お知らせ

2025年9月の記事一覧

SSHクラブ化学班が高校生ポスター優秀賞を受賞

 9月25日(木)にSSHクラブ化学班の「大谷石グループ」「表面積グループ」の2グループが、日本金属学会2025年秋期講演大会の第14回高校生・高専学生ポスターセッションに参加しました。

 オンライン参加でしたが、日頃の研究の成果を発表し、大学の先生方や研究機関の方々、全国の高校生と質疑応答を通して交流することができました。今後は当日いただいたアドバイスを基に、さらに研究活動に取り組んでいきます。

 終了後、大谷石グループが、高校生ポスター優秀賞をいただきました。令和4年度の表面積グループ以来の受賞です。

 貴重な発表の機会をいただきありがとうございました。日本金属学会の関係者の方々にお礼申し上げます。

 

授業実践事例 美術×化学

本日は、1年次生の美術選択者を対象に、美術と化学の教科横断・分野融合の授業が行われました。

美術の絵画で使う絵の具の顔料について,化学の観点から実験を通してその合成や性質について学び,さらに合成した顔料から実際に絵の具をつくって塗ってみるまでを行いました。

授業は,まず顔料や色素について簡単に触れた後,ゴッホの「ひまわり」で用いられているクロムイエロー,北斎や広重の浮世絵に使われているベロ藍(ベルリンブルー)の紹介と,合成を行い,続いて,ジンクホワイトの白色顔料である亜鉛華(酸化亜鉛),神社の鳥居などに用いられる赤色顔料である弁柄(酸化鉄(Ⅲ))について,酸やアルカリとの反応実験を行いました。最後に,これらの顔料に含まれている鉛,鉄,亜鉛のイオンと硫化水素など硫黄との反応を見ました。そして,顔料として市販されているベロ藍とカドミウムイエローにオイルを加えて油絵の具をつくり,実際に塗る作業を行いました。

2時間目は、顔料に混ぜて絵の具をつくるための展色材の役割とその種類について学習しました。さらに、岩絵の具や水干絵の具に膠(にかわ)を混ぜて日本画の絵の具をつくり、塗ってみる実習も行いました。

 生徒たちからは「実験や実習を通じて,絵の具の性質がわかった」,「絵の具のつくられ方が理解できた。」などの感想が得られました。この授業が,様々な視点や,視野の広がりを持つ機会になればと思います。

 

授業実践事例 化学×政治経済

本日は、理系の政治経済選択者を対象に、化学と政治経済の2名の教員による教科横断・分野融合の授業が行われました。

公害問題の原因物質を化学の面から考えることで公害問題の理解を深め、さらに、同時期に開発されたイオン交換膜法を取り上げ、新しい技術が社会情勢と学術的成果に後押しされて発展してきたことを学びました。後半は、同様に新しい技術が社会を大きく変化させた例を考えたり、現代の課題を解決するための新しい技術(アイデア)を自由に発想したりするグループワークを行いました。

また、公害問題に関連して、本校卒業生の宇井純先生や石牟礼道子さんの書籍も紹介し、地球環境や生き物に配慮しつつ科学技術を開発・利用していくことの大切さを改めて考える機会としました。

(参考文献) 『水俣病の科学』西村肇・岡本達明著(日本評論社)​

       『化学史への招待』化学史学会著(オーム社)​

                      『石牟礼道子 苦海浄土 ~悲しみのなかの真実~』(NHK出版)

1年次 課題研究Ⅰ 研究計画書作成②

 夏休みに先行研究2本と先輩の研究1本を調べ、研究テーマを考えることを行っていました。今日からは、夏休みの先行研究調査を踏まえ、これから行う研究のテーマや問い、仮説、検証方法など計画を考えていきます。新しく自身の気になることについて研究する予定の生徒もいれば、先輩の研究から、より深堀して研究する予定の生徒も見られました。

マレーシアの高校生と共同研究に関するオンライン交流

交流を続けているマレーシアのロッジ国民中等教育学校の生徒とSSHクラブ国際研究班の生徒がオンライン交流を行いました。

 お互いに1年次生の新メンバーの生徒が加わり研究しており、まずは自己紹介やグループに分かれての交流、情報交換を行い、その後、全体では実験結果の報告をしました。

 現在、国際研究班では土壌微生物電池の研究を行っています。2025年1月に実施したマレーシアでの海外研修で、土壌微生物電池をテーマとした共同研究を行い、現在でも同テーマで継続的な研究をお願いし、実験器具等も提供しました。今回のオンライン交流では、ロッジ国民中等教育学校で実施してくれた土壌微生物電池の実験結果を報告してくれました。 

 これまでのオンライン交流やSSHマレーシア海外研修、ボストン研修を経験してきた2年次生の英語力・コミュニケーション力は確実に向上しており、1年次生をリードする姿が頼もしいです。

 引き続きお互いに実験を進め、10月の発表会ではそれぞれが研究発表する予定です。