日誌

2024年9月の記事一覧

進路室コラム28

この問題はおもしろい

先日、宮城教育大学の先生が

学校案内等の資料を持って訪ねて来られました。

その資料の中に今年の入試問題が含まれていて、

おもしろい問題が載っていたので紹介します。

 

(ここから問題)

「資料1は、過去約30年間の世界の企業の時価総額ランキングの変化を示しています

(時価総額とは、「株価×発行済株式数」で求められ、時価総額が大きいほど、会社の価値が高いと評価されます)。

あなたが教員になると、今からおよそ30年後の2050年代に社会人となる児童・生徒を指導することになります。

この児童・生徒に、どのような力を身につけさせることが大切だと考えますか。

またその力を養うために、学校でどのような取り組みを行いますか。

資料1を参考に、希望する校種をふまえ、あなたの考えを具体的に述べなさい。

合計600字以内でまとめること。」

 

資料1 1989年と2021年における世界の企業の時価総額ランキング

 1989年                   2021年

順位 企業名 順位  企業名
1 日本電信電話(NTT) 日本 アップル アメリカ
2 日本興業銀行 日本 マイクロソフト アメリカ
3  住友銀行 日本 サウジアラムコ  サウジアラビア 
4 富士銀行 日本 アルファベット(Google) アメリカ
5 第一勧業銀行 日本 アマゾン アメリカ
6 IBM アメリカ テスラ アメリカ
7 三菱銀行 日本 メタ(Facebook) アメリカ
8 エクソン アメリカ バークシャー・ハサウェイ アメリカ
9 東京電力 日本 エヌビディア アメリカ
10 ロイヤル・ダッチ・シェル イギリス 10  テンセント 中国
11 トヨタ自動車 日本 11  台湾積体電路製造(TSMC) 台湾
12  GE アメリカ 12  JPモルガン・チェーズ アメリカ
13  三和銀行 日本 13  アリババ 中国
14  野村證券 日本 14  ビザ アメリカ
15  新日本製鉄 日本 15  ユナイテッドヘルス アメリカ
16  AT&T アメリカ 16  ジョンソン&ジョンソン アメリカ
17  日立製作所 日本 17  ウォルマート アメリカ
18  松下電器 日本 18  サムスン電子 韓国
19  フィリップ・モリス アメリカ 19  バンク・オブ・アメリカ アメリカ
20  東芝 日本 20  LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン フランス

出典 日野田直彦著『東大よりも世界に近い学校』TAC出版、2023年、21ページより抜粋

(問題はここまで) 

 

1989年のランキングをみると、

バブル経済華やかなりし頃で懐かしさを覚えます。

合併で消えた企業の名前も見えます。

今の生徒たちには、

完全に過去の歴史なんですよね。

あ~_| ̄|○

 

ノスタルジーにおもしろさを感じたわけではありません。

おもしろさを感じたのは質問の内容です。

これって、

まさにコンピテンシーが問われているのではないでしょうか。

今年のパンフレットを見ていると、

例えば

お茶の水女子大学(東京)や叡啓大学(広島)の大学案内の中に、

大学で育成するコンピテンシーが明記されています。

0