校長室便り

校長室便り

身近な風景 ~マムシ

2020年11月3日(祝)朝8時頃、佐野市船津川町の渡良瀬川河川敷にあるボート部の練習場付近で、マムシがとぐろを巻いていました。
(以下、ヘビの写真(轢死体を含む)などが出てきますので、苦手な方はスルーしてください。)




この日は、中3の修学旅行の初日で、東京に向かう東北新幹線に乗っている時、ボート部が練習をおこなっている場所から、佐野東高の増田先生とのラインでこの写真と動画が送られてきました。気温が低いせいか、棒でつついてもあまり動かなかったそうです。この時期にマムシを見かけることは珍しいのではないかと思います。


私は「栃木県自然環境調査業務(レッドリスト)の調査員」として、主に休日などは県内の両生類や爬虫類の調査をしています。次期レッドデータブックの策定に向けて、今年度は特にヘビ類の調査を重点的に行っています。

写真の「ニホンマムシ(正式な和名、通常はマムシで通じます)」は、毒蛇として悪者扱いですが、マムシ自身が危険を感じない限り、わざわざ人間を襲ってくることはありません。実は、本県のレッドリストでは「準絶滅危惧種」に指定されていて、水田、森林などの開発による生息地の喪失などにより、以前より数が減少しています。

ヘビは探そうと思っても生きた個体に偶然出会う確率はそう多くはなく、有力な調査手法は、車に轢かれた死骸(ロードキル)を見つけたら記録する、という方法です。

例えば、今年10月11日(日)、私が佐野市富士町付近を散歩していた時、アオダイショウの幼蛇(今年生まれた個体)の轢死体を発見しました。散歩にはこういった楽しみもあります。このような写真が動かぬ証拠となって、レッドデータブックの情報が蓄積されていきます。幼蛇の場合、種の判定が難しい場合もあるので、こうした写真は、知り合いのヘビの専門家に送って鑑定してもらいます。

アオダイショウの幼蛇(カメラキャップの直径は4cmです)


そんな中、昨日(11月20日)夕方、科学部の1年生、熊倉さんが自宅の庭にいた「ニホンマムシ」の幼蛇の死骸を校長室に持ってきてくれました。

科学部の熊倉さん(左)と付き添いの小林さん(右)

熊倉さんの話によると、家の庭で飼い猫がマムシを見つけて踏んずけていたところ、怒った蛇が猫の足に噛みついたので、それを見ていたお母さんが慌ててマムシをやっつけたそうです。ちなみに、猫の足は腫れましたが、命に別状はなかったということでした。(飼い猫、熊倉さん、熊倉さんのお母さんに感謝いたします。)

そこで、生物室に持っていき、科学部部長の戸室さんと詳細に観察しました。

全長23cmのニホンマムシの幼蛇です。

実は、こういった地道な情報が、レッドデータブックの拠り所になっていて、自然環境について考える際のエビデンス(証拠)となっていきます。「昔はいっぱいいたんだよ」という曖昧な記憶は、サイエンスとしてのエビデンスにはなりません。

そこで、皆さんにお願いですが、どこかで、ヘビ(ロードキル個体)などを見かけたら、写真にとって校長室まで持ってきてくれると大変嬉しいです。(写真にとりました、という情報だけでも大歓迎です。)おそらく、今日以降に見つかれば、(寒いと活動しなくなるので)県内では最も遅い確認記録となるでしょう。
よろしくお願いします。

いじめ・教育相談アンケート結果(11月2日実施)

11月2日に実施した中高の全生徒を対象に実施した「いじめ・教育相談アンケート」の集計結果について、個人情報に配慮した形で公表いたします。

本アンケートは、いじめをゼロにすることを目指すものではなく、いじめは、いつ、どこでも、だれにでも起こりうるものであることから、その早期発見、早期対応を目的としています。
スクールカウンセラーや教員等との面談の希望がある場合には、即座に対応しています。

R2.11.2 いじめ・教育相談アンケート結果(中学).pdf
R2.11.2 いじめ・教育相談アンケート結果(高校).pdf
R2.11.2 いじめ・教育相談アンケート自由記述.pdf

今回の調査で、「いじめられた」「友達がいじめられていると感じた」という生徒はいませんでした。また、スクールカウンセラーや担任との面iji談を希望していた高校生2名ずつには、面談日時を調整しました。

自由記述欄については、担任だけでなく、生徒指導部長、教頭、校長が全生徒の回答に目を通し、生徒の心身の健康状態の把握に努めています。



*なお、今回のアンケート結果については、本HPのメニューにある「いじめ・教育相談アンケート」に収納しています。

高3フードデザインの授業見学 ~実技テスト

今日のフードデザインの授業は、パフォーマンステスト(実技テスト)が行われました。課題は「涼拌三絲(リャン・パン・サン・スー)」で、様々な観点から評価しています。

実技テストの評価の観点は以下の通りです。

①きゅうり、たまご、ハムの千切り
②薄焼きたまごや春雨の加熱ぐあい
③盛り付け
④味
⑤時間(25分以内)

生徒(17名)は、前半後半に分かれて、一人ずつ手際よく調理を行っていました。





森戸先生にお聞きしたところ、細くきれいに切れているか、春雨に火が通っているか、薄焼きたまごがきれいに焼け、くっつかないで切れているかどうかが、評価の分かれ目だそうです。

*前々回に作ったときより、はるかに手際よく調理できていたようです。(家でも練習してきた生徒がいたのではないでしょうか。)生徒たちは、終始、緊張した面持ちで、調理を進めていましたが、全員が時間内に完成し、自分たちのできばえにも満足していました。皆さん、お疲れ様でした。

模擬国連、参加報告!

11月14日(土)、15日(日)にオンラインで開催された「第14回全日本模擬国連大会」に高1の石塚凜花さんと関根圭太君が参加しました。

担任の久保田先生と校長室に報告にきてくれました。


今年度の議題は「宇宙利用」で、論点は以下の2つに設定されました。
1. すべての国の利益のための宇宙利用  2. 持続可能な開発と宇宙

参加者は、各国の大使として、自国の利益となるよう、国際協調に向けて、建設的な議論・交渉を行い、最終的には具体的な成果文書を採択します。

本校から参加した2人は、「ルクセンブルク」の大使として、模擬国連に参加しました。

(参加者全員。模擬国連を主催しているグローバル・クラスルームのHPより転載)

今回の模擬国連の議題では、「発展途上国」と「先進国」という利害が対立する中、それらの2つを溝を埋める役割として、ルクセンブルク、日本、ベルギー、韓国、などとともに「中間国」というグループをつくり、「発展途上国」と「先進国」の双方を納得させる提案を行う、という形で議論が進んでいったそうです。

ルクセンブルクの2人は、「発展途上国」や「先進国」の国々と個別に交渉し、両者がかみ合った政策を作っていくことに尽力しました。

以下のようなことが2日間かけて行われました。

1日目:9:45~18:30
3つのグループ(発展途上国、先進国、中間国)ごとに、政策の方針を立て、法律を作り、本部に提出しました。

2日目:9:45~17:00
3つのグループの政策を中間国がすり合わせていきます。各国の大使と個別にアポを取り、説得していきます。最後に、中間国の提案により成果文章を採択しました。

こうした作業を2日間延々と、日本語や英語を交えて議論していくそうです。凄い世界です。例えていうと、高校野球で県大会1回戦に出場するつもりだったのが、出てみたら、いきなり甲子園だった、といった印象だったそうです。

2日間の模擬国連で目覚ましい活躍すると、最優秀賞や優秀賞が与えられるますが、最優秀賞は、灘高校(Japan大使)と渋谷教育学園渋谷高校(Nigeria大使)でした。

さて、栃木県から唯一参加した本校の2人は、模擬国連をどう感じたのでしょうか。
→「今回はディベートの大会の時期と重なっていたので、正直、十分な準備ができませんでした。そもそも、何を準備していけばよいのかもわからない状態で当日を迎えました。参加している学校は、毎年出場している常連校が多く、先輩たちからこんな提案をするといい、といったアドバイスがある中、こちらは全くの手探り状態で2日間をなんとか乗り切った、という感じでした。グローバルってこういうことなんだ、と実感しました。また、交渉力が重要だということがよくわかりました。
今の気持ちを言葉で表すと、「悔しい!」その一言に尽きます。今から、来年に向けてがんばりたい。来年はこんなもんじゃない。」

閉会式にズームで立ち会った久保田先生はこんなことを言ってくれました。
→「2人の生徒は、全国のトップクラスの優秀な生徒たちと互角にやっていた。今まで優秀な生徒をたくさん見てきたが、ここまでやった生徒は見たことがない。担任として誇らしく感じた。」

*まず、過酷な2日間をやりぬいた2人の頑張りに敬意を表します。そして、もうこりごり、と退散するのではなく、「悔しい、来年は見てろよ」という前向きな気持ちでいることに、一回り成長した姿を感じました。こういう生徒が増えてきたことが、本当に嬉しいです。今後も、心から応援します。

第3回 全国高校生SRサミットに参加!

11月14日(土)~15日(日)、立命館宇治高校主催の「第3回 全国高校生SRサミット~FOCUS~」が、Web上で開催されました。オンライン大会のため、参加校が大幅に増えました。今大会には、全国から50校程度、海外から30校程度が参加しています。本校からは4チームが参加しました。

立命館宇治高校は、本校と同様にSGHに指定されていましたが、SGH期間終了後は、文科省からWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)に指定されています。

本大会は、「各校が自分たちの研究成果を発表する」のではなく、「1グループ5名程度の混合グループを編成し、各プロジェクトについてどのような発展可能性があるかを検討し、各グループでプロジェクトを練り直して発表する」という内容です。

つまり、各チームのメンバーはばらばらに分かれ、他校との混合グループの一員となります。チームリーダーは、自分たちの研究内容を混合グループのメンバーに説明し、それをみんなでブラッシュアップします。一方、チームのリーダー以外は、それぞれが所属する混合グループの一員として、そのプロジェクトの検討に加わります。

このイベントの目標は、「各校の実践を共有し生徒が主体となり知恵を混ぜ合う機会を提供する」ということだそうです。

このため、2週間前から、4,5名からなる「混合チーム」が結成され、ズームを使って、グループのリーダーが説明するプロジェクトの内容を全員が共有します。

14日(土)は、混合チームで、自分たちのプロジェクトのブラッシュアップを行います。グループによっては、夜遅くまで、ズームで議論が続いていたそうです。

15日(日)は、各グループのプロジェクトを発表します。

実に壮大な協働作業ですね。

それでは、本校から参加した4チームを紹介します。

SGHクラブ海外班グループ1
→リーダー:相田さん(2-1)、
 メンバー:内田さん(2-2)、大嶋さん(2-3)
 テーマ:「自主的・自立的な学習の実現~自己評価ツールとしてのルーブリック開発」
 リーダーのコメント:
「他校の生徒の考え方が刺激的でした。賛成、反対、それぞれ自分の考えを述べ合うことで、プロジェクトの内容が深まりました。」

(左:1日目、右:2日目終了後、以下同じ)

SGHクラブ海外班グループ2
→リーダー:出井くん(2-4)
 メンバー:原くん(2-4)、山本くん(2-4)
 テーマ「マレーシアの高校生と考えるゴミ分別について」
 リーダーのコメント:
「どの高校も自分たちの研究を発表するだけでなく、実際に行動に移し、そこから改善しようとしているのが凄かった。初めて出会ったメンバーに何をどのように伝えればディスカッションできるか勉強になりました。」


SGHクラブ国内班
→リーダー:猪瀬くん(2-3)
 メンバー:青山くん(2-4)、赤塚さん(2-2)、岩地くん(2-1)
 テーマ:「減災を主体としたまちづくり」
 リーダーのコメント:
「他校の生徒から、避難難民(外国人、妊婦、障がい者など)の存在など、今まで気が付かなかった視点に気付くことができました。」


SGHクラブ・スリランカ班
→リーダー:長島さん(1-3)
 メンバー:三田さん(1-2)、林さん(1-3)1日目のみ参加
 テーマ:「ズームを使ったスリランカの放課後教育支援」
 リーダーのコメント:
「今回、リーダーとして他校生に自分たちのプロジェクトを説明したり、内容を練り直すことを通して、とても勉強になりました。」