校長室便り

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いじめ・教育相談アンケート結果(2月)

2月1日に実施した中高の全生徒を対象に実施した「いじめ・教育相談アンケート」の集計結果について、個人情報に配慮した形で公表いたします。


本アンケートは、いじめをゼロにすることを目指すものではなく、いじめは、いつ、どこでも、だれにでも起こりうるもの、であることから、その早期発見、早期対応を目的としています。
スクールカウンセラーや教員等との面談の希望がある場合には、即座に対応しています。

今回は、中高ともに「いじめてしまった」「いじめられた」と回答した生徒はいませんでした。また、「友達がいじめられていると感じた」と回答した生徒は、中1で2名いましたので、本人や関係者などから話を聞くなど対応をしています。

附属中では、生徒が毎日提出する「生活ノート」を通して、担任が生徒同士のトラブルや、いやな思いをしたことなどについて相談に乗るなど、さまざまなチャンネルから、いじめの早期発見・早期対応に努めています。

*なお、今回のアンケート結果については、本HPのメニューにある「いじめ・教育相談アンケート」に収納しています。

2月8日以降の教育活動について

*本県は令和3年1月14日以降、国の緊急事態宣言の対象区域となっていたところですが、2月7日をもって、対象区域から除外されることとなりました。
 つきましては、2月8日以降の県立学校の教育活動については、下記の事項に留意するよう県から通知がありました。

1 引き続き感染防止対策を徹底する。
2 感染リスクの高い教育活動は実施しない。
3 部活動は、平日の放課後の活動を90分以内とし、週休日の活動を可とする。なお、他校との練習試合、合同練習等は中止する。


新型コロナウイルス感染症への対応に係る県立学校における教育活動の指針

地域の感染状況を踏まえた県外の教育活動の実施について」(2月4日)
  県外での教育活動の実施について.pdf

*今回示された上記の指針や考え方、判断基準等をもとに、本校で計画している県外での教育活動(中学の林間学校、イングリッシュキャンプ、高校の修学旅行等)の実施の可否及び内容等について、県と相談しながら決める予定です。

【中2】数理探究 ~測ることで見えてくるもの

2月4日(木)5.6限目、中学2年3組の「数理探究(理科分野)」(中村先生)がありました。今回のテーマは「測ることで見えてくるもの」、ノギスを使っていろいろなものを測ってみました。

ところで、皆さんは「ノギス」を知ってますか?
ノギスは長さを精密に測定する道具で、1mmより小さい単位(例えば、0.05mm単位)で測ることが出来ます。1631年にフランスの数学者ピエール・ヴェルニエによって発明されました。主尺と副尺の目盛りの組み合わせで、細かい長さまで測定できます。


授業では、まず、ノギスの使い方をマスターし、実際にいろいろなものの長さを精密に測ってみました。スライドガラスの厚さや1円玉の直径、パイプの外径・内径、さらには、アルミホイルの厚さを測ります。


しかし、アルミホイルは薄すぎて、ノギスと言えども、1枚の厚さは測れません。そこで、測り方を工夫します。ほとんどの生徒は、アルミホイルを折って重ねて厚くして測り、その長さを重ねた枚数分で割ることで、求めていました。


最後は、発展問題で、アルミニウムとガラス(ビー玉)の密度(単位体積当たりの質量)を求め、同じ体積で比較したとき「どちらが重いか」を求めます。
球の体積は公式にあてはめて求め、質量は電子天秤を使います。



生徒たちのレポート(プリント)を見ると、ガラスの密度はほぼ正確に求められていましたが、アルミニウムの密度はかなり低く(正解の半分以下の数値でした)出ていました。実はここで、なぜそうなったかを考察することが、とても重要です。その原因を推測し、仮説を立て、それを検証することで、正解の値に近づくことができます。(実験が出来なくても、思考実験で考えてみましょう)


*最後に、生徒の皆さんの感想です。
「これまでで一番楽しかった。密度などを協力して求めるのが楽しかった。達成感がすごかった。」

「ガラスの密度はおおよそ正確に測ることができた。アルミホイルで出た誤差は厚みからであると考える。道具を正確に扱うのは難しいと思った。」

「今日はノギスを使って長さを測ることができた。計算によるアルミの密度は1.3g/cmだったが、実際には2.7g/cmだった。そうなった理由としては、ノギスで厚さを測るときに、空気が入ってしまったこと、アルミホイルが、正しく25cm×20cmでなかったことが考えられる。ノギスの原理を詳しく知りたいと思った。ピエールさんのことも。」

「ノギスという道具を使って、小さな単位まで長さを測ることができた。ペアの人と協力して密度が求めることができた。とても頭を使ったがすごく楽しかった。」

「ノギスは正確に測れるはずだったが、けっこう難しくて苦戦しました。」

*ノギスという道具を使いこなすのは、なかなか難しかったようです。しかし、この授業の目的は、ノギスを使えるようにすることではありません。将来、ノギスを使う機会は、特殊な仕事以外おそらくゼロでしょう。また、最近は長さがデジタル表示される「デジタルノギス」も安価で売られていますので、苦労して目盛りを読むこともないでしょう。
*今回の「数理探究」は、まさに探究のツールとしてノギスを使いました。こうすれば測れるはず、誤差が生じた理由、それを解消する手立て、そういったことを考えるプロセスが、探究には欠かせないことを実感することこそが目的でした。まさに、「測ることで見えてくるもの」を感じて欲しかったのです。この目的が達成されたかどうかは、生徒それぞれで違いはあると思いますが、すくなくとも、この時間を楽しいと感じてくれた生徒が大勢いたことは嬉しかったです。



【高1・2】課題研究発表会

2月2日(火)・3日(水)の5~7限目、高1および高2の課題研究発表会を行いました。今年度は、新型コロナの影響で、各学年ともグループ研究ではなく個人研究を行っており、2日間かけて、全員が発表しました。

研究発表会は、以下のような方法で行いました。

①生徒は、研究のポスター(A4サイズ)を作成し、各会場の人数分用意し配布します。
②発表者は、ポスターを使って4分間の発表を行い、2分間の質疑応答の後、各会場の担当の先生2人から講評を受けます。
③会場の生徒は、ルーブリックにより発表の評価をします。
④最後に、QRコードを使用し、グーグルフォームで、各発表者の評価を入力します。

【高1の発表】










*今回はグループ研究ではなく個人研究だったので、すべて一人でやらなければならないため、大変だったと思いますが、それぞれが、自分の興味・関心に基づいてテーマを設定し、研究に挑戦していました。
*研究内容については、まだまだ手探りという印象はありましたが、発展の可能性が感じられました。面白い研究テーマを設定し、今後の深まりが期待できる内容のものがたくさん見られ、頑張っているなと感心しました。
*一方、個人研究だったので、他人には頼れず、不安も多かったと思います。最初に考えた研究テーマがうまくいかず、別なテーマに変わったケースも多く、これで本当にいいのかなと思ったり、研究なんてやりたくないと思ったりしたことのある生徒が、実はほとんどだったのではないかと思います。
*しかし、研究は最初にこれをやってみようと考えたことが、そのまますんなりいくことは、普通はありません。テーマが壮大すぎたり、実証が不可能だったり、いろいろな壁にぶちあたり、だんだんと変わってきます。実は、研究のテーマが変わってきたということは、研究が進んでいることでもあります。
*課題研究での体験は、単なる知識や技能の習得だけでなく、答えが一つとは限らない研究を通して、思考力や判断力、表現力といった、これから必要とされる学力を高めてくれています。さらに、知らず知らずのうちに、皆さんがこれからの社会を生きる上での高い志(自分が社会に対してどんな貢献ができるのか)を育んでいます。研究をやる前の自分と今の自分を比べてみると、やはりどこかが違っているはずです。皆さんの先輩たちがそれを証明してくれています。自信を持って課題研究に取り組んでください。


【高2の発表】










*高2は、高1の時にグループ研究を行っており、その体験を踏まえて、個人研究として、新たに研究テーマを設定しました。また、研究の過程で、全員が必ず研究に関する先行研究の原著論文を読んでおり、研究やポスターの内容に深まりが見られました。
*確かに、今年度は十分なフィールドワークは行えませんでしたが、それでも、研究の内容としては、例年以上のものがたくさんあり、皆さんの努力の跡が感じられました。ポスターの出来栄えも良く、質疑応答にも自信を持って自分の言葉で答えていました。生徒の質問も研究の核心をついていました。

*また、各会場の先生方の講評のコメントが素晴らしく、感動しました(これは高1の発表会でも同様です)。5年間のSGH活動を通して、すべての先生方が生徒の課題研究の伴走者として支える体制ができていることを実感しました。生徒と先生方で作り上げた素晴らしい研究発表会でした。お疲れさまでした。

身近な風景 ~立春

2月3日(水)は立春でした。1985年以来、立春は2月4日が続いていましたが、今年は37年ぶりに2月3日になりました。暦の上では、春の始まりであり、1年の始まりとされる日です。正門付近の「しだれ梅」もだいぶ咲いてきました。

ところで、なぜ、今年は立春が2月3日になったのでしょうか?
立春は、中国で生まれた「二十四節気」に基づくもので、1年を4つの季節に分け、さらにそれぞれの季節を6つに分割しています。

四季の最初の日が、立春、立夏、立秋、立冬で、その前日が、節分になります。つまり、節分は1年に4日あります。季節の変わり目を知らせる日ですが、立春の前の日の節分は、1年(四季)の最後の日なので、重要な節目ともなっています。今年は2月2日が節分でしたね。

現在では、国立天文台の観測によって、「太陽黄径が315度になった瞬間が属する日」を立春としています。



以上は、「てんきや」コラムより(https://www.84p.net/tenkiya/)を参考にしました。


二十四節気は、この太陽黄径が何度になるかによって、すべて決められています。
国立天文台のHPでは、以下のように、今年(令和3年)の二十四節気の日時などが公開されています。(https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2021/rekiyou212.html)


春.pdf
これによると、今年の立春となった瞬間は、2月3日の23時59分ですので、1分の差で、立春が2月3日になったことがわかります。
ちなみに、次に2月3日が立春になるのは、2025年だそうです。