校長室便り

2020年7月の記事一覧

栃木県立博物館~特別展示「骨スペシャル」

今日は、栃木県立博物館の特別展示「骨スペシャル~わたしはだれでしょう?~」が昨日から始まっていたので見てきました。
展示の仕方がとても面白かったので紹介します。



展示されている標本は、すべて県立博物館所蔵のもので、特段珍しいものが陳列されているわけではないのですが、展示の仕方が秀逸だと思いました。企画・展示は、博物館の学芸部長で、私の盟友でもある林光武さんが行っています。

展示のコンセプトは、とてもシンプルです。
「よく知っている動物でも、骨格標本になってしまうと、その正体を当てるのは難しいもの。そこで、いろいろな動物の骨格標本が、「わたしはだれでしょう?」とみなさんに問いかけます。骨をよく見て、ヒントを読んで、彼らの正体を見破ってください。」

会場に入ると、右手には骨格標本が並んでいます。


一番手前は、魚類です。「わたしはだれでしょう?」骨格標本が語り掛けます。


例えば、これはだれだかわかりますか?

「栃木県の川にもくらしているよ。尾ビレと尻ビレはつながっていて一枚のヒレになっているよ。かば焼きで有名な、体が細長い、わたしはだれ?」


「海にくらしているけれど、栃木県の人たちは、わたしの親せきの切り身を「モロ」って呼んでよく食べるみたい。カマボコの原料にもなる、わたしはだれ?」


会場の左手の壁面には、その答えが展示されています。


上の6番と8番の答えは



どうですか。当たってましたか?

分類群ごとにクイズと答えが、標本で展示されています。
→両生類と爬虫類です。





→哺乳類です。




紹介はここまでにしておきましょう。博物館の収蔵庫で出番を待っていた骨格標本たちは、心なしか生き生きとしているように見えました。

なお、同時に、テーマ展「骨が語る動物の秘密」も開催されています。


9月22日までやってますので、ぜひ展示の妙を味わってみてください。

PS:博物館のレストランでは、毎回、企画展の展示に合わせた特別メニューが用意されています。今回は、テーマが「骨」なので、骨付きのスペアリブカレーでした。
ちょっと辛かったですが、おいしかったですよ。


佐高ミュージアム㉚

「佐高ミュージアム 研究室だより No.16~20」を公開します

宇都宮大学教育学研究科に内地留学中の1993年9月から1994年3月にかけての研究内容や、内留中に出会った人や生物について、紹介しています。

佐高ミュージアム 研究室だより No.16 「水銀灯に集まる生き物たち」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.17 「ヒカリゴケとヒカリモ」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.18 「思川のサケ漁」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.19 「サケムシとアミメカゲロウモドキ」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.20 「変わりゆく三かも山」.pdf

以上で、「研究室だより No.1~20」は終了です。この内地留学後、佐野高校から小山西高校に転勤になりましたが、転勤した年の小山西高校の研究紀要(1994年度)に研究報告(一般向け)を掲載しました。また、1998年には、「陸水学雑誌」という専門誌に論文(専門家向け)が掲載されました。大学ではどんな研究をしているものなのか、参考までに掲載します。興味があったら、読んでみてください。
なお、1994年の段階では、新種に名前がついていなかったので、「アミメカゲロウモドキ(仮称)」と表記していますが、1998年では、新種「アカツキシロカゲロウ」(朝方出現することから命名)と表記しています。

1994年→ 新種アミメカゲロウモドキ(仮称)の生活史について.pdf
1998年→ アカツキシロカゲロウの生活史と若齢幼虫形態について.pdf

とちテレの取材がありました。

今日は、とちテレが「佐野高校」の紹介番組制作のため、授業等の取材がありました。

そこで、取材に同行し、とちテレさんが、どんな授業を撮影していったのか紹介します。ただし、番組はおそらく数分間ですので、取材した大半はボツになってしまうと思われますので、ご承知おきください。なお、高校の紹介ですので、中学の授業の取材はありませんでした。

1限目:高校1年2組の「古典」(武田先生)の授業です。


今日の授業は「児のそら寝」を題材とし、助動詞「たり」の使い方を学んでいました。「たり」には、存続(~している)と完了(~してしまった)の2つの意味があるそうです。右の写真は、「し出したるさまにて、ひしめき合いたり」の文中の「たり(たる)」がそれぞれ、どちらの意味なのかをペアワークで話し合っているところです。

2限目:3年3,4組「コミュニケーションⅢ」(川俣先生)の授業です。


授業では、ペアワークや音読などをよくやっていますので、そうした活動を熱心に取材していました。


2限目:2年1組「日本史」(高久先生)の授業です。


今日の授業は、平安時代初期から前期にかけて活躍した「伴善男(ともの よしお)」が主人公でした。「善男」という今でもいそうな名前ですが、浮き沈みの激しい波瀾万丈の生涯を、一人芝居で演じきる高久先生の話術に思わず引き込まれました。


2限目:1年3.4組「数学ⅠA」、3限目:1年1,2組「数学ⅠA」(根岸先生)


今日は、二次不等式の授業でした。授業では、予習をしてきた問題の解き方や考え方をペアになっている生徒同士でお互いに説明し合って、理解を深めています。
(とちテレさんは、2限目までで「絵」は十分撮れた、ということで、残念ながら取材にはきませんでした。)

3限目:3年4組「生物」(清水先生)の授業です。
(→これも取材はありませんでした。とちテレさんは、校舎等の風景を撮影されていました。)


今日は、お茶の水女子大の臨海実習所から特別に送ってもらった「ウニの仲間(タコノマクラ)」の受精の観察を行いました。未受精卵に精子を混ぜると、受精が起こり、受精膜が上がりました。


昼休み:図書室で生徒会長(齋藤純香さん)のインタビューをしていました。




放課後:SGHクラブマレーシア班の「マレーシアの高校生とのZoomでの交流」を行いました。マレーシアの高校は新型コロナの影響で、まだ休業中で、生徒は登校できていません。そこで、マレーシアの高校生15名と先生2名は、それぞれ自宅から参加していました。



こうして、朝8時半ごろから、17時すぎまで、一日がかりの取材が終わりました。
とちテレさん、お疲れ様でした。

なお、放送は8月3日だそうです。結構速いですね。
詳細がわかりましたら、お知らせします。

*9月6日に予定していた「学校公開」に代わるものとして、「Web 学校公開」で公開する授業や部活動等の撮影は、今回とは別物です。あくまでも、とちテレさんが、自分の番組として製作するものです。
「Web 学校公開」用の撮影は、来週の20日(月)、21日(火)、22日(水)あたりで、専門の業者によって行われます。

中2(理科)の授業見学

本日の6限目に、中学2年3組の理科(中村先生)の授業見学を行いました。
今日は、「鉄と硫黄の混合物を加熱したときの変化」を調べる実験を行いました。本来は、もっと早い時期に行いますが、6月までは実験観察が出来なかったので、この時期に、確認実験として行いました。

授業が始まるときには、すでに黒板に実験の流れがわかりやすく書かれているので、生徒たちは、今日の実験の全体像を把握し、一つ一つの作業がどのような意味を持っているのかを確認したうえで実験ができるよう、工夫されていました。その際、電子黒板も効果的に活用していました。



この実験は、鉄と硫黄の粉末を混ぜて、試験管に入れて熱すると、別の物質(硫化鉄)ができることを確認します。この時、よく混ぜることが成功のポイントです。
生徒は安全のため、ゴーグルを付けて実験をしています。


鉄と硫黄の混合物を熱すると、高熱と光を出して反応します。反応が始まったら、金網の上に載せて、反応の様子を観察します。この過程で、硫黄の蒸気が発生します。ここまでを安全に行うことが、この実験では重要です。
中村先生は、注意点を的確に指摘し、全員が安全に反応を観察することが出来ました。生徒たちは、とても冷静に反応を観察できていました。

反応が進行しています。まるで溶岩のようですね。

実験は、この後、加熱させていない混合物と、反応後の物質を それぞれ試験管に取り、磁石にくっつくかどうか、塩酸を入れて気体が発生するかどうか等を観察することで、反応物が何なのかを考察します。
ここからは、2時間連続の2時間目の内容でしたが、残念ながら、7限目は高校の生徒会役員選挙だったため、続きの授業を見学することはできませんでした。

本校では、2時間連続の理科の授業が設定されていますので、実験とその後の考察や実験プリントの整理に時間をかけることが出来ます。実験観察は、やって終わり、というのではなく、今日やった実験を振り返り、実験によって何がわかったのかをじっくりと考察することが重要です。そこまで授業でできているところが、附属中の素晴らしいところだと思います。

放課後、生徒のノート中の「実験プリント」(すでに各自のノートに張り付けてありました。)をランダムに見せてもらいました。
↓大体こんな感じです。


自分で、ここは重要というところにマーキングしている生徒もたくさんいました。
一番下の欄は、自己評価と疑問に思ったことです。自己評価はこんなふうになっています。
・観察実験に関する知識や技能を身につけた(A B C)
・ねらいをよく理解して取り組むことが出来た(A B C)
・興味関心を持って、進んで取り組むことが出来た(A B C)
・班員と協力して、観察実験や準備、片付けができた(A B C)

→ほとんどの生徒がAに〇を付けており、生徒の授業の理解度や満足度は高いと思いました。