校長室便り

校長室便り

身近な風景

職員玄関前のアプローチの両側には、クチナシの白い花が盛りを迎えています。




花をよく見ると、花びらが6枚の一重咲きの花と、バラのような八重咲の花の2種類があります。調べてみると、八重咲のものは品種改良により作り出されたもので、種子ができないそうです。八重咲のものが、全体の9割くらいを占めており、一重咲きはかなりの少数派です。花にはジャスミンに似た強い香りがあり、生け花にも使われるようです。

それでは、クチナシの花が、つぼみからだんだん開いていく様子を見てみましょう。

つぼみの状態です。6月29日(月)の夕方17時です。


翌朝(6月30日の7時半)、つぼみが開きかけていました。このまま一気に開くのでしょうか。


まるまる一日経ちました(7月1日の7時半)。少しずつは開いてますが、まだ途中ですね。


同じ日の14時です(7月1日)。朝から昼過ぎまでで、ほぼ開き切りました。


次の日の朝です(7月2日7時半)。少し花が縮んできているようです。これ以上は開かないみたいですね。クチナシは、つぼみが開き始めてから、2日以上かけてゆっくり開花することが確認できました。数時間で開花するのかなと思っていましたが、ずいぶん時間かけて開花するんですね。


ところで、この八重咲の花は残念ながら、実をつけることはできません。一重咲きの花は、12月頃になると黄色い実を付けます。

Wikpedia より

この果実を乾燥させ粉末にしたものは、無害の天然色素として、使われています。
スーパーで探してみると、ありました。

中には、クチナシの果実を粉砕し、ティーバックに入れたものが入っていました。
正月料理の「栗きんとん」など、料理の着色料として使われています。



粉末をお湯に入れると、かなり濃い色になります。紙を浸すと、鮮やかな黄色に染まりました。
実は、インスタントラーメンの着色料として、「クチナシ色素」はよく使われています。職員室においてあった「カップラーメン」と「カップ焼きそば」を調べてみると、確かに、書いてありました。



クチナシって、意外と身近な植物だったんですね。

最後に、クチナシの花言葉は「幸せを運ぶ」です。
「幸せな学校」に、やはりクチナシは欠かせませんね。

佐高ミュージアム㉘

「佐高ミュージアム 研究室だより No.6~10」を公開します

宇都宮大学教育学研究科に内地留学中の1992年10月号から1993年2月号です。
大学院での研究内容や、内留中に出会った人や生物について、紹介しています。

佐高ミュージアム 研究室だより No.6 「ライトトラップ作戦」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.7 「メリーゴーランドの甘い罠」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.8 「雑草スズメノカタビラ」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.9 「南の島のサンタクロース」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.10 「動物たちのフィールドサイン」.pdf

中3(英語)の授業見学

今日の6限目は、中学3年1組の「英語」(川俣先生)の授業を見学しました。

Lesson4  The  Story  of  Sadako は、広島の原爆にまつわる情報を知り、平和について考えます。また、原爆の被害にあった少女(佐々木 禎子さん)についての物語文を読んだり、物語の要約文を作ったりします。

この章で出てくる重要構文の一つに、「動詞(call )+A+B」(A を Bと呼ぶ)があります。例えば、We  call  the  dog  Pochi (私たちは、その犬をポチと呼びます)と使います。中学校の英語の授業は、文章や文法の理解に加えて、習った文法を使ったPractice (練習)を行います。本時は、Call  A + B(A を Bと呼ぶ)を使いました。

本日、川俣先生は、英語演習室を「お寿司屋さん」に見立てました。

お寿司のネタを英語でいうと、
まぐろ → tuna          ウニ → sea  urchin      しめさば → picked  mackerel
サーモン → salmon        エビ → shrimp       タコ → octopus
いくら → salmon  roa      イカ → squid    などです。

そこで、3人一組で、①日本人、②外国人の友人、③寿司職人、になり、会話が始まります。

①what do you want to eat ? (何が食べたい?)
②I realy like tuna.      (「tuna」が好きなんだ!)
①In japanese  we call tuna maguro.  (日本では「tuna」は「まぐろ」というんだ。)
 You can say "maguro kudasai" to the chef. (「まぐろください」って言ってみな。)
②Maguro kudasai (まぐろください)
③Hi dozo  (はい、どうぞ)

このように、②外国人の友人が食べたいお寿司の名前を、①日本人が教え、③寿司職人が握ります。これを3人組で、役割を変えながら、好きなお寿司を注文していました。私も、あやうく、寿司職人をやらされそうになりました。(いきなり振らないでくださいね。)

寿司職人になりきっている人もいますね。

授業が終わった後に感想を聞いてみました。
須貝さん「call A Bの使い方がよくわかりました。とても楽しくできました。」
岩崎さん「日本食(お寿司)を英語でなんて伝えたらいいか、わかりました。外国人を交えた会話はとても勉強になりました。」
小松原さん「英語が大好きです。友人と英語が話せて楽しかったです。新しい言葉が身につきました。」
酒庭さん「友人と教え合うことができたのが良かったです。」



*高校の教員(川俣先生)が中学生に教えるのは、実は大変なことなのですが、高校の英語を見据えて中学の授業ができるのは、中高一貫教育の大きなメリットでもあります。昨日、遅くまで教材を準備していた甲斐がありましたね。

高1(古典)の授業見学

今日の4限目は、高校1年2組の「古典」(武田先生)の授業見学をしました(後半の20分のみ)。

今日の授業は、形容詞(2種類)と形容動詞(2種類)の活用についてですが、これまでに学習した動詞の活用(9種類)を合わせると、全部で13種類の活用を暗記する必要があります。しっかり覚えているか、近くの2人または3人で、問題を出し合い、確認しました。

武田先生の授業は「予習先行型」で、生徒は事前に配布されたプリントで予習してきます。プリントをそのままノートに貼り付けて予習する生徒もいれば、プリントをもとに自分が見てわかりやすいようにまとめ直す生徒もいます。


自分でまとめたノートを見せてくれました。一目見て、わかりやすくまとめているなあと感心しました。本気モードがひしひしと伝わってきます。

授業の最後の5分間は、次の時間の予告編です。それをもとに、次はどこを予習してくればいいのか自分で判断します。予習で授業の準備をし、授業中は顔を上げて楽しく参加して欲しい、授業は2回目、という武田先生の思いを、生徒たちはしっかり受け止め、実行していることがわかりました。

中3(シンカゼミ)の授業見学

今日の6,7限目は、中学3年の「総合的な学習の時間(シンカゼミ)」(3クラス合同)がありました。

「シンカゼミ」は、生徒の興味関心に応じて、A(環境・郷土)、B(職業・産業・福祉)、C(伝統文化・国際理解)の3領域で、グループを作って研究を行います。高校での探究活動に向けて、中学校でも探究活動の入門的な活動が行われています。その内容は、年々シンカしています。通常登校開始から、今日でちょうど1か月が過ぎましたが、すでに6回(10時間)分の計画が進行しています。

5月28日:シンカゼミガイダンス(探究活動の概要説明)
6月 2日:シンカゼミの各領域の説明、調査方法の説明、マッピング、希望調査
      (→自分がやりたいことを「マッピング」の手法を使って発見する。)
6月 9日:各領域ごとのオリエンテーション、自分で行いたい研究のプレゼンテーション
      (→自分がやりたいことが似ている仲間を探す)
6月16日:プレゼン発表をもとにグルーピング。
      グループごとに研究テーマや調査・研究方法を検討。
6月23日:各グループごとに調査・研究を進める。
      (→リサーチクエスチョン、仮設を立てる。)
6月30日:各グループごとに調査・研究を進める
      (→フィールドワークの計画を立てる。本時)

そこで、今日の7限目に、各グループの話し合い活動を見学しました。

まずは、A(環境・郷土)領域です。


このグループは、アメリカザリガニの生息場所を調査することで(駆除)対策を考えることを目的としているようです。
アドバイス:この研究は「アメリカザリガニ=ワルモノ」という前提から出発していますが、そもそも「アメリカザリガニは本当にワルモノなのでしょうか?」。前提(=これまでの常識)を疑うことから始めると、新規の研究ができるのではないでしょうか。例えば、アメリカザリガニをワルモノ視している文献を探し、本当にそうなのかを調べる、ということも可能です。ザリガニ目線(ザリガニになったつもり)の研究は、かなりオリジナリティが高いです。私の専門なので、相談に乗りますよ!)


次は、B(職業・産業・福祉)領域です。


このグループは、駅などのバリアフリーなどについて、現地調査(利用者へのインタビューなど)を計画していました。
アドバイス:ここはバリアフリーなんです、と聞くと、無条件に良いもの、というイメージがありますが、本当に機能していて、役に立っているかを調べることが出来れば、政策提言につながります。やりましょう!)

最後に、C(伝統文化・国際理解)


このグループは、佐野の伝統工芸品である天明鋳物が、どういった人にどのくらい売られているか、という現状を知ることで、どうしたら、もっと広めることが出来るかを調べようとしています。
アドバイス:これは、まさにマーケティング調査ですね。確かに、だれがどのようなものを買っているかがわかれば、売るための対策が考えられます。販売ルートなどをお店から聞くことが出来れば、事実に基づく素晴らしい研究になるでしょう。それには、なぜ、自分たちがこうした研究をやりたいのかを鋳物を作ったり、売ったりしている人たちに熱意をもって伝えることが必要ですね。応援しています!)

*リサーチクエスチョンの立て方やフィールドワークのやり方などで悩んでいる人がいたら、校長室を訪ねてくれば、相談に乗りますよ。