校長室便り

2022年2月の記事一覧

【中3】「社会」の授業見学(高野先生)

2月3日(木)5限目、中学3年2組の「社会」の授業(高野先生)の後半を見学しました。今日の学習課題は「社会の中でお互いに助け合うしくみは、なぜ必要なのか?」でした。

生徒は、以下の社会保障の給付費の推移のグラフから、どのような特徴が読みとれるかを考え、プリントにまとめていました。



自分でまとめた考えを近くの生徒に説明しています。




何人かの生徒が、自分の考えを代表して発表してくれました。


*皆さん、よく考えていることが分かりました。それぞれが、自分の言葉で説明できるところはさすがです。グラフを読み取り、そこから課題を見いだす力は、これからますます必要になってきます。高野先生の授業では、こうした取組が授業の中で普通に行われるようになっており、とても素晴らしいと思いました。

【中3】「理科」の授業見学(中村先生)

2月3日(木)4限目、中学3年3組の「理科」の授業(中村先生)を見学しました。
単元は「自然界のつりあい」です。この時間は「生態系における生物の数量的関係」について、グラフを見て考え、班ごとに発表する、という活動をしていました。

2月1日(火)から、「天体」(地学分野)から「自然界のつりあい」(生物分野)に入りました。生態分野について学ぶことは、「持続可能な開発」や「SDGs」との関連も大きく、とても重要だと思っています。生態分野の1時間目は、それぞれが知っている知識をもとに、「生態系のイメージ図」を書いていました。興味深かったので、いくつか紹介します。













今日の授業は、「生態系における生物の数量的関係」がテーマでした。

オオヤマネコとカンジキウサギの個体数の変化のグラフを見て、次の設問について、班ごとに考え、発表します。



班ごとに考え、ホワイトボードを使って発表の準備をしています。






そして、班ごとに発表しました。
<1班>


<2班>


<3班>


<4班>


<5班>


<6班>


<7班>


<8班>


<9班>


*どの班も、なぜそうなるのかをよく考え、どうすればわかりやすく伝えられるか、という視点から、ホワイトボードにまとめていました。それぞれが、全部違う方法で説明していたことが良かったと思います。さすがは、こうした活動に慣れているなと感じました。また、中村先生は、生徒が自ら考える活動を重視しており、その成果として、どのクラスでも活発なグループワークができるようになっています。

【中3】「佐高生・佐附中生の活躍」プレート作成

2月1日(火)、中学3年1組の山崎厘太朗君が、「佐高生・佐附中生の活躍」プレートを書いてきてくれました。

ちなみに、山崎厘太朗君は今年度の下野書道展で「特選」を受賞した書道の達人です。
山崎君の紹介

書いてきてくれたプレートは、校長室の中に設置した、今年度、新聞・冊子等に掲載された本校生の活躍を伝える記事の紹介コーナーに掲示しました。ぴったりはまっています。現時点で、20点以上の掲載があります。県内でここまで取り上げられている学校は、私の知る限り、本校以外ではありません。


この掲示板の裏側はこのようになっています。

Zoomなどを使った集会を行う際の「背景」となっています。その裏側の空きスペースを活用して、「佐高生・佐附中生の活躍」を紹介する掲示板を作成しました。今後は、本校のHPで紹介している画像も追加して紹介する予定です。充実した内容になると思いますが、コロナの影響で来客がほとんどなくなったため、見てくれる人がいないことが残念です。生徒の皆さん、興味があったら、昼休み等に見に来てください。

【中1】「佐野市理科研究展覧会」最優秀賞③

中学1年生の部で「第17回佐野市理科研究展覧会」最優秀賞を受賞した磯部碧唯さん(2組)の作品について紹介します。研究題目は「ペットボトルをあけると、なぜ煙ができるのか」です。

皆さんは、ペットボトルのふたを開けた瞬間、空気の入った隙間に、白い雲のような煙が発生するのを見たことがありますか? 

「そう言われれば、見たことがあったかもしれない」と思い出したり、「確かに見たことある」とうなずく人もいるかもしれません。しかし、ほとんどの人は、それでおしまいのはずです。なぜ、煙がでてくるのか、どういうときに出てくるのかを突き止めてみよう、と実際に行動する人は、まずいません。おそらく、自分もそうだと思います。

磯部さんは、そうした疑問をそのままにせず、解明しようと思いました。
具体的には、どんな種類の飲み物の時、煙が発生するのか、煙はどうやって発生するのか、どういう条件の時に発生しやすいのか、こうした疑問を実験することで明らかにしていきました。これこそ探究です。それでは、どんな実験をしたのか、見ていきましょう。

実験1:煙が発生するペットボトル飲料は何か。

→煙ができたものは、すべて「炭酸飲料」であることが分かりました。このことから、「炭酸飲料から二酸化炭素がでていくことが、煙ができることに関係がありそう」と考察しました。

実験2:ペットボトルのふたをあけると、どのくらい軽くなるか。

→実際に、炭酸飲料はふたをあけると、二酸化炭素が出ていくため、かなり軽くなることがわかりました。このことから、「炭酸飲料から二酸化炭素が出ていくと、なぜ煙が出来るのか?」という新たな疑問が生じました。

実験3:気体が出ていくと温度は変わるか?

→風船から空気が抜けると、温度が2℃以上下がることがわかりました。このことから、「炭酸飲料から気体(二酸化炭素)が抜けると温度が下がり、空気中の水蒸気が冷やされて水滴になる、これが煙になるのではないか」という仮説を立てました。

実験4:気体がぎっしり詰まったスプレーから気体を出した後のスプレー缶の温度変化を調べる

→スプレーを使うと、スプレー缶の表面の温度が2℃くらい下がり、冷たくなることが分かり、仮説の前半を裏付ける結果が得られました。

実験5:空気を冷やすと、煙(水滴)ができることを調べる

→ペットボトルを冷やすと、ペットボトルの周りに水滴がついてきましたが、煙はできませんでした。しかし、凍らせた保冷剤やドライアイスの周りには煙ができました。このことから、空気が冷えると、煙(細かい水滴)ができることがわかり、仮説の後半を裏づける結果が得られました。

実験6:煙ができるときの炭酸飲料の温度と気温との関係を調べる。

→仮説を活用した応用の実験です。まず、炭酸飲料の温度が高いと多くの二酸化炭素が逃げることがわかりました。そして、逃げる量が多いほど、ペットボトル内の気体の温度が下がり、炭酸飲料と気温との温度差が大きいほど、たくさん煙が出ることがわかりました。これで、煙が出来るメカニズムが解明されました。

(まとめ)これらの実験から、以下のことがわかりました。

1 炭酸飲料は、ふたをあけたときに煙が発生する。
2 炭酸飲料は、二酸化炭素がたくさん溶けていて、ふたを開けると二酸化炭素が逃げるので、「プシュッ」と音がする。
3 気体が逃げる時、温度が下がる。
4 温度が下がると、空気中の水蒸気が冷やされて煙(水滴)となる。
5 炭酸飲料の温度が気温よりも高いときに、煙(水滴)がたくさん発生する。
6 炭酸飲料と気温の温度差が大きいほど、たくさん煙が発生する。


このように、一つの実験がつぎの謎を生み、それを突き止めるための仮説を立て、次の実験を考える、というように探究はどんどん深まっていきました。その結果、ペットボトルをあけた時の煙が発生するメカニズムを解明することが出来ました。これは、素晴らしい研究だと思います。

磯部さんの研究の最後に「感想」として、こんなことが書かれていました。
「ペットボトルのふたをあけると煙がでるというのは何気ないことだけど、実はいろいろな科学現象が関係していることがわかりました。きっと身の回りで普段何気なく見ていることの中にも科学現象が関係していることがたくさんあるのだろうなと思いました。」

身の周りの現象が科学でできている、ことに気付くと世界が変わって見えるかもしれません。もちろん、磯部さんも「才能あり」です。いい研究に出会えてよかったですね。

【中2】「届けよう、服のチカラ」感謝状

2月1日(火)お昼の放送で、中学2年1組葛原愛紘さんが、中学2年の有志生徒で実施した「届けよう、服のチカラ」プロジェクトに対して、ユニクロから感謝状が贈られてきたことを報告しました。

葛原さんは、「届けよう、服のチカラ」のプロジェクトリーダーとして、旭城祭から10月頃まで、約2500枚の子供服(段ボール28箱分)を集めました。11月3日に枚数を数えてユニクロに送付していましたが、その感謝状が届きました。


また、感謝状とともに、「2021年度参加校のみなさまへ」と題するお礼状も同封されていました。それによると、今年度は、新型コロナの影響で、ユニクロの社員が直接現地に行って、子どもたちに手渡すことはできませんでしたが、服の寄贈は大いに喜ばれているということでした。それを聞いて安心しました。

プロジェクトリーダーの葛原さんも、これまでは、服を必要としている子供たちの役に立っている、という実感はありませんでしたが、今回の感謝状とお礼の手紙を見て、役に立ててよかった、という気持ちになったそうです。本当に良かったですね。
協力していただいた皆様、ありがとうございました。


服のチカラ プロジェクト.pdf


11月3日に箱詰めにした子供服と有志生徒たち