校長室便り

2020年12月の記事一覧

微生物の研究者

12月18日(金)の放課後、中学1年2組の松葉紳一郎君が校長室を訪ねてくれました。
松葉君は、1学期にも紹介しましたが「微生物の研究者」です。この夏までに行った研究をまとめたものを見せてくれました。


これが、研究をまとめた冊子です。第3巻とありますが、松葉君は、小学4年生の時、小学校にある「ひょうたん池」でクンショウモを見つけたことがきっかけで、微生物に興味を持つようになり、小学5年生の時から、水中の微生物の研究を本格的に始めました。



小学校の時の研究をまとめた「微生物の観察 第1巻」と「同 第2巻」(いずれも大作です。)を見せてもらいました。今年の作品は、過去2回と比較すると、「観察」のレベルから「研究」のレベルへと確実に進化していました。

その意味で、松葉君はまだ中学1年生ではありますが、間違いなく「微生物の研究者」と言えます。



今年は新型コロナの影響で、これまでのように県外に微生物の採集に出かけることが出来なかったため、家の近くの田んぼの水から、偶然「ボルボックス」を発見したことが、研究の転機になったようです。



松葉君はボルボックスを観察していて、形態が異なる3つのタイプが存在していることに気づき、それらが別種なのか、そうではないのかを実験・観察によって解明しました。



その結果、Aタイプのボルボックスから、Bタイプのボルボックスが生まれ、それが成長して、Cタイプのボルボックスとなり、やがて死んでいく、というボルボックスの生活史を解明しました。これは、立派な論文レベルの研究といえると思います。また、これを指導者の手を借りずに、自分だけでまとめ上げた、ことは特筆に値します。



松葉君の研究は、1月に開催される佐野市の理科展に出品されます。おそらく県大会でも評価されると思いますが、県レベルにとどまる研究ではありません。
来年はぜひ全国で勝負してください(勝ち負けではありませんが…)。私もこの若い才能の力になれれば光栄です。
本当に楽しみにしています。

中1「オンライン授業参観」2日目

今日の5限目、中学1年2組の「英語」(富永先生)の「オンライン授業参観」(2日目)を実施しました。約30名の保護者や関係者がZoomで入室し、オンライン授業参観を楽しんでいただきました。

「オンライン授業参観」の2回目は、1回目よりだいぶ工夫が見られました。
前回は定点カメラが3か所(うしろ、南側、北側)でしたが、今回は、さらに教室の前面(パソコン)の定点カメラが加わりました。また、授業者目線カメラ、見学者目線カメラの計2台の移動カメラが加わりました。

これらの映像をお好みで切り替えることで、生徒の活動の様子をその場にいるかのように、知ることができました。
↓実際のスマホでの見え方を見てみましょう。(6台のカメラの映像から、見たい映像を選ぶことが出来ます)

南側(上)、北側(左)、うしろ(右)の定点カメラの映像


パソコン(上、教室の前面)、授業者(富永)目線(左)、見学者目線(右)の映像


授業者(富永先生)もタブレットを持って、生徒の活動の様子を時々映し出します。


南側カメラ(固定カメラ)の映像


見学者目線の映像(移動カメラ)です。見学者が見たい場面を映し出します。

また、前回は生徒の声が聞き取りにくかった課題が、かなり改善されていたようでした。このようなやり方で「オンライン授業参観」が十分可能であることが分かりました。

今回は1年2組の保護者に加えて、県教育委員会の教育次長様を始め、総務課、義務教育課、高校教育課、安足教育事務所の指導主事の方々にも授業を見学していただきました。ご指導ありがとうございました。

なお、来週の21日(月)には、最後の1年3組(道徳、粂谷先生)のオンライン授業参観が予定されています。

中3「理科」の授業見学

今日の1限目は中学3年1組の「理科」の授業(中村先生)を見学しました。
校長室の前の駐車場付近が、なにやら賑やかそうです。

透明半球を使って、太陽の1日の動きを調べています。幸い、お天気も快晴です。

このように、ペン先の影が、透明半球の円の中心にくる位置を球面に記録します。


約1時間ごと(休み時間)に太陽の位置を記録します。



1時間ごとの点をなめらかな曲線で結び、透明半球のふちまで伸ばすと、太陽の1日の動きを知ることが出来ます。今日は、風が強くて、透明半球が飛ばされそうになったので、5限目終了時(13時45分)で、終了しました。

ちょっと残念でしたが、太陽が一番高くなる時刻は越えていたので、今日の太陽高度の最大値などは計測できそうですね。

中1「伝統文化の学習」 ~茶道

本日の6,7時限目、1年2組の「茶道」の学習を見学しました。
講師の先生は、裏千家の荒井宗佳先生とお弟子さんの須藤宗弘先生岡野宗登先生の3人です。

今日は、「つばき」のお菓子です。

今日の活動は、伝統文化室で、生徒全員が自分でお茶を点てていただきました。
茶道の作法は3人の講師によって、3グループに分かれて教わります。
1年生の茶道の授業は今日で3回目だそうです。






自分で点てたお茶をいただくのは、何ともいえない気分です。
抹茶の苦みとお菓子の甘さが絶妙のバランスです。穏やかな時間が流れています。


茶碗の絵柄を鑑賞するのも、作法の一つです。


最後に、みんなで後片付けをして終了です。日本の伝統文化として、全員が「茶道」を学べるのはとても素晴らしいですね。

中2「伝統文化の学習」 ~華道

今日の6,7限目は、「総合的な学習の時間」を使って、中学2年2組は、「華道」の学習がありました。講師は、いけばな小原流の清水一克先生です。

今日の花材は、フェニックス、カーネーション、オンシジュームの3点です。
今回のいけばなのテーマは、「ひらくかたち」だそうです。
決まった型はありますが、その中で、どう個性を発揮するか、ということだそうです。


一克先生は、生徒が生けたものを見て、まず点数を言ってくれます。そして、ここはこうすると良いと手直しをしてくれます。ちなみに、生徒から聞いた話では、最高点数は95点位で、100点はまずないそうです。


一克先生に見てもらった後は、担任が記録として写真に残します。
↓こんな感じです。


皆さん、自分の「いけばな」には愛着を持っているようです。









お花は家に持って帰るので、家でもいけばなをすることができます。
「私は花瓶にいれて飾ります。」という生徒もいましたが、それはそれでいいのかもしれません。皆さん、楽しそうにやってました。

中1のオンライン授業参観

本日の5限目、中学1年1組の「道徳」(久保先生)で、Zoomを使った「オンライン授業参観」を実施しました。中学1年生の保護者は、入学してから一度も授業を見たことがないことから、中1の先生方が企画しました。

教室には、うしろ、南側、北側、に計3台のカメラを設置しました。
保護者は、パソコンやスマホ上で、3台のカメラの画像を切り替えることができます。



教室のうしろのカメラ画像(生徒の後ろ姿が写っています。音声はこのカメラで拾っています)


教室の南側に設置したカメラ画像(生徒の正面からみた姿が、窓側から写っています)

当日の「オンライン授業参観」は、1年1組の保護者が20名から30名が入ってくれました。
Zoomにはチャット機能があり、コメントも多数いただきました。
「このような機会を設定してくれてありがたい」「学校の様子がよくわかった」等、好意的なご意見を多数いただきました。一方、課題として、先生の声は聞こえるが、生徒の声は聞き取りにくい、ということがありました。これは、カメラ3台で撮影していますが、3台ともマイクをオンにしてしまうとハウリングを起こしてしまうため、教室の「うしろ」のカメラからしか音声は拾えません。そのため、生徒の声は聞き取りにくくなってしまいます。今のところ、解決策はありませんが、カメラの位置は工夫したいと思います。

1年2組と3組について、以下の日程で実施します。

1年2組 →12月17日(木)5限目 英語、13:00~13:45、富永先生
1年3組 →12月21日(月)5限目 道徳、13:00~13:45、粂谷先生

なお、上記のオンライン授業参観は、お子さんが在籍しているクラスの授業しか入室できません。

中3英語の授業見学

本日の4限目、中学3年1組の英語(川俣先生と鴇田先生)の授業を見学しました。
「日本文化を紹介しよう」というプロジェクトで、実物や写真を見せながら、「自分が紹介したい日本文化」を「Show & Tell」で紹介しました。

4人1組となって、順番に「自分が紹介したい日本文化」を実物や写真を見せながら、英語で説明します。これを「Show & Tell」と呼んでいます。

まずは、最初の発表です。発表者を確認しています。先生方も元気いっぱいです。


皆さん、待ってましたとばかりに、英語での説明に力が入っています。また、発表後には、大きな拍手がわき起こります。


「自分が紹介したい日本文化」は、折り紙、おせんべい、お茶、手ぬぐい、梅干し、金平糖など、様々です。


おにぎりやカップラーメンもあり、共感を呼んでいます。


友達の発表を聞いて、わかったことをメモしたり、わからなかったことを質問したりします。


最後に、皆さんの発表を聞いていた川俣先生のご指名で、興味深い紹介をしてくれていた4人が、クラス全体に紹介をしてくれました。

「甘酒」の紹介です。


「百人一首」の紹介です。


「手ぬぐい」の紹介です。


「折り紙」の紹介です。

今回は、「Big Voice」「Eye contact」「Smile」「Reaction」を心がけて発表していました。楽しみながら話す力が付けるのが、このプロジェクトの目標です。


また、皆さん、とてもわかりやすい説明で、「なるほど」と思わせる内容でした。
とても良かったと思います。

いじめ・教育相談アンケート結果(12月1日実施)

12月1日に実施した中高の全生徒を対象に実施した「いじめ・教育相談アンケート」の集計結果について、個人情報に配慮した形で公表いたします


本アンケートは、いじめをゼロにすることを目指すものではなく、いじめは、いつ、どこでも、だれにでも起こりうるものであることから、その早期発見、早期対応を目的としています。
スクールカウンセラーや教員等との面談の希望がある場合には、即座に対応しています。

R2.12.1 いじめ・教育相談アンケート結果(中学).pdf
R2.12.1 いじめ・教育相談アンケート結果(高校).pdf
R2.12.1 いじめ・教育相談アンケート・自由記述.pdf

今回の調査で、「いじめてしまった」という生徒が中学生で2名いました。
12月9日(水)の朝、中学校は「人権集会」がありましたので、このことについて、校長から以下のような話をしました。

*自分が『いじめてしまった』と振り返ることができることは、誰にでもできることではありません。勇気がいることだと思います。相手の存在に価値を認めているからこそ、相手に嫌な思いをさせてしまったのではないか、とふり返ることができたのではないかと思います。

*もちろん、いじめをしないことは重要ですが、知らず知らずに、相手を嫌な気持ちにさせてしまったかもしれないと、後から気づくこともあるかもしれません。その時は、自分を振り返る勇気を持ち、行動に移して欲しいと思います。それができるようになることが、本当の意味での「いじめの撲滅」なのだと思います。

以上です。

*なお、今回のアンケート結果については、本HPのメニューにある「いじめ・教育相談アンケート」に収納しています。

キャリアに関する講演会

本日の放課後、1,2年生の希望者約30名を対象に、「キャリアに関する講演会」を旭城ホールで実施しました。講師は、島田先生が小山高校で勤務されていた時の生徒で、現在はキャリアプランナーの佐山曜(さやま ひかる)氏でした。

佐山先生の講話は、将来の進路を考える上で、今、やりたいこと(Doing)だけで進学先を考えるのではなく、ありたい姿、どのような生活をしていたいか(Being)を想像することも必要である、という内容のお話でした。


例えば、将来、看護師になりたい(Doing)という希望があっても、定時には家に帰りたい、土日は絶対に休みたい(Being)、としたら、それでも看護師を目指すかどうかを考える必要がある、ということでした。



同様に、地域のために貢献したいというDoingから、公務員を目指したいという夢があっても、年収は30歳で700万は欲しいというBeingには、マッチしませんね。

就職して初めて現実を知り、悩んで離職してしまう、という人がとても多いそうです。そういうことを無くすには、高校時代から、将来やりたいこと(Doing)だけで進路を決めるのではなく、ありたい姿、どのような生活をしたいか(Being)を想像しながら、キャリアを選択する必要がある、ということを教えていただきました。

最後に、ワーク(自分のキャリア形成を考えてみよう)、ということで、参加した生徒たちは、自分のやりたいこと(Doing)と、ありたい姿、どのような生活をしたいか(Being)について、書きだしながら考えていました。




*終了後の生徒の感想をいくつか紹介します。
「やりたいことだけに固執せず、ありたい姿を想像する」という言葉が印象に残りました。将来やりたいことがまだ決まっていないので、ありたい姿を想像し、自分に合った職を探していきたいと思います。」

「DoingとBeingの2つの将来の理想を合わせて考えていくことが分かりました。もう一度考えるきっかけになりました。自分の考えを広げることが出来ました。」

「この講話を聞いて、私はもう将来の夢は決まっていましたが、別に絶対にその仕事をしたいわけではないのかなと考えることができました。目標設定の方法論を知り、実際にやってみて自分がどんなふうに生きたいのか分かりました。今日聞いたことを大学選択に生かしたいと思います。」

「私はやりたい仕事がぼんやりとは見えていますが、本当に自分がやりたいことは分からなかったので、今回、素敵な話が聞けて良かったです。」

「この講話を聞いて、自分が将来、どういう仕事に就き、どういう大人になりたいかについて、改めて見つめることが出来ました。いろいろな仕事を調べて、視野を広くして、自分に本当にあった仕事を見つけていきたいと思いました。」

*生徒にとって、将来の進路選択を考える上で、きっかけになったようです。また、教員にはなかなか気づかなかった視点だったので、とても勉強になりました。もっと多くの生徒に聞いてもらいたいお話だと思いました。