校長室便り

2021年2月の記事一覧

佐野市防災放送(英語、スペイン語)のお知らせ

2月26日(金)に、佐野市役所で、佐野市防災放送の収録がありました。
防災放送は、毎日、午前10時、正午、午後5時に放送されますが、その英語版を附属中の栗原先生スペイン語版を同じく富永先生が担当することになりました。市民から、聞きやすい女性の声を、という要望があり、本校の両先生が引き受けることになりました。
今日から、放送されていますので、聞き耳を立てて聞いてみてください。

祝!スクールアルバムコンテスト「肖像部門」最優秀賞受賞!

さて、この方は誰でしょう?

本校生の皆さんなら、一度は顔を合わせているはずです。
学校行事には必ず写真を撮りに来てくれる「岩佐写真館」の松村和男さんです。

実は、岩佐写真館が製作した佐野高校の卒業アルバムが、2020スクールアルバムコンテスト高等学校の部「肖像部門で、見事、最優秀賞に輝きました!


日本商業写真家協会が発行する「フォトジャパン 第159号」で2020年の入賞作品が特集されています。全国の数千校の中から、部門ごとに各賞が選出されています。そのなかでも、肖像(ポートレート)はアルバムの根幹です。

岩佐写真館の作成した「佐野高校の卒業アルバム」には、生徒一人一人が最も輝いている瞬間がフレームにきっちりと収められています。ポートレートに、オレンジの背景は普通は使わないそうですが、あえて「鬼滅カラー」で勝負したそうです。その結果、見事なコントラストにより、生徒の内に秘めた情熱や、無限の可能性を感じさせることに成功しています。

 ↑  昨年度、卒業した学年のアルバムです。


紙面には、受賞した松村さんのインタビュー記事が載っています。

◆コンテスト受賞の感想をお願いします。
→今回、このような名誉ある賞をいただくこととなり、たいへん感激しています。佐野高等学校卒業生の皆様、ご担当の先生方、心より感謝いたします。

◆取材、撮影で特に注意されていることは?
→生徒が卒業アルバムを開くときは、どんな期待をしているのだろうか?
そして、そのなかには撮ってもらって良かったと思えるような心躍る写真が入っているだろうか? また、このアルバムは何度も開きたくなるような愛と友情が溢れているのか? というようなことを常に考えております。

◆編集、レイアウトで特に注意されていることは?
→基本的には「Simple is best.」と考えておりますが、各行事のカット数は多めになっています。できるだけ多くの生徒が入るように努力しております。

◎審査委員長のコメント
→濃いオレンジの背景でうまいライティングで撮影されている印象的な作品。


最優秀賞受賞、本当におめでとうございます。
こんな凄い方に写真を撮っていただいていたとは!

卒業生の皆さんは、配られた「卒業アルバム」を手に取って、日本一のクオリティを、その目で確かめてください。
何度も見たくなるアルバムです。

身近な風景 ~アカガエルの産卵

2月23日、科学部が整備している「トウキョウサンショウウオの人工産卵場」でニホンアカガエルの卵塊を発見しました。おそらく、数日前に産卵されたものでしょう。

今年の初アカガエルでした。


アカガエルの卵塊であることは、見ただけでわかりますが、この辺りには、ニホンアカガエルとヤマアカガエルが生息していて、見た目ではどちらの卵嚢か、区別がつきません。そんな時は、手で卵塊をすくってみるとわかります。

ニホンアカガエルの卵塊は、手ですくった時、形があまり崩れにくくまとまっている感じで、ヤマアカガエルの卵塊は、ゆるめで形が崩れやすい感じです。これで見分けることが出来ます。ご覧の通り、崩れにくくまとまっているので、ニホンアカガエルの卵塊であることがわかりました。




一つ一つの卵を拡大してみると、卵割が始まっているのが分かります。

【高校】ディベート班、下野新聞掲載

2月21日(日)の下野新聞の25面で、本校SGHクラブディベート班の活躍が、紹介されています。この記事は反響が大きく、いろいろな方から「新聞見ました」と声をかけていただきました。特に、地元に住んでいる佐野高校のOB、OGにとっては、嬉しい記事だったようです。

(下野新聞社よりHP掲載許諾済み)

R3.2.21 ディベート(下野新聞).pdf

【特集】SGHクラブディベート班が強くなった理由(わけ)

2月1日の校長室便りの最後に、SGHクラブディベート班が「なぜこんなに強くなったのか」その謎に迫ります、と書きました。実は、その後、下野新聞の取材があり、それが記事になるのに合わせて、強くなった理由についても紹介するつもりでしたが、紙面の都合により、記事掲載はもう少し後になるとのことでしたので、ここで紹介することにしました。

(PS:と言っていたら、本日21日の下野新聞の25面に大きく掲載されました。もしかしたら、取材に来てくれた記者さんにプレッシャーをかけてしまったのかもしれないですね。ごめんなさい。そして、ありがとうございます。ベストなタイミングでした。新聞記事は、HP掲載許諾が得られたら掲載します。)

*2月1日の校長室便り↓
http://153.127.209.180/ooruri/sano/nc2/index.php?key=jocuhayg0-1552#_1552


学年末試験が終了した2月19日(金)の13時ちょうど、練習が始まる前に、定例の班長挨拶から始まりました。ディベート班は部ではありませんので、トップは班長です。班員が何となく集まって、なんとなく練習が始まる、といった感じではなさそうです。

班長の江部青飛君(2年)から、今日の練習の目標や練習内容の確認などが行われています。そして最後に、「学年末試験のことで心配なことがあったら僕に相談してください」という力強い言葉で締めくくられました。

ディベート班は現在25名の班員がいますが、この日、練習に参加した生徒で3~4名のグループを編成し、グループごとに活動が始まりました。 ↓こんな感じです。


ディベート班は、今年度、2つの全国大会で5位入賞、県大会でも優勝、と破竹の快進撃を続けています。


今回は、強くなった理由を知るため「座談会形式」で話を聞くことにしました。座談会に参加してくれたのは、班長の江部青飛君副班長の小林杏珠さん1年生の鈴木颯一郎君の3名です。


話を聞いてみると、「強くなった理由」がはっきりわかりました。
彼らは、「部活改革」を行っていました。(注:部活動ではありませんが、ここでは一般化するため、このような表現を使います。)

まずは、要点をまとめて提示します。

改革1部活とプライベートを分ける
→*毎日の活動は、班長の挨拶で始まり、今日やることを確認し、最後は終わりの会で、その成果を全員で共有する。
→*ディベートに関することは学校だけで終わりにし、家ではやらない。家では、自分の勉強や趣味などに専念する。

改革2生徒主体の活動にする
→練習のための論題を生徒が決めたり、全員で選手をサポートするためのアイディアを出し合ったりすることで、自分たちの活動、という意識が高まり、モチベーションがあがった。1年生のアイディアが採用されるなど、先輩後輩という垣根を越えた活動ができるようになってきた。自分たちが考えたことをスムーズに導入できたのは、顧問の川俣先生のお陰。

改革3ディベート資料の一括管理
→ディベートでは、論題に対して、肯定側、否定側、それぞれにいろいろな資料を集め、立論の構成を考えるが、これまでは大会に出る生徒が、個人的に行っていた。それを個人に任せるのではなく、大会に出ない生徒も、調べた資料をデジタル化(写真化)し、パソコンのフォルダに入れるようにすることで、その資料を誰でも見ることが出来るようにし、どこにどんな資料があるかを一括管理することができるようになった。これは1年生のアイディアを採用したもの。

改革4残業はしない 
→これは改革1~3と連動しているが、これまで大会前などは準備が間に合わなくて、遅くまで残ってやることが多かったが、どんな状況でも、遅くまで残る残業は一切しない。そのために、計画的に準備をし、直前になって慌てることのないようにする。
→これまでは、大会前の負担が大きく、自分の勉強ができなくなったり、自分だけなんでこんな大変な思いをしなければならないのか、とやめていく班員もいた。
→残業をしないようにするため、大会に選手として出場する生徒だけでなく、全員がサポートするような体制にする。これによって、持続可能な活動が可能になった。


以上、座談会での話を要約すると、数多くの部活改革があり、それを今年度、始まってすぐに実行に移し、成果をあげたことがわかりました。今回の話を聞いて、これは単なる「一部活(班活)の改革」ではなく、大人の世界の「働き方改革」そのものだと思いました。生徒から学ぶことがこんなにも大きいとは。想像を超えていました。

最後に、座談会に参加してくれた3名から、それぞれにとって、どの改革が一番良かったのかを聞きました。


鈴木君(1年生)
「先輩たちが自分たちの意見やアイディアを聞いてくれる、というのが良かったです。みんなでやっているという一体感や安心感があるので、自分もがんばろうという気持ちにさせてくれました。」

小林さん(副班長)
「今までは自分一人で仕事を背負うことが少なくなかったです。いままで一人でやることがつらいと思ってきましたが、みんなでやることで、やる気が出てきました。生徒主体の活動になったことが一番大きいと思います。」

江部君(班長)
「いろいろありますが、みんなが純粋に強くなった、というのが一番大きいと思います。1年生が強くなったので、2年生も負けられないという気持ちになったことが、個人的には大きいです。」

*班員の皆さん、練習中、お邪魔しました。
ご協力ありがとうございました。
3月に行われる最難関の全国大会、頑張ってください!

身近な風景 ~集団産卵(動画あり)

2月18日夜、トウキョウサンショウウオの集団産卵が始まりました。

18日夜20時の段階で、産卵場にはオスが50個体程度、メスも5.6個体確認できました。

翌日19日の朝7時の様子です。昨夜、オスが団子状に絡まり合っていた場所に、産卵直後の卵嚢があるのを確認しました。全部で5対(10卵嚢)で、メス5個体分になります。明日は、さらに暖かくなる予報ですので、今夜も集団産卵が見られると思います。

オスが団子状になっている場所と卵嚢がある場所が対応していますので、最初の2枚の写真と比べてみてください。

*参考
産卵シーン(動画)
この動画は、同じ場所で2020年2月1日に撮影したものです。
どのようにメスが産卵し、オスが受精させるのか、はっきりわかります。
自分でいうのもなんですが、凄い動画が撮れたと思います。
・必見の価値はあります!
・まあ、見る人によってはあるかもしれません。
・両棲類が苦手な方は、衝撃が強いので見ない方がいいかもしれません。
(↑どれかでしょう)

https://youtu.be/XCNJkZZvdWM

全部で4分の動画ですが、見どころとして、以下のようなシーンがあります。
・産卵場にはたくさんのオスが集まっており、メスがやってくるのを待ち構えています。メスがやってきて産卵を始めると、オスは興奮して、メスの体に巻き付き、体内の卵嚢を絞り出すように締め付けます。
・20秒後、締め付けられたメスは失神したことが分かります。白い腹を見せています。この後、メスの体をオスが締め付けて引っ張ることで、体内から卵嚢が引きずりだされてきます。オスは興奮し口を開けて精子を出そうとしています。
・1分10秒後、出てきた卵嚢は青白く光っており、それにオスがしがみつき、精子をかけています。(精子そのものは見えません)
・1分50秒後、メスの体内から卵嚢が完全に排出され、支えを失ったメスは、失神したまま、落下していきます。しばらく、失神したままです。じきに復活しますが、そのまま死んでしまうこともあります。
・その後は、出てきた青白く光る卵嚢に、オスが絡みつき、ひたすら精子をかけ、受精させます。

【中3】高校卒業後の進路を考える講演会

2月17日(水)7限目、中3の学活の時間に、高校の数学教諭で、ボート部の顧問でもある「戸田圭一先生」のお話をお聞きしました。

本校は中高一貫教育校なので、若手の高校の先生から、大学でどんなことを学んでいたのか、どんな部活をやっていたのか、そして、それが大学卒業後の職業にどうつながっているのか、などについて、講演会を行いました。本日はその2回目(理系分野)で、1回目は英語教諭の川俣先生(文系分野)でした。


講演会のタイトルは「進路選択と部活選択」でした。
大学4年間をオリンピック出場を目指してボート部の寮で過ごしていた経験から話が始まりました。大学時代には、ボートの全国大会で優勝や準優勝など、大活躍していました。


ボート部の寮では、毎日4:30から7:00まで朝練があり、その後、9:00から19:30まで大学で授業。20:30から22:00まで夕練習があり、22:30に就寝、という日課を4年間続けていたそうです。


大学での学びや、大学の選び方などについても、わかりやすく説明してくれました。

その後、生徒たちは、自分のことを振り返ったり、なぜ勉強するのかを考えたりする機会がありました。





最後には、生徒からの質問もあり、楽しい中にも多くの学びがありました。


もちろん、高校のボート部の紹介も忘れてはいませんでした。


最後は盛大な拍手に送られ、会場を後にしました。


楽しくてためになるお話、ありがとうございました。

身近な風景 ~校庭の花図鑑

この時期の校庭には、よく見ると、いろいろな花が咲いています。

大きく分けると、ツバキの仲間、ウメの仲間、そして、野草の花です。
まず、ツバキの仲間は、校庭の中庭、前庭などで、次々に咲き始めています。
名前まではわかりませんが、少なくとも5,6種類(品種?)はあるのではないでしょうか。






次に、ウメですが、紅梅、白梅、そして、シダレウメの3種類が咲いていました。
それぞれ7部咲きから満開くらいです。
まずは、前庭の紅梅。




同じく、前庭の白梅です。左手奥で咲いているのは紅梅です。



そして、正門をはいってすぐの「シダレウメ」です。ほぼ満開で、花びらがかなり落ちていました。




最後に、武道場の南側の空き地は、日当たりも良く、野草の楽園となっています。

「ナズナ」の大群落です。


その隙間に、「ホトケノザ」が花を咲かせています。



少し離れた場所に「カラスのエンドウ」も咲いていました。


春は、確実に進行している感じです。

【中学】質問教室

附属中は、明日18日と19日の2日間が学年末試験です。
そのため、昨日と今日の放課後、「選択1教室」(1階)と「選択2教室」(2階)で、質問教室を開講しています。学年を問わず、各教科の担当の先生に質問することができます。今日もひっきりなしに、質問に来ていました。


五教科の先生が、生徒たちの質問に答えています。

また、自分の教室では、17時30分まで、自習をすることができます。



外は風花が舞っていました。明日からの試験、頑張ってください!

身近な風景 ~トウキョウサンショウウオ③

2月15日(月)の午前中から夕方にかけての雨で、再び、トウキョウサンショウウオの繁殖行動が活発化してきました。


1月24日以来の雨で、オスが約40匹集まってきました。(16日の20時頃)
雨を待ちわびていたのでしょう。一気に個体数が増えました。ほとんどがオスです。




メスも数匹か降りてきています。お腹がぱんぱんに膨れています。
まだ、周りにオスが集まっていませんので、周囲の山から降りてきたばかりかもしれません。


この後、気温が上昇すると、さらにメスが降りてきて一気にまとまった産卵が見られる可能性もあります。

【高校】日本地学オリンピック本選出場

国際科学オリンピックの一つである日本地学オリンピック」の本選に、高校1年の店網航輝(たなあみ こうき)君の出場が決定しました。応募者1635名中10位の成績で、二次予選を通過しました。

2月1日に実施した中高の「いじめ・教育相談アンケート」の自由記述欄を読んでいたら、嬉しかったこととして「日本地学オリンピックの本選出場が決まったこと」と書いてあったので、詳しく話を聞かせてもらうことにしました。


店網君は、小学校の頃から星を見るのが大好きで、小学校2年生の時、貯めたお小遣いと両親に出してもらったお金で、「天体望遠鏡」を買ったそうです。それを使って「土星」や「アンドロメダ銀河」などを観察するのが楽しみとなり、やがて天文学に興味を持つようになりました。附属中3年の時に、早期入部で高校の「天文同好会」に入り、小学2年生の時に買った「天体望遠鏡」を持ってきて天体観測をしていたそうです。今も天体ドームの中においてあるということなので、放課後、見せてもらいました。

  (↑りっぱな天体望遠鏡です!)

ところで、「地学」ってどんな学問かわかりますか?
中学生の理科で、地質や気象、天体、火山、地震などについて勉強しますが、それらを全部ひっくるめて「地学分野」と呼んでいます。他には、「生物分野」「化学分野」「物理分野」などがあります。しかし、高校に入ると、生物、化学、物理は、さらに詳しく学びますが、日本の多くの高校では、地学の授業は開設していません。栃木県でも、多くの高校ではかつては地学の授業がありましたが、今は、地学の教員を採用すらしていません。今年度から始まった「大学入学共通テスト」でも、理科は得点調整がありましたが、地学は受験者が少なすぎて、得点調整の対象にもなりませんでした。
佐野高校でも、私が初任で赴任した1980年代は「地学」の授業があったと思います。地学の教員もおり、地学教室や天体ドームもあるくらいですから、県もかなりお金をかけて施設整備をしていたことは間違いありません。「地学部」には合宿をしながら天体観測を行う多くの部員がいました。やがて、教育課程に地学がなくなり、授業からも地学が消えました。実は、現在の旭城ホールは、本校の創立100周年を記念して、授業がなくなって使わなくなった「地学教室と地学準備室」をぶち抜いて、改装して作ったものです。

そんな状況なので、中学時代に地質や気象、天体、地震などに興味があっても、多くの生徒は、高校で学ぶことが出来ないというのが、我が国の現状です。(おそらく、大学入試の受験科目で重視されなくなってきた影響もあると思います)

このような中で、「地学オリンピック」に挑戦できるのは、高校で地学を勉強している生徒にある程度限られてくると思われます。なにしろ、出題範囲が、教科「地学基礎」からと明記されていますから…。本校では地学基礎は履修できませんので、店網君は地学基礎を独学でマスターしたことになります。

一次予選(12月20日)では1635名受験
し、50点満点で44点、全国13位で通過しました。二次予選(1月24日)は207名が受験し、50点満点で40点、全国10位で、本県では唯一「本選参加資格者」と認められました。この資格は、すでに大学の総合型選抜(旧AO入試)等で評価されるレベルのものです。
(乱暴なたとえをすると、英検1級くらいの価値はあるのでは?)


本選は、茨城県つくば市で3月14日~16日にかけて、泊りがけで、実技試験(鑑定等)と筆記試験が行われる予定でしたが、新型コロナの影響で、3月15日(火)にオンラインで記述式の筆記試験のみを実施することになりました。本選には約40名が参加し、その中から4名が日本代表として選ばれ、「国際地学オリンピック」に出場することになります。本選もがんばってください!

最後に、店網君の将来の夢を聞いてみました。
→大学で天文学を学び「天文学者」になりたい、と即答でした。国立天文台の副台長の渡部潤一さんのような天文学者が目標だそうです。そのため、日本で唯一理学部に天文学科があり、多くの天文学者(渡部潤一さんもその一人)を輩出している東京大学に入りたいということでした。(以上、紹介することは本人了解済です)

*将来の目標を定め、今を頑張っている素晴らしい若者に出会うことができました。
(実は、佐野高校や附属中にはこうした生徒が近年、増えてきました。まだまだ知らないだけで、熱い思いを持っている生徒はたくさんいるのかもしれません。)

 アンドロメダ銀河(Wikipediaより)

いじめ・教育相談アンケート結果(2月)

2月1日に実施した中高の全生徒を対象に実施した「いじめ・教育相談アンケート」の集計結果について、個人情報に配慮した形で公表いたします。


本アンケートは、いじめをゼロにすることを目指すものではなく、いじめは、いつ、どこでも、だれにでも起こりうるもの、であることから、その早期発見、早期対応を目的としています。
スクールカウンセラーや教員等との面談の希望がある場合には、即座に対応しています。

今回は、中高ともに「いじめてしまった」「いじめられた」と回答した生徒はいませんでした。また、「友達がいじめられていると感じた」と回答した生徒は、中1で2名いましたので、本人や関係者などから話を聞くなど対応をしています。

附属中では、生徒が毎日提出する「生活ノート」を通して、担任が生徒同士のトラブルや、いやな思いをしたことなどについて相談に乗るなど、さまざまなチャンネルから、いじめの早期発見・早期対応に努めています。

*なお、今回のアンケート結果については、本HPのメニューにある「いじめ・教育相談アンケート」に収納しています。

2月8日以降の教育活動について

*本県は令和3年1月14日以降、国の緊急事態宣言の対象区域となっていたところですが、2月7日をもって、対象区域から除外されることとなりました。
 つきましては、2月8日以降の県立学校の教育活動については、下記の事項に留意するよう県から通知がありました。

1 引き続き感染防止対策を徹底する。
2 感染リスクの高い教育活動は実施しない。
3 部活動は、平日の放課後の活動を90分以内とし、週休日の活動を可とする。なお、他校との練習試合、合同練習等は中止する。


新型コロナウイルス感染症への対応に係る県立学校における教育活動の指針

地域の感染状況を踏まえた県外の教育活動の実施について」(2月4日)
  県外での教育活動の実施について.pdf

*今回示された上記の指針や考え方、判断基準等をもとに、本校で計画している県外での教育活動(中学の林間学校、イングリッシュキャンプ、高校の修学旅行等)の実施の可否及び内容等について、県と相談しながら決める予定です。

【中2】数理探究 ~測ることで見えてくるもの

2月4日(木)5.6限目、中学2年3組の「数理探究(理科分野)」(中村先生)がありました。今回のテーマは「測ることで見えてくるもの」、ノギスを使っていろいろなものを測ってみました。

ところで、皆さんは「ノギス」を知ってますか?
ノギスは長さを精密に測定する道具で、1mmより小さい単位(例えば、0.05mm単位)で測ることが出来ます。1631年にフランスの数学者ピエール・ヴェルニエによって発明されました。主尺と副尺の目盛りの組み合わせで、細かい長さまで測定できます。


授業では、まず、ノギスの使い方をマスターし、実際にいろいろなものの長さを精密に測ってみました。スライドガラスの厚さや1円玉の直径、パイプの外径・内径、さらには、アルミホイルの厚さを測ります。


しかし、アルミホイルは薄すぎて、ノギスと言えども、1枚の厚さは測れません。そこで、測り方を工夫します。ほとんどの生徒は、アルミホイルを折って重ねて厚くして測り、その長さを重ねた枚数分で割ることで、求めていました。


最後は、発展問題で、アルミニウムとガラス(ビー玉)の密度(単位体積当たりの質量)を求め、同じ体積で比較したとき「どちらが重いか」を求めます。
球の体積は公式にあてはめて求め、質量は電子天秤を使います。



生徒たちのレポート(プリント)を見ると、ガラスの密度はほぼ正確に求められていましたが、アルミニウムの密度はかなり低く(正解の半分以下の数値でした)出ていました。実はここで、なぜそうなったかを考察することが、とても重要です。その原因を推測し、仮説を立て、それを検証することで、正解の値に近づくことができます。(実験が出来なくても、思考実験で考えてみましょう)


*最後に、生徒の皆さんの感想です。
「これまでで一番楽しかった。密度などを協力して求めるのが楽しかった。達成感がすごかった。」

「ガラスの密度はおおよそ正確に測ることができた。アルミホイルで出た誤差は厚みからであると考える。道具を正確に扱うのは難しいと思った。」

「今日はノギスを使って長さを測ることができた。計算によるアルミの密度は1.3g/cmだったが、実際には2.7g/cmだった。そうなった理由としては、ノギスで厚さを測るときに、空気が入ってしまったこと、アルミホイルが、正しく25cm×20cmでなかったことが考えられる。ノギスの原理を詳しく知りたいと思った。ピエールさんのことも。」

「ノギスという道具を使って、小さな単位まで長さを測ることができた。ペアの人と協力して密度が求めることができた。とても頭を使ったがすごく楽しかった。」

「ノギスは正確に測れるはずだったが、けっこう難しくて苦戦しました。」

*ノギスという道具を使いこなすのは、なかなか難しかったようです。しかし、この授業の目的は、ノギスを使えるようにすることではありません。将来、ノギスを使う機会は、特殊な仕事以外おそらくゼロでしょう。また、最近は長さがデジタル表示される「デジタルノギス」も安価で売られていますので、苦労して目盛りを読むこともないでしょう。
*今回の「数理探究」は、まさに探究のツールとしてノギスを使いました。こうすれば測れるはず、誤差が生じた理由、それを解消する手立て、そういったことを考えるプロセスが、探究には欠かせないことを実感することこそが目的でした。まさに、「測ることで見えてくるもの」を感じて欲しかったのです。この目的が達成されたかどうかは、生徒それぞれで違いはあると思いますが、すくなくとも、この時間を楽しいと感じてくれた生徒が大勢いたことは嬉しかったです。



【高1・2】課題研究発表会

2月2日(火)・3日(水)の5~7限目、高1および高2の課題研究発表会を行いました。今年度は、新型コロナの影響で、各学年ともグループ研究ではなく個人研究を行っており、2日間かけて、全員が発表しました。

研究発表会は、以下のような方法で行いました。

①生徒は、研究のポスター(A4サイズ)を作成し、各会場の人数分用意し配布します。
②発表者は、ポスターを使って4分間の発表を行い、2分間の質疑応答の後、各会場の担当の先生2人から講評を受けます。
③会場の生徒は、ルーブリックにより発表の評価をします。
④最後に、QRコードを使用し、グーグルフォームで、各発表者の評価を入力します。

【高1の発表】










*今回はグループ研究ではなく個人研究だったので、すべて一人でやらなければならないため、大変だったと思いますが、それぞれが、自分の興味・関心に基づいてテーマを設定し、研究に挑戦していました。
*研究内容については、まだまだ手探りという印象はありましたが、発展の可能性が感じられました。面白い研究テーマを設定し、今後の深まりが期待できる内容のものがたくさん見られ、頑張っているなと感心しました。
*一方、個人研究だったので、他人には頼れず、不安も多かったと思います。最初に考えた研究テーマがうまくいかず、別なテーマに変わったケースも多く、これで本当にいいのかなと思ったり、研究なんてやりたくないと思ったりしたことのある生徒が、実はほとんどだったのではないかと思います。
*しかし、研究は最初にこれをやってみようと考えたことが、そのまますんなりいくことは、普通はありません。テーマが壮大すぎたり、実証が不可能だったり、いろいろな壁にぶちあたり、だんだんと変わってきます。実は、研究のテーマが変わってきたということは、研究が進んでいることでもあります。
*課題研究での体験は、単なる知識や技能の習得だけでなく、答えが一つとは限らない研究を通して、思考力や判断力、表現力といった、これから必要とされる学力を高めてくれています。さらに、知らず知らずのうちに、皆さんがこれからの社会を生きる上での高い志(自分が社会に対してどんな貢献ができるのか)を育んでいます。研究をやる前の自分と今の自分を比べてみると、やはりどこかが違っているはずです。皆さんの先輩たちがそれを証明してくれています。自信を持って課題研究に取り組んでください。


【高2の発表】










*高2は、高1の時にグループ研究を行っており、その体験を踏まえて、個人研究として、新たに研究テーマを設定しました。また、研究の過程で、全員が必ず研究に関する先行研究の原著論文を読んでおり、研究やポスターの内容に深まりが見られました。
*確かに、今年度は十分なフィールドワークは行えませんでしたが、それでも、研究の内容としては、例年以上のものがたくさんあり、皆さんの努力の跡が感じられました。ポスターの出来栄えも良く、質疑応答にも自信を持って自分の言葉で答えていました。生徒の質問も研究の核心をついていました。

*また、各会場の先生方の講評のコメントが素晴らしく、感動しました(これは高1の発表会でも同様です)。5年間のSGH活動を通して、すべての先生方が生徒の課題研究の伴走者として支える体制ができていることを実感しました。生徒と先生方で作り上げた素晴らしい研究発表会でした。お疲れさまでした。

身近な風景 ~立春

2月3日(水)は立春でした。1985年以来、立春は2月4日が続いていましたが、今年は37年ぶりに2月3日になりました。暦の上では、春の始まりであり、1年の始まりとされる日です。正門付近の「しだれ梅」もだいぶ咲いてきました。

ところで、なぜ、今年は立春が2月3日になったのでしょうか?
立春は、中国で生まれた「二十四節気」に基づくもので、1年を4つの季節に分け、さらにそれぞれの季節を6つに分割しています。

四季の最初の日が、立春、立夏、立秋、立冬で、その前日が、節分になります。つまり、節分は1年に4日あります。季節の変わり目を知らせる日ですが、立春の前の日の節分は、1年(四季)の最後の日なので、重要な節目ともなっています。今年は2月2日が節分でしたね。

現在では、国立天文台の観測によって、「太陽黄径が315度になった瞬間が属する日」を立春としています。



以上は、「てんきや」コラムより(https://www.84p.net/tenkiya/)を参考にしました。


二十四節気は、この太陽黄径が何度になるかによって、すべて決められています。
国立天文台のHPでは、以下のように、今年(令和3年)の二十四節気の日時などが公開されています。(https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2021/rekiyou212.html)


春.pdf
これによると、今年の立春となった瞬間は、2月3日の23時59分ですので、1分の差で、立春が2月3日になったことがわかります。
ちなみに、次に2月3日が立春になるのは、2025年だそうです。

【中2・3】シンカゼミ発表会(オンライン授業参観)

2月2日(火)6,7限目、中3生の「シンカゼミ」の発表会(オンライン授業参観)がありました。中2生も来年、自分たちがどんな研究をするか参考にするため、発表を見学しました。

「日本の着物文化を再び Let's 和服のアップデート」


シンカゼミは、3年生が、総合的な学習の時間に、「環境・郷土」・「職業・産業・福祉」・「伝統文化・国際理解」の3つの分野の中で、課題を設定し、1年間をかけて研究に取り組んできました。発表は6会場に分かれ、各グループ15分間で行い、その様子を保護者にもZoomで配信しました。

保護者には、各グループの発表する時間帯を事前にお知らせしていたので、お子さんの発表する時間帯を中心に参加されていたようです。常時、各会場とも10名程度、6会場で60名程度が参観されていました。(写真は、6会場の映像をモニタリングしているところです。)
*一部、音声がミュートになっていて、映像のみとなってしまった会場がありました。申し訳ありませんでした。

本日は、同時間帯に高1、高2の「課題研究発表会」がそれぞれ開催されていましたので、シンカゼミについては、いくつかのグループの発表を見学しました。






6限目、7限目それぞれ3グループの発表が終わると、まとめて質疑応答の時間があり、質問も回答も熱心に行われていました。


生徒たちは各グループの発表に対して、ルーブリックという評価表を用いて、点数化して評価します。その結果を使って、各分野の代表1グループを決定します。選ばれたグループは、3月3日のSGH成果発表会で発表することができます。

オンライン授業参観ということで、生徒たちは保護者の存在を意識しながら、緊張した面持ちで発表をしていました。パワーポイントをうまく使って分かりやすくまとめられており、内容的にも良かったと思います。

【高3】クラゲノート

2月1日の朝、高3の柏瀬萌羽さんが、自作した「クラゲノート」を持ってきてくれました。

柏瀬さんは、附属中1年生の時に、新江ノ島水族館を訪れ、そこでクラゲに出会いました。それ以来、クラゲに興味を持ち、中3のシンカゼミでは、クラゲをテーマに研究し、大学もクラゲの専門家のいる大学の海洋生命科学科を受験し合格しました。そこで、卒業までの自らの課題研究として、クラゲに関して、知りえたこと、興味あることを掘り下げ、「クラゲノート」を作成しました。

クラゲノート(全27ページ)は、以下のような構成になっています。
1 研究の動機、目的
2 研究の内容
  ①クラゲの基本(クラゲの分類、体の名称・器官、生活史等)
  ②ポリプの繁殖力
  ③クラゲを利用する生物(摂食、防御、盗刺胞)
  ④クラゲと泳ぐ
  ⑤クラゲと環境変化(地球温暖化、富栄養化、海洋プラスチック)
  ⑥クラゲの年齢(日齢)
  ⑦不思議なクラゲ(不思議な生態)
3 感想・展望





すべて、手書きというのが柏瀬さんの人柄が表れていて、とてもいいと思いました。
また、スケッチもわかりやすく丁寧に描かれています。色もきれいです。


柏瀬さんによると、これからも自分だけの「クラゲノート」を更新させていくそうです。大学での、クラゲ生活が楽しみですね。頑張ってください!

【速報】HPDU連盟杯ディベート大会県優勝!

1月31日(日)にオンラインで行われた「第10回HPDU連盟(日本高校生パーラメンタリーディベート:High School Parliamentary Debate Union of Japan)杯栃木県予選」で、本校生のチームが、見事優勝しました。

優勝したのは、佐高Bチームの石塚凜花さん、片栁賀那さん、横塚功樹君の1年生チームで、佐高Aチームの岡部豪太君、川俣蒼生さん(以上、2年生)、藤田菜摘さん(1年生)のチームは、勝敗数では同率2位でしたが、総合成績で5位となりました。

この大会は、即興型の英語ディベート大会の中でも、最高峰と言われる大会です。
全国大会、そして世界大会にもつながっているため、世界大会方式で行われます。


即興型なので、試合開始20分前に論題と、肯定側か否定側かが発表になり、20分間で論理構成と、それを伝える「一人5分間の英語スピーチ」(スピーチ時間は、ヘンダ(準備型)で4分、他の即興型では2~3分です)をそれぞれが考えなければなりません。

さらに、全国大会では帰国子女や3年生も自由に参加することができ、それに向けて「最強のチーム編成」で臨むことができます。この過酷な試合に参加した学校は、宇高、宇女高、宇東高、大田原高、大田原女子高、作新学院高、佐野高の7校で、それぞれ2チームをエントリーしました。

本校は佐高Aチーム(2年生と1年生のチーム)、佐高Bチーム(1年生のみのチーム)で挑みました。

佐高Aチーム 
第1試合:大田原高(〇)
第2試合:宇高A(△)
第3試合:宇女高B(△)
第4試合:宇女高B(△)
*勝率では同率2位でしたが、個人の得点などで総合5位でした。

佐高Bチーム
第1試合:宇女高A(
第2試合:宇女高A(
第3試合:宇高B(
第4試合(決勝戦):宇高A(
*宇高、宇女高に勝利し、名実ともにNo.1となりました。

*2チームとも、宇高、宇女高といった強豪に一歩も引けを取っていません。素晴らしい戦いぶりです。

それでは、どんな論題が出されたのでしょうか?(日本語で紹介します)

第1試合「生徒が先生を選べるようにすべきである。」
第2試合「社会保障は、お金ではなく、物にした方が良い。」
第3試合「公務員のストライキ権を認めるべきである。」
第4試合「自殺を美化した芸術は禁止すべきだ。」

いずれも難問揃いですね。例えば、第4試合(自殺を美化した芸術)では、どのような戦いが繰り広げられたのでしょうか。簡単に再現してみましょう。

→優勝した佐高Bチームは、肯定側になったので、20分間で、次のように肯定側立論を考えました。
・自殺は罪である。
・禁止することで自殺者を減らすことができる。
・「表現の自由」よりも「公共の福祉」を優先させるべきである。

→これに対して、対戦校からは、次のような否定側立論がありました。
・自殺に関する「芸術」よりも自殺に関する「報道」の方が影響が大きい。
・「自殺」に関する芸術よりも「戦争」に関する芸術を禁止すべきである。

→これらの否定側立論に対して、佐高Bは、次のように反駁しました。
・「報道」の影響があることは否定していない。しかし、自殺を美化することで、自殺を肯定してしまう影響は確実にある。
・戦争は自分一人でできるものではないが、自殺は個人の問題なので、個人に対する影響は大きい。

この結果、ジャッジからより高い評価をいただきました。相手に応じた対応を瞬時に判断し、英語で説得するわけですから、「最難関の大会」というのもうなずけます。

全国大会は、3月21・22日に東京で行われます(オンライン開催となる可能性もあります。)

最後に、今大会に参加した佐高チームの面々の感想です。

佐高Aチーム
岡部君「去年は、宇高、宇女高、宇東高といった3強とは力の差を見せつけられましたが、今年は宇高Aと引き分けることができたのが大きいです。」

川俣さん「去年は1回戦で負けてしまったため、後半で強いチームに当たることすらできませんでした。しかし、今年は3強と戦うことができ、佐高の強さを実感しました。」

藤田さん
「Aチームに選ばれたのは初めてだったので緊張しました。今までは、3強と当たると、当たっちゃったと思いましたが、これからは佐高を含めた4強の時代なんだなと思いました。」

佐高Bチーム
石塚さん「ディベートの歴史が浅い佐野高校がここまでやれたのは、先輩やチームメイトの存在が大きいです。今までの練習が間違っていなかったことがわかりました。」

片栁さん
「ジャッジが東大や慶応の専門の方で、そうした方から、反論の仕方が良かったなどと認めていただいたことが嬉しかったです。」

横塚君「宇高や宇女高の2年生と対戦し、うまくいったときの「よっしゃ!」という感覚が忘れられません。」


*次回(いつになるかはわかりませんが…)は、SGHクラブディベート班が、なぜこんなに強くなったのか、その謎に迫ります!