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2017年10月の記事一覧

種なしスイカの素を含んだコルチカム

家庭科棟の近くの校舎裏でコルチカムがひっそりと咲いています。別名イヌサフラン。サフラン(クロッカスの仲間)に似た姿形をしています。

先月載せたヒガンバナと同じく、花が咲いた後に葉が出てくるちょっと変わった植物です。写真にある葉は雑草なので、コルチカムのものではありません。おそらく株元の周囲に茶色く枯れた葉がおそらく昨シーズンに出た葉だと思われます。
コルチカム、球根にアルカロイドの一種のコルヒチン(C22H25NO6)を含んでいます。アルカロイドを含有するという点もヒガンバナと共通しています。このコルヒチンは種なしスイカを作り出すのに使用されます。発芽した後のスイカの芽にこのコルヒチンを処理し成長させ、果実から種子(子)を取り、その種子からさらに種子(孫)を取り、さらに代を重ね玄孫の代で種なしスイカができます。孫の代では雄花に生殖能力が無くなるので、何も処理をしていない通常のスイカの雄花で受粉させる必要があります。
 コルチカムは土から花だけを出す面白い植物です。来年もまた人目の触れぬこの場所でひっそりと花を咲かせてくれることでしょう。