校長室便り

校長室便り

中3(英語)の授業見学

今日の6限目は、中学3年1組の「英語」(川俣先生)の授業を見学しました。

Lesson4  The  Story  of  Sadako は、広島の原爆にまつわる情報を知り、平和について考えます。また、原爆の被害にあった少女(佐々木 禎子さん)についての物語文を読んだり、物語の要約文を作ったりします。

この章で出てくる重要構文の一つに、「動詞(call )+A+B」(A を Bと呼ぶ)があります。例えば、We  call  the  dog  Pochi (私たちは、その犬をポチと呼びます)と使います。中学校の英語の授業は、文章や文法の理解に加えて、習った文法を使ったPractice (練習)を行います。本時は、Call  A + B(A を Bと呼ぶ)を使いました。

本日、川俣先生は、英語演習室を「お寿司屋さん」に見立てました。

お寿司のネタを英語でいうと、
まぐろ → tuna          ウニ → sea  urchin      しめさば → picked  mackerel
サーモン → salmon        エビ → shrimp       タコ → octopus
いくら → salmon  roa      イカ → squid    などです。

そこで、3人一組で、①日本人、②外国人の友人、③寿司職人、になり、会話が始まります。

①what do you want to eat ? (何が食べたい?)
②I realy like tuna.      (「tuna」が好きなんだ!)
①In japanese  we call tuna maguro.  (日本では「tuna」は「まぐろ」というんだ。)
 You can say "maguro kudasai" to the chef. (「まぐろください」って言ってみな。)
②Maguro kudasai (まぐろください)
③Hi dozo  (はい、どうぞ)

このように、②外国人の友人が食べたいお寿司の名前を、①日本人が教え、③寿司職人が握ります。これを3人組で、役割を変えながら、好きなお寿司を注文していました。私も、あやうく、寿司職人をやらされそうになりました。(いきなり振らないでくださいね。)

寿司職人になりきっている人もいますね。

授業が終わった後に感想を聞いてみました。
須貝さん「call A Bの使い方がよくわかりました。とても楽しくできました。」
岩崎さん「日本食(お寿司)を英語でなんて伝えたらいいか、わかりました。外国人を交えた会話はとても勉強になりました。」
小松原さん「英語が大好きです。友人と英語が話せて楽しかったです。新しい言葉が身につきました。」
酒庭さん「友人と教え合うことができたのが良かったです。」



*高校の教員(川俣先生)が中学生に教えるのは、実は大変なことなのですが、高校の英語を見据えて中学の授業ができるのは、中高一貫教育の大きなメリットでもあります。昨日、遅くまで教材を準備していた甲斐がありましたね。

高1(古典)の授業見学

今日の4限目は、高校1年2組の「古典」(武田先生)の授業見学をしました(後半の20分のみ)。

今日の授業は、形容詞(2種類)と形容動詞(2種類)の活用についてですが、これまでに学習した動詞の活用(9種類)を合わせると、全部で13種類の活用を暗記する必要があります。しっかり覚えているか、近くの2人または3人で、問題を出し合い、確認しました。

武田先生の授業は「予習先行型」で、生徒は事前に配布されたプリントで予習してきます。プリントをそのままノートに貼り付けて予習する生徒もいれば、プリントをもとに自分が見てわかりやすいようにまとめ直す生徒もいます。


自分でまとめたノートを見せてくれました。一目見て、わかりやすくまとめているなあと感心しました。本気モードがひしひしと伝わってきます。

授業の最後の5分間は、次の時間の予告編です。それをもとに、次はどこを予習してくればいいのか自分で判断します。予習で授業の準備をし、授業中は顔を上げて楽しく参加して欲しい、授業は2回目、という武田先生の思いを、生徒たちはしっかり受け止め、実行していることがわかりました。

中3(シンカゼミ)の授業見学

今日の6,7限目は、中学3年の「総合的な学習の時間(シンカゼミ)」(3クラス合同)がありました。

「シンカゼミ」は、生徒の興味関心に応じて、A(環境・郷土)、B(職業・産業・福祉)、C(伝統文化・国際理解)の3領域で、グループを作って研究を行います。高校での探究活動に向けて、中学校でも探究活動の入門的な活動が行われています。その内容は、年々シンカしています。通常登校開始から、今日でちょうど1か月が過ぎましたが、すでに6回(10時間)分の計画が進行しています。

5月28日:シンカゼミガイダンス(探究活動の概要説明)
6月 2日:シンカゼミの各領域の説明、調査方法の説明、マッピング、希望調査
      (→自分がやりたいことを「マッピング」の手法を使って発見する。)
6月 9日:各領域ごとのオリエンテーション、自分で行いたい研究のプレゼンテーション
      (→自分がやりたいことが似ている仲間を探す)
6月16日:プレゼン発表をもとにグルーピング。
      グループごとに研究テーマや調査・研究方法を検討。
6月23日:各グループごとに調査・研究を進める。
      (→リサーチクエスチョン、仮設を立てる。)
6月30日:各グループごとに調査・研究を進める
      (→フィールドワークの計画を立てる。本時)

そこで、今日の7限目に、各グループの話し合い活動を見学しました。

まずは、A(環境・郷土)領域です。


このグループは、アメリカザリガニの生息場所を調査することで(駆除)対策を考えることを目的としているようです。
アドバイス:この研究は「アメリカザリガニ=ワルモノ」という前提から出発していますが、そもそも「アメリカザリガニは本当にワルモノなのでしょうか?」。前提(=これまでの常識)を疑うことから始めると、新規の研究ができるのではないでしょうか。例えば、アメリカザリガニをワルモノ視している文献を探し、本当にそうなのかを調べる、ということも可能です。ザリガニ目線(ザリガニになったつもり)の研究は、かなりオリジナリティが高いです。私の専門なので、相談に乗りますよ!)


次は、B(職業・産業・福祉)領域です。


このグループは、駅などのバリアフリーなどについて、現地調査(利用者へのインタビューなど)を計画していました。
アドバイス:ここはバリアフリーなんです、と聞くと、無条件に良いもの、というイメージがありますが、本当に機能していて、役に立っているかを調べることが出来れば、政策提言につながります。やりましょう!)

最後に、C(伝統文化・国際理解)


このグループは、佐野の伝統工芸品である天明鋳物が、どういった人にどのくらい売られているか、という現状を知ることで、どうしたら、もっと広めることが出来るかを調べようとしています。
アドバイス:これは、まさにマーケティング調査ですね。確かに、だれがどのようなものを買っているかがわかれば、売るための対策が考えられます。販売ルートなどをお店から聞くことが出来れば、事実に基づく素晴らしい研究になるでしょう。それには、なぜ、自分たちがこうした研究をやりたいのかを鋳物を作ったり、売ったりしている人たちに熱意をもって伝えることが必要ですね。応援しています!)

*リサーチクエスチョンの立て方やフィールドワークのやり方などで悩んでいる人がいたら、校長室を訪ねてくれば、相談に乗りますよ。

高3・フードデザインの授業見学

高校3年「フードデザイン」(選択授業、17名選択)
授業者:森戸さゆり先生


高校3年「理Ⅱコース」の選択授業「フードデザイン」は、栄養、食品、献立、調理、テーブルコーディネイトなどに関する知識と技術を習得し「食事を楽しむ」ためにはどのようにしたらよいかを考え実践していく科目で、年間20~25回程度の調理実習を行っています。森戸先生の「フードデザイン」は、生徒の人気が非常に高く、毎年実施している授業評価では、授業の「満足度」で不動のトップの座に君臨しています。

前置きが長くなりましたが、本日、3・4限連続で行われた「フードデザイン」の授業の様子を紹介します。

今日のテーマは、「大根のかつらむき」と「厚焼き玉子です。「大根のかつらむき」と「厚焼き玉子」の作り方を学び、全員が実際に練習したり、作ってみたりします。そして、後日、実技テストが行われます。



それぞれ評価基準がはっきりしていて、「大根のかつらむき」は、切れた長さで点数化、「厚焼き玉子」は表面、切り口、味で評価します。


実技テストの評価基準→かつらむきは、プリントの上に切った大根を置くと計測できます。プリントの文字が読めるかどうかで、厚さ(1mm)も判断できるそうです。

まずは、森戸先生から、「大根のかつらむき」と「厚焼き玉子」の作り方の説明がありました。生徒は、森戸先生の手先に集中しています。



いよいよ、生徒たちの調理の始まりです。2人一組で、一人は「大根のかつらむき」、もう一人が「厚焼き玉子」をつくります。それぞれが作り終わったら、交代します。



みんな、とても楽しそうに調理実習に取り組んでいました。
完成した「厚焼き玉子」を見ると、初めてとは思えないほど良くできていました。



<生徒の感想>
・思ったよりうまくできました。
・初めてで緊張しました。手が震えました。
・おばあちゃんが作った厚焼き玉子を100点とすると、自分のは40点。
・うちでも練習して作ってみたい。 他

<森戸先生から>
・後日、実技テストを行いますが、厚焼き卵用のフライパンを希望者には貸し出しており、家で練習して驚くほど上手になる生徒もたくさんいます。
・フードデザインの授業で、最も工夫した点は、実技テストの評価基準をはっきりわかりやすく示していることです。実は、家庭科技術検定の1級に相当する内容を参考にしていて、レベルは高いです。生徒は実技を身につけることで、調理に対する意識が高まり、単に栄養を満たすだけでなく、食事を楽しむことにつながることを目標としています。

*なるほど、奥が深いですね。この後、どれだけ上達しているか楽しみです。

いじめ・教育相談アンケート結果の公表について

本校では、毎月、月の初めに「いじめ・教育相談アンケート」を中高の全生徒対象に実施しています。

いじめ・教育相談アンケート用紙.pdf

本アンケートは、いじめや悩みなどの早期発見・早期対応をねらいとしており、スクールカウンセラーや教員等との面談の希望がある場合には、即座に対応しています。

これまで、アンケート結果については、特に公表はしてきませんでしたが、本校の「いじめ・教育相談」について、ご理解、ご協力をいただくため、生徒のプライバシーには十分配慮した形で、毎月のアンケート結果を公表することといたしました。本アンケートは、いじめの件数をゼロにすることを目指すものではなく、いじめは、いつ、どこでも、だれにでも起こりうるもの、であることから、その早期発見、早期対応を目指しています。

R2.6月いじめ・教育相談アンケート結果(中学).pdf
R2.6月いじめ・教育相談アンケート結果(高校).pdf

自由記述欄についても、最終的には、校長が全生徒の回答に目を通し、自由記述の内容を分析するなど、生徒の心身の健康状態の把握に努めています。必要な場合には、生徒指導部等を通して、各学年、担任等と連携した対応をとっています。

R2.6月いじめ・教育相談アンケート結果(自由記述).pdf

今後は、やってみて不都合が生じない限りは、アンケートの結果を公表するとともに、これまで以上に、生徒の心身の健康状況の迅速な把握に努めていきたいと考えています。

保護者の皆様には、今後とも、ご理解とご協力をお願いいたします。

*なお、各月のアンケート集計結果等は、本HPのメニューにある「いじめ・教育相談アンケート」に収納します。

中3(体育)の授業見学

今日の3限目は、中学3年生の体育(器械体操:石井先生)の授業を見学しました。

最近、中3の授業見学がやけに多いな、とお気づきの方もいると思いますが、今週末(7月3日)に「中学第3学年保護者会」がありますので、事前に中3の授業や生徒の様子を紹介しておこうと重点的に見学しています。(中高全教員の授業見学を行いますので、他の学年もそのうち回ります。)

体育の授業は、選択制で、
器械体操(石井先生)は第一体育館
バドミントン(久保先生)は第二体育館
陸上競技(吉永先生)は校庭で実施しています。

今日は、器械体操の授業を見学しました。

今日の器械体操の主な種目は「倒立前転」でした。
前時の最後に生徒が記入した「学習カード」の結果から、「倒立前転」がうまくできない生徒がいることから、本時は、「倒立前転」ができるように指導を行っていました。

①まずは、グループごとに分かれて準備運動をした後、倒立(逆立ち)の練習です。体育館の壁をうまく使います。
 →グループ全員ができるようにすることが目標です。苦手な生徒には、生徒同士で補助をしていました。

②次は、全体で前転と後転の練習です。石井先生は、特に安全面には細心の注意を払って指導しています。


③そして、いよいよ「倒立前転」の練習です。倒立前転は、まず倒立して、その後、前転します。

倒立が苦手な生徒には、グループで補助をしています。
すぐにできるようには、なかなかうまくいきませんが、生徒たちは何度も挑戦していました。

*生徒たちには、なぜ、器械体操を選んだのか、どういうところが楽しいのか聞いてみました。

「去年やった器械体操はあまりうまくできなかったので、今年はどうしても克服したいと思って選びました。」
「最初はできないことが、練習してできるようになった時が一番嬉しいです。」
「小学校の時、体操をやっていて、得意なので選びました。」
「自分は陸上部なので、普段はあまりやることがない種目を選びました。」

*いろいろな動機で器械体操を選択していますが、今までできなかったことができるようになりたい、という気持ちで一生懸命練習している姿が、とても良かったです。応援したい気持ちになりました。

中3(家庭科)の授業見学

今日の1限目、中学3年2組の「技術家庭(家庭)」の授業(森戸先生)を見学しました。

保冷バックの製作(全6時間)の3時間目ということで、今日は以下のような作業をしていました。(白板に今日やることがわかりやすく書かれています。)


色のついた布の右側のわき1.5cm幅でチャコで印をつけ、アイロンで折り目をつけ、内側にアルミ布はさみます。
②ぬいしろに、まち針をさして固定し、ミシンで縫います。→見せる
③左側のわきも右側と同様に、1.5cm幅で印をつけ、アイロンで折り目をつけます。→見せる
④持ち手をつける場所に印をつけ、持ち手をホチキスで仮止めします。
⑤ファスナーを縫い付ける場所に印をつけます。→見せる

この →見せるというのが、森戸先生のオリジナルな指導法で、間違い易いところを未然に防ぐことができます。
このチェックポイントごとに先生に見せに来て、合格をもらうと自分ではんこを押し、次の作業に進みます。これによって、誰もが間違いなく完成することができるのだそうです。
(余談)色のついた布は5色(黒、青、ベージュ、ピンク、黄色)あり、希望で選べます。
今年の一番人気は「黒」で、次が「青とベージュ」だそうです。


 チェックポイントを確認してもらいます。
   

 合格したら、自分ではんこを押します。

生徒たちは、お互いに教わったりしながら、もくもくと作業を進めていきます。
自分が何をすればいいのかよくわかっている、という感じでした。ミシンの調子が悪い時は、自分で何とかしていました。



完成するには、あと3時間分の作業が必要です。得意不得意はあるようですが、一人一人着実に進んでいることは間違いないようです。りっぱですね。

授業終了後、生徒にどこが難しかったのか聞いてみました。
安藤さん「アイロンでわきの折り目をつけるとき、温度が高いとアルミが溶けてしまうので、どうやってアイロンをかけるかが難しかったです。」
清水君「まち針を指すのが難しかったです。ミシンをかけるとき、少ししわができてしまいましたが何とかできました。」

*完成したら、お弁当を入れて持ってきます、と多くの生徒が答えてくれました。自分で使うものを自分でつくる。
「素晴らしい」としかいいようがありません。

校長室(自宅)便り⑨ ~有理数と無理数(再考)

先日(26日)、中3の数学の授業(服部先生)を見せてもらいましたが、その際、そもそも、なぜ分数で表すことが出来る数を「有理数」というのかが、大変気になりました。有理数の理は、何を意味しているのでしょうか? 
気になると眠れなくなりそうなので、本日(28日)、佐野市立図書館で、有理数に関して解説している本がないかどうか、探してみました。
そしたら、あったのです! しかも、2冊も。

桜井 進「面白くて眠れなくなる数学」(2010年8月、PHP出版
→著者は、東京工業大学理学部数学科卒業、同大学院卒業の「サイエンス・ナビゲーター」。世界初の「数学エンターテイメント」で話題、という有名人です。期待大ですね。気になって眠れないのと、面白くて眠れないのと、どっちを取るかです。


一松 信「数の世界 -概念の形成と認知」(2015年1月、丸善出版

→著者は1926年生まれ、京都大学名誉教授です。著書の冒頭で「数って一体何なのだろう?」と考えたことはありませんか? と投げかけています。完全に学者の先生ですので、より学問的な裏付けがわかるかもしれません。こちらも期待できそうです。



桜井 進「面白くて眠れなくなる数学」からわかったこと

・先日の服部先生の授業では、有理数の例として、分数 22/7 がさりげなく登場していましたが、実は深い意味があったようです。世界の「7月22日」は「円周率の日」とされていて、22/7 (22÷7)を計算すると、3.142…となり、円周率の近似値になっています。紀元前250年、ギリシャの数学者アルキメデスが、世界で最初に円周率を計算によって、22/7と求めました。そのことを記念して、7月22日は「円周率の日」と制定されているのです。
円周率は紀元前二千年前から探究されてきましたが、その値は長い間、分数で表されていました。小数が発明されたのは今から400年前に過ぎないのです。
(→ちなみに、日本の「円周率の日」は3月14日。わかりやすすぎますね!)

・ところで、日本では「分数で表すことが出来る数」を「有理数」と呼んでいますが、英語で「有理数」は何と呼ばれているのでしょうか?英訳すると「Rational Number」となるそうです。形容詞「Rational」の名詞形は「Ratio」で、「Ratio」とは「比」を表しています。つまり、形容詞「Rational」は「比なる数」という意味になります。つまり、分数は分子と分母の数の比なので、「比なる数」だというのです。
しかし、それだったら、日本人が「Rational Number」を日本語に訳すとき、「有理数」ではなく「有比数」とすればよかったのではないでしょうか。
(→これって、誤訳だったの?)

・著者は、ここからさらにもう一歩踏み込みます。実は、英語の「Ratio」の起源となったラテン語の「Ratio」には「計算」という意味があるのです。「計算すること」から「比」に通じ、「Rational」は「計算的な」となり「合理的な」になっていきました。そうすると、「Rational Number」の日本語訳の候補として、「比なる数→有比数」と「合理的な数」すなわち「理が有る数→有理数」の2つあったのに、「有理数」が採用されたことになります。なぜ、後者に軍配があがったのでしょうか?
(→さすがはサイエンス・ナビゲーターですね。理詰めで畳みかけてきます。)

・「ピタゴラスの定理」で有名な、古代ギリシャの数学者ピタゴラス(紀元前6世紀頃)は、「万物の根源は数なり」と言ったと伝えられています。この「数」とは自然数(正の整数)のことです。ピタゴラスの時代、自然数こそが計算できる数、つまり「理性の象徴」というべき存在ととらえられていました。分数は、二つの自然数の比として考えられる(計算できる)数に他ならず、そうでない数は「非合理的な」という意味となり、排斥されるべき「考えてはいけない存在」だったというのです。そうした歴史的な背景を考慮し、「Ratinal Number」を「有理数」と訳したのではないか、というのが著者の説です。
(→なるほど、説得力ありますね)

・一方、「無理数」の概念は、もっと後になってから出てきます。現代では、√2やπ(円周率)が無理数であることは知られています。しかし、無理数であること(=分数では表すことが出来ないこと)を証明することは、そう簡単ではありませんでした。円周率πが無理数であることが証明されたのは1761年になってからのことでした。400年前、小数点が発明されたことで、ようやく分数を超えて「無理数」への挑戦が始まったのです。
(→確かに、有理数と無理数はセットになっていますので、「無理数」が存在することがわかって、初めて「有理数」という概念が生じてきたのですね。)

・無理数の英訳は「Irrational Number」で、打消しの接頭語Irがついているので、「比に非ず」と「非合理的」の意味があります。この英語を始めて日本語に訳した昔の日本人数学者は、「非合理的」を採用して、「無理」という言葉をあてたのではないか。
(→個人的には、著者の考えに深く納得しました。)


一松  信「数の世界」からわかったこと

・こちらの著者は、「有理数」について、以下のように断言します。
「ピタゴラスは半ば伝説的な人物ですが、その伝統もあって古代ギリシャでは当初すべての数は互いに整数の比で表わされる、つまり整数の比で表される分数だけで十分と考えていました。今日では整数の比で表される数を「有理数」といいます。これはRational Number の訳語ですが、原義は「ratio(比)をもつ数」の意味で、むしろ「有比数」と呼ぶのが的確でした。しかし、すでにこの語が定着しているので、厳格にいえば「誤訳」ですがそのまま使います。」と述べています。
(→つまり、昔の日本人数学者が訳した言葉なので、なぜそのように訳したのかを詮索してもしようがない。それは、学問的にはさして重要なことではない。ということでしょうか。なるほど、学者としては、そのように考えるものなのかもしれませんね。)

・しかし、この本には、√2が無理数であることの証明や、なぜ、0.9999999…=1なのか、の証明が詳しく紹介されています。先日の服部先生の授業では、0.9999999…=1が正しいのかどうかわかりませんでしたが、この本では、0.99999999…=1 であることを証明しています。てっきり間違いだと思っていましたが、数学的に正解でした。それを知れただけでも、この本を読んだ価値がありました。
(→もっとも、全部は読んでませんけどね。興味あるところだけです。文献調査をする際は全部読む必要は全くありません。)



*最後に一言。これらはいわゆる「文献調査」です。たった2冊の本でしたが、その主張は微妙に異なっていましたね。
*自分にとって、どちらがより納得するか、という見方はありますが、どちらが正しいとは判断できません。文献調査をする際は、最低でも複数の文献にあたらないと危険です。文献調査で間違ったことをうのみにしてしまうと、そもそも前提から間違った方向に研究が進んでしまう可能性があるからです。
*少なくとも、「諸説あります」くらいの知識がないと、「チコちゃんに叱られますよ!」

桜井 進「面白くて眠れなくなる数学」からわかったこと

・先日の服部先生の授業では、有理数の例として、分数 22/7 がさりげなく登場していましたが、実は深い意味があったようです。世界の「7月22日」は「円周率の日」とされていて、22/7 (22÷7)を計算すると、3.142…となり、円周率の近似値になっています。紀元前250年、ギリシャの数学者アルキメデスが、世界で最初に円周率を計算によって、22/7と求めました。そのことを記念して、7月22日は「円周率の日」と制定されているのです。
円周率は紀元前二千年前から探究されてきましたが、その値は長い間、分数で表されていました。小数が発明されたのは今から400年前に過ぎないのです。
(→ちなみに、日本の「円周率の日」は3月14日。わかりやすすぎますね!)

・ところで、日本では「分数で表すことが出来る数」を「有理数」と呼んでいますが、英語で「有理数」は何と呼ばれているのでしょうか?英訳すると「Rational Number」となるそうです。形容詞「Rational」の名詞形は「Ratio」で、「Ratio」とは「比」を表しています。つまり、形容詞「Rational」は「比なる数」という意味になります。つまり、分数は分子と分母の数の比なので、「比なる数」だというのです。
しかし、それだったら、日本人が「Rational Number」を日本語に訳すとき、「有理数」ではなく「有比数」とすればよかったのではないでしょうか。
(→これって、誤訳だったの?)

・著者は、ここからさらにもう一歩踏み込みます。実は、英語の「Ratio」の起源となったラテン語の「Ratio」には「計算」という意味があるのです。「計算すること」から「比」に通じ、「Rational」は「計算的な」となり「合理的な」になっていきました。そうすると、「Rational Number」の日本語訳の候補として、「比なる数→有比数」と「合理的な数」すなわち「理が有る数→有理数」の2つあったのに、「有理数」が採用されたことになります。なぜ、後者に軍配があがったのでしょうか?
(→さすがはサイエンス・ナビゲーターですね。理詰めで畳みかけてきます。)

・「ピタゴラスの定理」で有名な、古代ギリシャの数学者ピタゴラス(紀元前6世紀頃)は、「万物の根源は数なり」と言ったと伝えられています。この「数」とは自然数(正の整数)のことです。ピタゴラスの時代、自然数こそが計算できる数、つまり「理性の象徴」というべき存在ととらえられていました。分数は、二つの自然数の比として考えられる(計算できる)数に他ならず、そうでない数は「非合理的な」という意味となり、排斥されるべき「考えてはいけない存在」だったというのです。そうした歴史的な背景を考慮し、「Ratinal Number」を「有理数」と訳したのではないか、というのが著者の説です。
(→なるほど、説得力ありますね)

・一方、「無理数」の概念は、もっと後になってから出てきます。現代では、√2やπ(円周率)が無理数であることは知られています。しかし、無理数であること(=分数では表すことが出来ないこと)を証明することは、そう簡単ではありませんでした。円周率πが無理数であることが証明されたのは1761年になってからのことでした。400年前、小数点が発明されたことで、ようやく分数を超えて「無理数」への挑戦が始まったのです。
(→確かに、有理数と無理数はセットになっていますので、「無理数」が存在することがわかって、初めて「有理数」という概念が生じてきたのですね。)

・無理数の英訳は「Irrational Number」で、打消しの接頭語Irがついているので、「比に非ず」と「非合理的」の意味があります。この英語を始めて日本語に訳した昔の日本人数学者は、「非合理的」を採用して、「無理」という言葉をあてたのではないか。
(→個人的には、著者の考えに深く納得しました。)


一松  信「数の世界」からわかったこと

・こちらの著者は、「有理数」について、以下のように断言します。
「ピタゴラスは半ば伝説的な人物ですが、その伝統もあって古代ギリシャでは当初すべての数は互いに整数の比で表わされる、つまり整数の比で表される分数だけで十分と考えていました。今日では整数の比で表される数を「有理数」といいます。これはRational Number の訳語ですが、原義は「ratio(比)をもつ数」の意味で、むしろ「有比数」と呼ぶのが的確でした。しかし、すでにこの語が定着しているので、厳格にいえば「誤訳」ですがそのまま使います。」と述べています。
(→つまり、昔の日本人数学者が訳した言葉なので、なぜそのように訳したのかを詮索してもしようがない。それは、学問的にはさして重要なことではない。ということでしょうか。なるほど、学者としては、そのように考えるものなのかもしれませんね。)

・しかし、この本には、√2が無理数であることの証明や、なぜ、0.9999999…=1なのか、の証明が詳しく紹介されています。先日の服部先生の授業では、0.9999999…=1が正しいのかどうかわかりませんでしたが、この本では、0.99999999…=1 であることを証明しています。てっきり間違いだと思っていましたが、数学的に正解でした。それを知れただけでも、この本を読んだ価値がありました。
(→もっとも、全部は読んでませんけどね。興味あるところだけです。文献調査をする際は全部読む必要は全くありません。)



*最後に一言。これらはいわゆる「文献調査」です。たった2冊の本でしたが、その主張は微妙に異なっていましたね。
*自分にとって、どちらがより納得するか、という見方はありますが、どちらが正しいとは判断できません。文献調査をする際は、最低でも複数の文献にあたらないと危険です。文献調査で間違ったことをうのみにしてしまうと、そもそも前提から間違った方向に研究が進んでしまう可能性があるからです。
*少なくとも、「諸説あります」くらいの知識がないと、「チコちゃんに叱られますよ!」

身近な風景

先週は、「栃木県立博物館」のある公園でのアジサイを紹介しましたが、今日はアジサイ寺としても有名な大平山にある「大中寺」のアジサイを紹介します。


境内には、大勢のカメラマンがアジサイの写真を撮っていました。午前中までの雨が上がり、強い日差しを受けたアジサイはとりわけ綺麗に見えました。

いろいろな色や品種?のアジサイが咲いていました。

佐高ミュージアム㉗

今回から「佐高ミュージアム研究室だより 」を公開します。

1992年4月から1994年3月までの2年間、佐野高校に在籍しながら、宇都宮大学大学院教育学研究科に内地留学していました。指導教官は、生物学科の中村和夫教授でした。

私は当時、佐野高校の生物部でトウキョウサンショウウオの生態について調査していたので、サンショウウオの生態について研究しようと思っていましたが、中村先生はもともと昆虫生理学が御専門だったので、今まであまり興味のなかった昆虫について研究することにしました。当時の大学院への内地留学は、今と違って、特に教育に関するテーマでなくても、自分のやりたい研究をすることができました。

当時、宇都宮市内を流れる鬼怒川で、川に生息しているカゲロウという昆虫の一種が、夏の夕方ごろ一斉に羽化し、鬼怒川にかかる橋の水銀灯に集まり、その死骸が数センチにも積り、交通渋滞を引き起こすなど、社会問題となっていました。そこで、この昆虫(アミメカゲロウ)について、研究することにしました。大学院での研究については、追々話が出てきますが、最後には、新種の発見となりました。

この2年間の内地留学期間に、佐野高校の生徒(生物選択者)向けに、「すっかんぽ研究室だより」を20号まで発行しました。佐野高校に原稿を送り、印刷して配ってもらいました。研究室でどんな研究をしているのか、また、同じ研究室の大学院生との調査の様子などを紹介しました。

この2年間は、私のその後の教員人生に大きな転機となりました。高校科学部での研究方法、大学関係の人脈など、科学部指導のノウハウ、後にSGHの探究活動を進める上で必要なことは、すべてこの2年間で学んだといっても過言ではありません。この黄金の2年間で見聞きしたことを高校生向けに紹介した「すっかんぽ研究室だより 全20号」を今回から5号ずつ公開していきます。
(前置きが長くなってしまいました)

佐高ミュージアム 研究室だより No.1 「アミメカゲロウの謎!」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.2 「ホタルイカ」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.3 「名古屋の八田耕吉先生」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.4 「カラスウリの花」.pdf
佐高ミュージアム 研究室だより No.5 「アミメモドキ現われる!」.pdf

中3(数学)の授業見学

本日7限目は、中学3年1組の「数学」(服部先生)の授業を見学しました。

服部先生は、臨時休業中にたくさんの授業動画をアップしていましたね(私が数えてみたら16本ありました!)。独特な登場の仕方で、心を鷲づかみ?された生徒も多かったと聞いています。

今日の学習のめあては、「有理数と無理数について分かる」でした。

①授業はまず、前時の復習で、平方根の大小の確認問題から入りました。
     -3 と  √10              -0.7 と  ー√0.7    
    (どっちが大きいかわかりますか)

②次がいよいよ本題で、有理数と無理数の違いの説明です。
   有理数 → 分数で表すことが出来る数  
         例:整数、0.3   -1.2   2/3 など
   無理数 → 分数で表すことが出来ない数
         例:π=3.141592653589793238462643383279
                                      (円周率です。澁江さんは30桁まですらすら答えました!)



③無限に続く小数→循環小数と循環しない小数(→だんだん難しくなっていきますね。)
   循環小数 → 4/3=1.3333333… 
                                         =1.3(3の上に・)
                22/7=3.142857142857… 
            =3.142857(1と7の上に・)
   循環しない小数 → π や √2など



④循環小数を分数にする(→そんなことができるの?)
   例:0.162(1と2の上に・)
    X=0.162 とし、両辺を1000倍し、もとの式を引くと、

        1000X=162.162162…
    -)     X=    0.162162…
     999X=162   
     よって、X=162/999 →約分すると X=6/77

 *こんなふうに、循環小数は必ず分数にすることが出来るんですね!
  (人生得した気分です。といっても、自分もきっと習っていたはずですけど)

⑤最後に、服部先生からこんな問題が出されました。
  Q 循環小数 0.9(9の上に・)を分数にせよ。

  A X=0.9… とし、両辺を10倍し、元の式を引くと
       10X=9.9…
             -)    X=0.9…
       9X =9
                        X=1

         つまり、循環小数 0.9(9の上に・)=1 となります。
  (こんなありえないことが起こってきます。なぜ、こうなるのかはわかりません。いやあ、数学は奥が深いですね!)

*授業はここで終わりました。生徒たちに授業の感想を聞いてみました。

澁江さん「授業はとてもわかりやすかったです。循環小数のことも理解できました。」
渡辺君「服部先生はユーモアがあり、授業がとても楽しみです。」

*最後に私の感想ですが、「有理数と無理数について分かる」という本時のめあては十分達成できていたのではないかと思います。個人的には、そもそも、分数で表すことが出来る「有理数」が示す「理(ことわり?)」とは何なのか?に興味を持ちました。有理数=理にかなった数、何ゆえ、有理数と呼ぶのか知りたい、と強く思いました。数学も面白いですね
(→こう思わせるのも服部先生のねらいだったのでしょうか? だとしたら、服部先生の思うつぼでしたね。)

中3(国語)の授業見学

今日は、中学3年の国語と数学の授業を見学しました。

まずは、中3「国語」(3年3組、5限目)北堀先生の授業です。

本日のテーマは「俳句を作って句会を開こう」です。

句会は、次のような手順で開かれました。
①選句用紙に、グループ(5~6人)で一人一句ずつ、自分の自信作を書いていきます。
②グループ全員の俳句の中から、一番良いと思う句(自分の句以外で)を一つ選びます。
③自分が良いと思った俳句について、なぜそう思ったのかをグループ内で発表し合います。
④最も票を集めた俳句を班の代表として黒板に書き、発表します。


自分が良いと思った俳句となぜそう思ったかを発表し合っています。


各班で選ばれた俳句を黒板に書いています。


各班の代表作が出そろいました。
それぞれの俳句について、作者の説明を聞き、一番良いと思った俳句を選びました。

1班「梅雨時の 照れる旭と 君の声」
2班「雨が降り 水たまりには 未来像」
3班「寒椿 待ち人いずこ 白い息」
4班「休校中 一時帰宅する 母ツバメ」
5班「猛暑日の 部屋の空気は 赤道下」
6班「制服や 引きこもり吹く 夏の風」

さて、皆さんだったらどれがいいですか?
ちなみに、私は生き物好きなので、生き物が詠み込まれている俳句には反応してしまいます。「生き物」俳句にはこんな作品もありました。

「晴れぬ気と 天気をながめる あまがえる」
「触覚を ゆうゆう伸ばす かたつむり」

*生徒の今日の感想より
「俳句を作るのがこんなに楽しいとは思っていませんでした。」
「自分で見つけた驚きや感動を俳句にすることで、言葉のセンスや想像力が高められました。」
「17音で色々な思いを伝えることができるのはすごいなと思いました」
「俳句には人それぞれの個性が表れていることがわかりました」等

*本時は、確かに楽しい句会でした。自分が選んだ俳句と選んだ理由を語り合う場面が一番盛り上がっていました。楽しいなあ、と言う声もあちこちで聞こえてきました。みんなそれぞれこだわりがあって、なかなか一つに決まらないところが良かったです。
ちょっとのぞいてみようと軽い気持ちで、見学を始めましたが、面白くなって、結局、最初から最後まで見学しました。

高1CTPの授業見学

今日の7限目は、高校1年生のCTP(Criticai Thinking Program)の授業を見学しました。高1の1組から4組まで、同じ時間帯で授業を受けています。

CTPは「批判的な思考力」を養う本校独自の学校設定科目で、国語科、数学科、理科、地歴公民科、英語科の各教員がチームとなって授業を行う合科授業です。1年間の前半は、国語科、数学科、理科、地歴公民科、それぞれの教科で「批判的な思考力」を養う教材を作成し、その教科の教員の指導の下に授業を行います。後半は、それまでに身につけた「批判的な思考力」を活用し、英語科が中心となった「ディベート活動」を行います。

今日は、地歴公民科の島田先生が作成した教材「見えているものが真実とは限らない」と題した授業を行いました。



(浜島書店「最新図説 政経」を参考に作成。授業のパワーポイント資料より)

昨年度は、1学年全員が格技場で一斉に授業を受けていましたが、その形態だとメモがとりにくかったり、グループワークなどがしにくいことや、コロナや熱中症対策で、今年度は各教室で実施しました。
教材作成者の島田先生が、担任をしている1年3組で授業し、それをZoomを使って、他の3クラスに同時中継することで、4クラスの一斉授業が可能になりました


1年3組で授業をする島田先生


他の3クラスでは、Zoomによって配信された画面を見ながら学習します。

生徒に授業を受けた感想を聞いてみました。
まずは、島田先生の授業をその場で受けた3組の生徒です。

林さん「事実や根拠の意味、日常生活との関わりなど、これからどうやって生活していけばいいのか考えるきっかけとなりました。」
小林さん「前提、根拠など、具体的な事例が紹介されていたので、わかりやすかったです。」
松本君「固定観念にとらわれない考え方が大切だとわかりました。興味を持てる内容だったので、面白かったです。」

それでは、Zoomによる遠隔授業を受けていた生徒たちはどうだったでしょうか。

新井さん「音の大きさが突然変わることがありましたが、遠隔でも普通に授業を受けているのと変わりありませんでした。」同様多数。

*島田先生が伝えたいことは、遠隔でもしっかりと生徒たちに伝わっていました。

中3英語の授業見学

今日も、いろいろな先生の授業を見学しました。

中学3年3組の「英語」(高木先生)の授業です

昨日の高校3年生の英語の授業を見学し、中学校ではどんな授業をしているのか興味を持ちました。
3限目に英語演習室で行われている「英語」の授業を見せてもらいました。

・Lesson 3「Rakugo Goes Overseas」(世界に広がる落語)は、英語で落語を行う大島希巳江(おおしま きみえ)さん、桂三輝(かつら さんしゃいん)さんが登場します。


桂三輝(かつら さんしゃいん)さんの落語。カナダ出身のプロの落語家です。

・教科書の内容を学習した後、「マッピング」という作業を行います。教科書に書かれていることを参考にして、例えば、「Rakugo」に関する情報をプリントに書き出します。その際、教科書以外の内容や自分の感想なども記入し、「Rakugo」に関することが一目でわかる「マップ」を作成します。

・このマップをもとに、「Rakugo」について伝えるストーリーを英語で作ります。これが、Story Retelling(ストーリー リテリング)です。自分が作ったストーリーを英語で相手に伝え、さらに相手を変えて繰り返すことで、他の人のアイディアを取り込み、ストーリーをより魅力的なものにしていきます。こうして英語での表現の幅がどんどん広がっていく、という画期的な取組です。





授業が終わった後に生徒に感想を聞いてみました。

落合さん「他の人が話すストーリーを聞いて、そういうストーリーもあるのかと勉強になりました。」
山口さん「英語でのコミュニケーションがたくさんできて楽しかったです。」
清水君「日本の文化を英語で伝えることは難しかったです。しかし、ジェスチャーを交えれば何とか紹介できるんじゃないかと思いました。」

*生徒たちは、ペアワークを繰り返すことで、ペアの相手の発想の良さに気づいたり、それを取り入れて自分の表現の幅がひろがったことに喜びを感じたり、コミュニケーションの楽しさを感じていたりしていました。 素晴らしい授業です!

高3理系(英語)の授業見学

本日、3限目、高校3年生理系の「コミュニケーション英語Ⅲ」(川俣先生)の授業を見学しました。

教科書のLesson2「God's  Hands(神の手)」を教材に、授業を進めていました。
Lesson 2は、「神の手を持つ」と言われ、2012年に当時の天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀した心臓外科医、天野篤(あまの あつし)さんを取り上げています。天野さんは、順天堂大学医学部心臓血管外科教授として、また同大学医学部附属順天堂医院院長として、現在も第一線で活躍しています。

この教材をもとに、授業は物語のSection(段落)ごとに、以下のように進められていました。

Step1発音の確認。:単語やフレーズの発音を確かめ、CDや教員のあとに続いて発音。CDを聞いてListening Quiz に答える。等
Step2本文を読む。:文章の構造を理解し、正確に文章を理解する。
Step3Q&A:ペアに分かれて問題を出し合う、音読穴埋め:適語を補いながら音読する。 ←(本時はここまで)
Step4サイトラ(Sight translation):英文または日本文を見て、それぞれを翻訳する。

この授業の進め方は、担当の先生が変わると教え方ががらっと変わってしまうのではなく、担当の先生が違っても同じ内容を学習できるよう、本校の英語科の先生方が試行錯誤しながら、たどり着いた「学習サイクル」だそうです。このサイクルの中で、それぞれの先生が工夫してプリントを作ったりしています。これによって、本校の英語科全体の指導力アップにつながりました。
(以上は、授業後に英語科の先生方にお聞きした内容をもとにまとめました。もし間違っていたら後で訂正します。)


写真は、Step3の「Q&A」に取り組んでいる生徒たちです。

授業終了後、近くにいた生徒に授業の感想を聞いてみました。

中野君「いつも通りの川俣先生の授業です。先生の説明を一方的に聞くのではなく、ディスカッションがあり、話し合い活動が多いので、眠くなるようなことはありません。」
入澤君「ペアワークが多いです。単語やフレーズの発音を自分で確認できるところがよいと思います。」
岡さん「先生が元気すぎるので疲れますが、眠くなりません。」

*川俣先生のパワー溢れる授業が印象的でした。授業見学は、突然、ふらっとお邪魔しましたが、一見して生徒が授業に真剣に楽しく取り組んでいることがわかりました。

中2(華道)、中1(学活)の授業見学

今日の7限目に、
①中学2年1組の「華道」(総合的な学習の時間)の授業と
②中学1年生の「学活」(総学の振り替えにより実施)の授業を見学しました。

①「華道」の授業では、小原流の清水一克先生のご指導により、生徒一人一人が、実際にお花を生け、最後に清水先生に手直し等をしていただき、作品を完成させます。今日は、ニューサイラン、カスミソウ、カーネーションの3種を使いました。


生け方には、いくつかの型があるそうで、それをもとに生徒たちは何度も試行錯誤をしながら、完成させていました。

何人かの生徒に感想を聞いてみました。

浅野さん「茎が細いカスミソウは指しにくかったです。正面だけでなく、横から見たときにも立体感を出すのが難しかったです。とても楽しかったです。」

恩田さん「初めてだったので難しかったです。緊張しました。最初は、何が良くて何が悪いのかわかりませんでしたが、先生に直していただくと、なるほどそうなのかと納得しました。先生からは90点と言われました。」


お花は、家に持ち帰り、家でもう一度、生けてみるそうです。
自分でお花が生けられるなんて、素敵ですね。


②中学1年生は、7限目に「学活」を行いました。
テーマは「ソーシャルスキル」、ソーシャルディスタンスではありませんよ。
友人関係のスキルを身につけます。

私たちは、何かを失敗したときに「ごめんなさい」と謝りますが、そのタイミングを逸してしまい、後悔した経験は誰しもあると思います。
ソーシャルスキルは、これまで謝れなかった自分の経験を振り返り、場面に応じた謝罪の仕方を確認します。
2人1組になり、「さりげない謝罪」「普通の謝罪」「丁寧な謝罪」を表す言葉や態度を考え、実際にやってみました。
最後に、我こそはと思う生徒が、担任の先生を相手に、「さりげない謝罪」、「普通の謝罪」、「丁寧な謝罪」にチャレンジしていました。

「さわやかに謝ることができる佐附中生」、もうそれだけで素晴らしいです!

身近な風景

今日(2020年6月21日)は、夏至です。そして、部分日食がありました。

栃木県の天気は曇りでしたので、残念ながら、部分日食を観察することはできませんでした。九州地方などでは観察できたところもあったようです。

一方、夏至は二十四節気の一つで、暦の上では夏の盛りの頃です。
夏至の日は1年で太陽が最も空高く昇り、最も昼の長さが長くなる日です
しかし、日の出時刻が最も早く、日の入り時刻が最も遅いわけではありません。

(今日の佐野市は)
日の出時刻は4時24分20秒日の入り時刻は19時2分37秒で、
昼間の時間(日長)は14時間38分17秒でした。

ところで、今年
日の出時刻が最も早いのは、6月12・13日(4時23分22秒)、
日の入時刻が最も遅いのは、6月28・29日(19時3分24秒)なのですが、
昼間の時間(日長)を計算すると、本日6月21日が最も長くなるのです(→夏至)。
つまり、夏至は毎年6月21日と決まっているわけでなく、日長を計算し、最も日長が長い日が「夏至の日」となるのです。ちなみに、去年の夏至は、6月22日でした。

今年の22日は、日の出が21日より14秒遅れ(=日が短くなる)、日の入りは12秒遅れる(=日が長くなる)ので、差し引きすると、21日より2秒だけ日が短くなってしまいます。今年は2秒の差で、今日(21日)が、めでたく夏至となりました。

1年で最も日が長いといっても、わずか数秒の差ですので、私たちがその変化を感じとることは難しそうです。


今日は、栃木県立博物館で、「栃木県版レッドデータブック改定事業 両生爬虫類部会」が開催されました。私も部会員として参加しましたが、博物館がある公園の敷地では、この時期の風物詩である「アジサイ」が見頃を迎えていました。



アジサイを見ると、今は梅雨なんだな、と改めて思います。
梅雨という季節に最もピッタリくる植物は、アジサイをおいてほかにはないでしょう。(あくまで主観です。)


*最後に、本日の「両生爬虫類部会」では、2000年頃、足利市松田町で「モリアオガエル」(木の枝に白い泡に包まれた卵を産むことが有名)を確認しているのですが、その後の記録がないことが話題になりました。

足利市や佐野市で、これまでに「モリアオガエル」の卵塊(木の枝に産んだ白い泡に包まれた卵)を見たことがある方は、是非、情報をお寄せください(→校長室まで)。大発見になるかもしれません。

佐高ミュージアム㉖

「佐高ミュージアム Original  No.18 ~22」を公開します。

今回は1991年10月号から1992年3月号までの5回分の公開です。2月号は行方不明でした。(そもそも作っていなかったのかもしれませんが…。)ところで、NO.21で紹介したタヌキの剥製は、現在、生物室の廊下にあるロッカーの中に保管されています。見たい人は見に来てください。

(PS)No.20と21の2枚目が入れ替わっていたことに気が付きました。後日、学校で訂正しますが、今見ている人は2枚目を交換して読んでください。


佐高ミュージアム Original No.18 「赤とんぼとヒガンバナ」.pdf
佐高ミュージアム Original No.19 「サケ」.pdf
佐高ミュージアム Original No.20 「タヌキの事情」.pdf
佐高ミュージアム Original No.21 「タヌキの事情part2」.pdf
佐高ミュージアム Original No.22 「サンショウウオをめぐる人々」.pdf

SGHクラブ国内班 第1回オンライン講座

本日の放課後、英語演習室でZoomを使ったオンライン講義を行いました(16:30~17:30)

内容は以下の通りです。
(1)テーマ「Think Globally Act Locally エコロジーオンラインがつなげる世界」
(2)講師:NPO法人エコロジーオンライン代表 上岡裕先生(佐野高校OB)
(3)講義内容
   ・エコロジーオンライン及び上岡先生のこれまでの取組
   ・佐野から全国へ世界へ発信する方法、
   ・田中正造型グローバルリーダーについて
   ・質疑応答
(4)参加者:SGHクラブ国内班、フランス語班(16名)


*参加した生徒からの感想です。

・これまで授業で聞いたことがある言葉がたくさん出てきました。それらがどのようにつながっているのかが理解できました。これからの研究に活かしていきたいです。(2年 猪瀬君)
・私は、田中正造が生まれた佐野に住んでいるからこそ、やるべきことがある、と思いました。(2年 松原さん)
・マダガスカルとフランス語との関係を初めて知ることができました。フランス語班として何ができるか考えていきたいです。(2年 戸室さん)
・自分がよく知っている去年の台風で秋山川が決壊した場所を上岡先生も知っていたことから、同じ佐野に住んでいるんだなあと親近感を持ちました。(2年 大山君)

次回は1週間後の6月27日だそうです。

下野新聞~総文祭自然科学部門出場(科学部)

本日付け、下野新聞21面スクール文化欄に本校科学部の紹介記事が掲載されました。

今夏、インターネット上で開催される全国高校総合文化祭(総文祭)の自然科学部門で、生物分野の本県代表として、本校の科学部が出場します。
研究のタイトルは「栃木県産有尾目の保全に向けて」です。昨年の12月に宇都宮大学を会場として県予選が行われ、生物分野で第1位となり、総文祭出場となりました。
総文祭では、地道に積み重ねてきた研究の成果を全国の代表校とともに、動画などで披露します。


(下野新聞6月19日付け21面より、下野新聞社の著作物利用承諾済み)

下野新聞2020.6.19科学部.pdf