を乗り出して行います。隣で見ていると、はらはらどきどき。とっても怖そうですが、さすがプロは違うな、と思っていたら、やっぱり怖いそうです。(気をつけてくださいね。)


撮影は、ぴったり予定通りの12:45でした。それも、わずか2ショット。
生徒たちのいい表情が撮れたので一発OKということでした。
さすがは附属中生ですね。


直前までマスクをしていて、シャッターを切る前に外しました。左側が外す前、右側が外した後、ということで高校の理科の先生が写真屋さんの隣でシャッターを切ってくれました。(といっても、小さすぎてわかりませんね。)

情報モラル教育

本日7限目、高校1年生対象の「情報モラル教育講話」がありました。
3密を避けるという観点から、格技場で生徒同士の間隔を広めにとって実施しました。
講師は、今年度から本校に赴任した中條康雄(ちゅうじょう やすお)主幹教諭です。


講話は、
1.さまざまなインターネットトラブル
 (1)不適切な情報発信
 (2)誘い出し、自画撮り画像
 (3)コミュニケーショントラブル
2.ネットトラブルにあわないために
3.ネット依存(ゲーム依存)
という内容です。

講師の中條先生の専門は、れっきとした数学ですが、実は、昨年度まで、栃木県総合教育センターで勤務されており、研究調査部の「情報教育支援チーム」のチームリーダーとして活躍されていました。

「情報教育支援チーム」は、パソコンやタブレットなど、情報機器の整備に関することや、本県の「情報モラル教育」や「プログラミング教育」などを、どのように進めていったらよいかを検討しているプロジェクトチームです。中條先生は、そのチームリーダーですので、まさに栃木県の「情報モラル教育」の総元締めです。
今回の「情報モラル教育講話」の講師として、これ以上適任の方は、本県には存在しない、といっても過言ではないでしょう。実は、昨年度までは、講師として、わざわざ来ていただいていました。

しかし、今年度からは本校の主幹教諭ですので、中3(6/2実施)、高1(本日実施)、中2(6/10)、中1(6/17)と、贅沢にも学年ごとに内容を変えて実施しています。

県内の具体的なネットトラブルや最近の事例(SNSでの匿名による誹謗中傷、ネットゲームで課金に発展する罠など)をふんだんに紹介しながら、わかりやすく説明してくださいました。おそらく、45分という講話時間が短く感じられたのではないでしょうか。



来週からは、中2、中1の「情報モラル教育講話」がありますが、どんな内容になるのか、楽しみにしています。

校長室へのお客さん

今日の放課後、中学1年生の松葉紳一郎君が、家の近くの水田で見つけた「ボルボックス」をペットボトルに入れて持ってきてくれました。



「ボルボックス」と言えば、理科の教科書にはたいてい載っている有名な微生物の一種ですね。しかし、野生の状態で実物を見つけることは、専門家でも難しいとされています。「ボルボックス」は直径1ミリ以下の球形ですので、これが「ボルボックス」ですと言われなければ、普通はわからないと思います。ましてや、水田からすくった水をみただけで、「ボルボックスがいる!」とピンとくるなんて、松葉君はただ者ではないなと直感的に思いました。

水田ですくった水の中にいた「ボルボックス」(中央に丸いつぶつぶが2つある)を発見!


話を聞いてみると、松葉君は、小学4年生から「微生物の観察」を続けており、小5と小6では、栃木県の理科研究展覧会の中央展覧会で、2年連続で最優秀賞を受賞しています。
そうです。彼は「微生物の研究者」だったのです。
大事にしている「微生物図鑑」に載っている「ボルボックス」をいつか見つけたいと3年間、思い続け、たまたますくった水に「ボルボックス」がいることを見逃さなかったのです。
「やっと見つけた!」
これは研究している者だけが発することができる言葉だと思います。

せっかくなので、生物室で顕微鏡を使って、観察することにしました。
佐野高校の高性能デジタル顕微鏡で見ると、球体の周囲の繊毛まで観察できました。



今後は、「ボルボックス」が生息している環境や、走光性(光に集まる性質)について調べてみたい、と希望を話してくれました。
佐野高校・同附属中は、研究する環境が整っていますので、是非、挑戦してほしいです。また、新たな発見があったら、報告に来てください。

*他にも、興味を持っていることや、何か発見?したことがあったら、誰でも校長室に来てください。楽しみにしています。

オンライン講義が行われました

本日、16時から17時まで、宇都宮大学農学部の大久保教授による「オンライン講義」が行われました。

内容は、SGH海外班希望者を対象に、「マレーシア・サワラクの地理・民族」について、約45分間の講義とその後の生徒の発表などが約15分間行われました。


今日参加した14名の生徒の中には、昨年度、サワラクにフィールドワークに参加した生徒が5名おり、昨年度の体験談やそこから学んだことなどの発表がありました。

今年は、残念ながら現地に行くことはできませんが、オンラインでの現地の高校生との協働研究がうまくいくことを期待しています。



明日以降も、様々なプログラムが用意されているようですので、今回参加できなかった生徒でも、興味のある方は是非参加してみてください。

校庭の風景

今、校庭のいたるところで花を咲かせている植物、それは「ドクダミ」です。

「ドクダミ」というと、嫌われる雑草のベスト3には間違いなく入るのではないでしょうか。毒を連想させるダーティーな語感、強烈な臭い、刈り取ってもまた生えてくる不屈の生命力。あまりいいイメージはありませんが、実は、それは「ドクダミ」が持っている真の力の裏返しでもあるのです。それでは、校庭のどんな場所に生えているかを見てみましょう。


まずは、管理棟前の庭園です。
葛生産の岩石標本の周りは一面が「ドクダミ」で覆い尽くされています。
クスノキの巨木が生えている前庭へのアプローチも「ドクダミ」の白が映えています。


中庭にも「ドクダミ」の白い花が咲き誇っており、新緑の中で鮮やかなアクセントになっています。

ところで、「ドクダミ」の語源には諸説あります。最もポピュラーなものは「毒矯め(どくだめ)」から来ていると言われています。「矯め」には悪いものを良くする、という意味があります。生薬としても有名で十種の薬効があると考えられたことから「ジュウヤク(十薬)」(日本薬局方の生薬名)と呼ばれています。葉を乾燥させたものが、十薬末として販売されているそうです。何に効くかはネットで調べてみてください。「センブリ」「ゲンノショウコ」と並んで、三大民間薬とされているそうです。

ここまでくると、「ドクダミ」は逆に凄すぎますね。
「ドクダミ」の花言葉は、「野生」「白い追憶」が一般的ですが、あるサイトでは「見かけによらない(真の力)」というのもありました(真偽のほどはわかりませんが…)。「野生」は一番ぴったりくる感じですが、「見かけによらない」というのも、言い得てますね。


最後に一つ、白い花びら、に見えるものは、実は花びらではありません。
苞(ほう)といって、葉が変形した部分です。黄色く見えるところが多数の小さな花の集まりだそうです。これも、見かけによらない、ですね。

(参考文献:以下のサイトから情報を取得しました)
・ドクダミ(ウィキペディア)
・雑草をめぐる物語
・鈴木ハーブ研究所
・草花と自然 他

今日から通常登校です

本日は、4月8日の始業式以来、初めて中高の全学年の生徒が一斉に登校しました。

これまでの分散登校では、顔を合わせるのは出席番号が偶数の生徒だけ、または奇数の生徒だけでしたので、同じ教室に全員が揃うのは、本当に久しぶりです。

今日は、中高それぞれの学年で、ホームルームや授業、課題テストなどが行われています。

昼食は、通常だと、生徒同士机を合わせたり、楽しく会話したりしながら食べていることが多いですが、現状では、この場面が最も感染のリスクが高い、といわれています。そのため、机を向かい合わせての会食は、当面禁止しています。

高校生の中には、体育館や伝統文化室の入り口のスペースに横並びで昼食を楽しんでいる生徒も見かけました。そんな生徒たちに声をかけてみました。


Q どうしてここで食べてるの?
→気分転換になるかなと思いました。場所もちょうど良かったので(女子5人組)

→3人ともクラスが違うんで、ここで一緒に食べることにしました。今まで、全く会うことがなかったので、みんな元気で本当に嬉しかったです(男子3人組)

Q 休み中はどんなことをしていたの?
→学校からの課題やゲーム、自分の趣味などですね。趣味もだんだん飽きてくるので、新しい趣味探しもしていました。新しい趣味としては、なわとび、おりがみ、近くのコンビニまでのダッシュで往復(約1キロ)などです。
とにかく、こんなに学校を待ち焦がれていたのは初めてでした。(男子3人組)

*男女それぞれ、あまり語らずとも、そばにいるだけでなんだか安心する、といったしみじみとした雰囲気でお昼を食べていました。当たり前すぎる日常が、再び戻ってきたことを実感しているようでした。


午後は、中高の授業の様子を見てきました。
それぞれ、生徒の興味を引くような教材や話題を工夫していました。
その中で、中3の英語の授業に参加しました。


これからの時代の学びとして、「主体的・対話的で深い学び」を実現するために、グループワークやペアワーク等、他者との対話を重視した学習活動が推奨されていますが、今般の状況に鑑み、授業の目標を達成する上で、必要最小限の範囲で実施しています。(本県の方針に基づいています)

上記の英語の授業終了後に何人かの生徒(中3)に、通常登校初日の感想を聞かせてもらいました。

→久しぶりにみんなに再会できて良かった。ユーチューブの動画だとわからないところはそのままになっていましたが、対面の授業だと、疑問が残らず、すっと頭に入ってきました。

→家では生活のリズムが崩れてしまい、疲れていました。学校が始まることで、生活のリズムを元通りにしていきたいです。友達に会えたのが楽しかったです。


また、校長室掃除に来てくれた中3生(男女2名)にも、今日一日の感想を聞いてみましたが、一様に、みんなに会えて楽しかった、と明るく答えてくれました。

*全般的に、前向きな気持ちになれた、と感じてくれた生徒が多かったという印象がありましたが、口には出しにくい不安を抱えている生徒もいるのではないかと思います。生徒対象の不安や悩みなどに関するアンケートを実施するなど、生徒の心身の状況の把握に努めていますが、心のケア等、きめ細かな対応を行って参りたいと考えています。