農業土木科日誌

高校で農業土木を学ぶ

 高等学校の農業土木科で学ぶ内容は、かつての農地開発や農村整備といった農業生産に関する土木だけではなく、私たちの暮らしを豊かにするような土木技術や、人間以外の生物・地域環境に配慮した環境工学まで幅広く学習します。

 そもそも「土木」という漢字の語源は、中国史にある〈築土構木〉という四字熟語であり、「人々の幸福に資する倫理的行為」を意味するそうです。さらに、土木は英語で「 civil engineering 」と訳され、別名「市民工学」ともいいます。なんだか難しく感じますが、一言でいえば「人や自然環境の役に立つ知識や技術」を習得することを目的としています。栃木農業高校農業土木科で学ぶ科目には以下のものがあります。

農業と環境…農作物の栽培や動物の飼育、環境と農業の関わりについて学ぶ
測量…測量器械を使っての実習や測量結果の計算処理について学ぶ
農業情報処理…情報モラルやPC操作、CADについて学ぶ
総合実習…機械・製図・測量など班別実習を行う
課題研究…各自各班で設定した課題解決学習を行う
水循環…水環境や農業における水や土の役割について学ぶ
農業土木施工…土木工事や各種施工について学ぶ

農業土木設計…土木工事のための力学や設計について学ぶ
選択:測量…高度な計算や応用測量、測量士補試験対策について学ぶ
選択:
林産物利用…木材加工や森林生態系について学ぶ

選択:環境緑化材料…樹木やグラウンドカバーなど緑化材の生産について学ぶ

 土木や農業土木は大学から学ぶという方が多いようですが、地域の課題に即した学習内容や実際の実習経験など、高校からならではの利点もあります。近年は、インターンシップでお世話になった建設会社や造園会社に即戦力として入社したり、大学や専門学校でさらに深化した内容の土木を学びたいという生徒も増えてきました。