校長室便り

校長室便り

身近な風景

先週は、「栃木県立博物館」のある公園でのアジサイを紹介しましたが、今日はアジサイ寺としても有名な大平山にある「大中寺」のアジサイを紹介します。


境内には、大勢のカメラマンがアジサイの写真を撮っていました。午前中までの雨が上がり、強い日差しを受けたアジサイはとりわけ綺麗に見えました。

いろいろな色や品種?のアジサイが咲いていました。

佐高ミュージアム㉗

今回から「佐高ミュージアム研究室だより 」を公開します。

1992年4月から1994年3月までの2年間、佐野高校に在籍しながら、宇都宮大学大学院教育学研究科に内地留学していました。指導教官は、生物学科の中村和夫教授でした。

私は当時、佐野高校の生物部でトウキョウサンショウウオの生態について調査していたので、サンショウウオの生態について研究しようと思っていましたが、中村先生はもともと昆虫生理学が御専門だったので、今まであまり興味のなかった昆虫について研究することにしました。当時の大学院への内地留学は、今と違って、特に教育に関するテーマでなくても、自分のやりたい研究をすることができました。

当時、宇都宮市内を流れる鬼怒川で、川に生息しているカゲロウという昆虫の一種が、夏の夕方ごろ一斉に羽化し、鬼怒川にかかる橋の水銀灯に集まり、その死骸が数センチにも積り、交通渋滞を引き起こすなど、社会問題となっていました。そこで、この昆虫(アミメカゲロウ)について、研究することにしました。大学院での研究については、追々話が出てきますが、最後には、新種の発見となりました。

この2年間の内地留学期間に、佐野高校の生徒(生物選択者)向けに、「すっかんぽ研究室だより」を20号まで発行しました。佐野高校に原稿を送り、印刷して配ってもらいました。研究室でどんな研究をしているのか、また、同じ研究室の大学院生との調査の様子などを紹介しました。

この2年間は、私のその後の教員人生に大きな転機となりました。高校科学部での研究方法、大学関係の人脈など、科学部指導のノウハウ、後にSGHの探究活動を進める上で必要なことは、すべてこの2年間で学んだといっても過言ではありません。この黄金の2年間で見聞きしたことを高校生向けに紹介した「すっかんぽ研究室だより 全20号」を今回から5号ずつ公開していきます。
(前置きが長くなってしまいました)

佐高ミュージアム 研究室だより No.1 「アミメカゲロウの謎!」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.2 「ホタルイカ」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.3 「名古屋の八田耕吉先生」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.4 「カラスウリの花」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.5 「アミメモドキ現われる!」.pdf

中3(数学)の授業見学

本日7限目は、中学3年1組の「数学」(服部先生)の授業を見学しました。

服部先生は、臨時休業中にたくさんの授業動画をアップしていましたね(私が数えてみたら16本ありました!)。独特な登場の仕方で、心を鷲づかみ?された生徒も多かったと聞いています。

今日の学習のめあては、「有理数と無理数について分かる」でした。

①授業はまず、前時の復習で、平方根の大小の確認問題から入りました。
     -3 と  √10              -0.7 と  ー√0.7    
    (どっちが大きいかわかりますか)

②次がいよいよ本題で、有理数と無理数の違いの説明です。
   有理数 → 分数で表すことが出来る数  
         例:整数、0.3   -1.2   2/3 など
   無理数 → 分数で表すことが出来ない数
         例:π=3.141592653589793238462643383279
                                      (円周率です。澁江さんは30桁まですらすら答えました!)



③無限に続く小数→循環小数と循環しない小数(→だんだん難しくなっていきますね。)
   循環小数 → 4/3=1.3333333… 
                                         =1.3(3の上に・)
                22/7=3.142857142857… 
            =3.142857(1と7の上に・)
   循環しない小数 → π や √2など



④循環小数を分数にする(→そんなことができるの?)
   例:0.162(1と2の上に・)
    X=0.162 とし、両辺を1000倍し、もとの式を引くと、

        1000X=162.162162…
    -)     X=    0.162162…
     999X=162   
     よって、X=162/999 →約分すると X=6/77

 *こんなふうに、循環小数は必ず分数にすることが出来るんですね!
  (人生得した気分です。といっても、自分もきっと習っていたはずですけど)

⑤最後に、服部先生からこんな問題が出されました。
  Q 循環小数 0.9(9の上に・)を分数にせよ。

  A X=0.9… とし、両辺を10倍し、元の式を引くと
       10X=9.9…
             -)    X=0.9…
       9X =9
                        X=1

         つまり、循環小数 0.9(9の上に・)=1 となります。
  (こんなありえないことが起こってきます。なぜ、こうなるのかはわかりません。いやあ、数学は奥が深いですね!)

*授業はここで終わりました。生徒たちに授業の感想を聞いてみました。

澁江さん「授業はとてもわかりやすかったです。循環小数のことも理解できました。」
渡辺君「服部先生はユーモアがあり、授業がとても楽しみです。」

*最後に私の感想ですが、「有理数と無理数について分かる」という本時のめあては十分達成できていたのではないかと思います。個人的には、そもそも、分数で表すことが出来る「有理数」が示す「理(ことわり?)」とは何なのか?に興味を持ちました。有理数=理にかなった数、何ゆえ、有理数と呼ぶのか知りたい、と強く思いました。数学も面白いですね
(→こう思わせるのも服部先生のねらいだったのでしょうか? だとしたら、服部先生の思うつぼでしたね。)

中3(国語)の授業見学

今日は、中学3年の国語と数学の授業を見学しました。

まずは、中3「国語」(3年3組、5限目)北堀先生の授業です。

本日のテーマは「俳句を作って句会を開こう」です。

句会は、次のような手順で開かれました。
①選句用紙に、グループ(5~6人)で一人一句ずつ、自分の自信作を書いていきます。
②グループ全員の俳句の中から、一番良いと思う句(自分の句以外で)を一つ選びます。
③自分が良いと思った俳句について、なぜそう思ったのかをグループ内で発表し合います。
④最も票を集めた俳句を班の代表として黒板に書き、発表します。


自分が良いと思った俳句となぜそう思ったかを発表し合っています。


各班で選ばれた俳句を黒板に書いています。


各班の代表作が出そろいました。
それぞれの俳句について、作者の説明を聞き、一番良いと思った俳句を選びました。

1班「梅雨時の 照れる旭と 君の声」
2班「雨が降り 水たまりには 未来像」
3班「寒椿 待ち人いずこ 白い息」
4班「休校中 一時帰宅する 母ツバメ」
5班「猛暑日の 部屋の空気は 赤道下」
6班「制服や 引きこもり吹く 夏の風」

さて、皆さんだったらどれがいいですか?
ちなみに、私は生き物好きなので、生き物が詠み込まれている俳句には反応してしまいます。「生き物」俳句にはこんな作品もありました。

「晴れぬ気と 天気をながめる あまがえる」
「触覚を ゆうゆう伸ばす かたつむり」

*生徒の今日の感想より
「俳句を作るのがこんなに楽しいとは思っていませんでした。」
「自分で見つけた驚きや感動を俳句にすることで、言葉のセンスや想像力が高められました。」
「17音で色々な思いを伝えることができるのはすごいなと思いました」
「俳句には人それぞれの個性が表れていることがわかりました」等

*本時は、確かに楽しい句会でした。自分が選んだ俳句と選んだ理由を語り合う場面が一番盛り上がっていました。楽しいなあ、と言う声もあちこちで聞こえてきました。みんなそれぞれこだわりがあって、なかなか一つに決まらないところが良かったです。
ちょっとのぞいてみようと軽い気持ちで、見学を始めましたが、面白くなって、結局、最初から最後まで見学しました。

高1CTPの授業見学

今日の7限目は、高校1年生のCTP(Criticai Thinking Program)の授業を見学しました。高1の1組から4組まで、同じ時間帯で授業を受けています。

CTPは「批判的な思考力」を養う本校独自の学校設定科目で、国語科、数学科、理科、地歴公民科、英語科の各教員がチームとなって授業を行う合科授業です。1年間の前半は、国語科、数学科、理科、地歴公民科、それぞれの教科で「批判的な思考力」を養う教材を作成し、その教科の教員の指導の下に授業を行います。後半は、それまでに身につけた「批判的な思考力」を活用し、英語科が中心となった「ディベート活動」を行います。

今日は、地歴公民科の島田先生が作成した教材「見えているものが真実とは限らない」と題した授業を行いました。



(浜島書店「最新図説 政経」を参考に作成。授業のパワーポイント資料より)

昨年度は、1学年全員が格技場で一斉に授業を受けていましたが、その形態だとメモがとりにくかったり、グループワークなどがしにくいことや、コロナや熱中症対策で、今年度は各教室で実施しました。
教材作成者の島田先生が、担任をしている1年3組で授業し、それをZoomを使って、他の3クラスに同時中継することで、4クラスの一斉授業が可能になりました


1年3組で授業をする島田先生


他の3クラスでは、Zoomによって配信された画面を見ながら学習します。

生徒に授業を受けた感想を聞いてみました。
まずは、島田先生の授業をその場で受けた3組の生徒です。

林さん「事実や根拠の意味、日常生活との関わりなど、これからどうやって生活していけばいいのか考えるきっかけとなりました。」
小林さん「前提、根拠など、具体的な事例が紹介されていたので、わかりやすかったです。」
松本君「固定観念にとらわれない考え方が大切だとわかりました。興味を持てる内容だったので、面白かったです。」

それでは、Zoomによる遠隔授業を受けていた生徒たちはどうだったでしょうか。

新井さん「音の大きさが突然変わることがありましたが、遠隔でも普通に授業を受けているのと変わりありませんでした。」同様多数。

*島田先生が伝えたいことは、遠隔でもしっかりと生徒たちに伝わっていました。