日誌

白布ヶ丘点描

ニワゼキショウとシロツメクサ

サツキの花も終わりをむかえた園庭で、今度はニワゼキショウが小さな花を咲かせています。

ニワゼキショウは芝生に混じって生える小さな植物です。漢字で書くと庭石菖と書き、その名の通り菖蒲(アヤメ)の仲間です。花の形や草丈はアヤメとは全く別物のようですが、葉の形は細長く尖っていて、菖蒲と共通点が見られます。よく見ないと見過ごしてしまうくらいの小さな花ですが、芝に負けずあちこちに点在しています。
 写真右下の白い花がシロツメクサです。こちらは漢字で書くと白詰草と書き、昔、詰め物として輸入製品の緩衝材に使われていたことに由来します。一般にクローバーと呼ばれているのがこのシロツメクサです。
 ニワゼキショウもシロツメクサもどちらも帰化植物で、ニワゼキショウはアメリカから、シロツメクサはヨーロッパから日本に定着しました。昨年紹介した台湾から入ってきたタカサゴユリや、輸入穀物に混じって日本に入ってきてしまったといわれているナガミヒナゲシなど、本来は日本には自生していなかった植物が本校でもその生息域を拡大させています。

野澤一郎像に寄せて

 野澤一郎育英会定時評議員会が午前中におこなわれ、関係者が来校しました。野澤一郎氏は本校の旧制中学の2期生にあたります。旧制中学を卒業後、進学、その後巴組鐵工所を創業しました。現在の(株)巴コーポレーションになった企業です。野澤一郎氏は本校に当時500万円を寄付、それを財源に本校を事務局おいた「野澤一郎育英会」を設立しました。当初、奨学金は本校在籍の生徒のみを対象にしていましたが、その後財源が増えたことで、県内の高校生に対象を拡大、現在に至ります。
 偉大な功績を残した野澤一郎氏の胸像がグランドの南側に建てられています。野澤一郎氏胸像からの視点で体育の授業風景を紹介します。

 さて、本校で生活していると、野澤一郎氏は育英会を立ち上げ、(株)巴コーポレーションを創設したという2つのイメージが強く印象されます。しかし、野澤氏は他にも絵画や書にも精通しています。本校に玄関正面や会議室に野澤氏の絵画作品が飾られています。

上の写真は2枚とも会議室に飾られている野澤一郎氏の作品です。
 巴組鐵工所は立体構造建築「ダイヤモンドトラス」の発明・実用化や、「無足場式骨組法」の発明で実績を上げ、成長した企業とされています。野澤一郎氏は発明に関して自由な発想が必要だと述べていたそうです。
「空想は、時には人生の潤いとなり、時には進化の母体となる。人生にはなくてはならぬものの一つに空想がある。古の書道集にも『梅が香を桜の花に香らせて柳の枝に次ぐよしもがな』と見える。梅が香の気高さを桜の花にも欲しくなり、優雅な柳の枝に咲かせてみたくなる」と巴コーポレーション創業者紹介ページでそのことが紹介されています。
 さて、本校講堂の入口脇で早春の香りを感じさせていた梅の花は、現在たくさんの実となり、早春とは違ったほんのりと甘い香りを漂わせています。

化学実験~硫黄の同素体~

2年生の理系クラスで同素体の実験をおこなっています。教科書では炭素(ダイヤモンド・グラファイト・フラーレンなど)やリン(赤リン・黄リンなど)、硫黄(斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄など)が同素体の例として挙げられています。本校の実験では硫黄を用いて、去年(昨年の様子もホームページでご覧下さい)と同じく、黄色のゴム状硫黄を作ります。9年前までは教科書等でゴム状硫黄は黒褐色として扱われました。現在でも多くの学校で純度の低い99%の硫黄を用いて黒褐色になっていますが、本校では99.9%の硫黄を使用することで、教科書通りの黄色のゴム状硫黄を作製します。

まず、粉末の斜方硫黄を加熱し、真っ黒になるまで溶かします。これを水の入ったビーカーへと流し込みます。すると、水に入れた瞬間、真っ黒だった硫黄が黄色に変化しゴム状硫黄ができあがります。

できあがったゴム状硫黄を実際に手で引き延ばし、ゴムのような感触であることを確かめます。独特の臭いも相まって、化学の実験の中でも生徒の印象に残る実験の一つです。

グリーンカーテンプロジェクト~植え付けから10日~

先週ゴーヤを植え付けてから約10日が経ちました。植え付け後から急激に暑くなり、6日連続で夏日が続きました。そんな暑さも手伝って、ゴーヤも気温上昇に比例してどんどん生長しています。今日現在のゴーヤです。

植え付けした時はネットに届かないくらいの背丈でしたが、今週あたりから誘引できるくらいになり、現在はツルがしっかりとネットに巻き付いています。ツルをもつ植物なので、成長スピードが早く、日に日に大きくなっているのがわかります。ネットに到達し這うものができたので、来週はさらに生長スピードが加速しそうです。

満開のサツキと関東大会出場懸垂幕

今週は中間テストです。午前中、生徒たちは黙々とテストに臨んでいました。午後はグランドで野球部がウォーミングアップをしていました。動くと少し暑いくらいの好天ですが、外を歩くにはちょうど良い初夏の陽気です。ここ数日でサツキの花も満開になりました。

正門を入って左手にあるサツキの大株です。たくさんの花がついています。

正門右手にある園庭のサツキ(皐月)です。こちらも満開です。

園庭中央には1株だけ八重咲きのサツキがあります。樹勢があまり良くなく、蕾もあまりついていません。今日咲いていたのは1つだけでした。春先のヤシオツツジも綺麗ですが、株数の多いサツキが満開を向かえるこの時期も、正門付近が華やかに見える季節です。

正門の奥に空手部・陸上部の関東大会出場を祝う懸垂幕が掲げられました。

グリーンカーテンプロジェクト~ゴーヤの植え付け~

先日の放課後、科学部の生徒たちがグリーンカーテン設置の準備をおこないました。

ネット、用土、そしてゴーヤの苗を用意し、プランターは家庭科棟にあったものを再利用しました。

今回は2棟2階の物理準備室からネットを降ろし、化学講義室の窓際にツルをはわせる計画にしました。設置は放課後におこなったため、写真では日陰になっていますが、昼間は一日中日当たりの良い場所になっています。少しでも化学講義室の室温が下がれば設置した甲斐がありますね。

羽化したてのクロアゲハ

玄関前の園庭でクロアゲハを見つけました。

まだ羽化して間もないのか、ドウダンツツジに留まったままジッとしていました。ツツジの花の蜜などを好むので、園庭や正門にツツジが多くある本校は、クロアゲハに住みやすい場所です。気温も日に日に上昇し、本校で見られる昆虫もどんどん増えてきます。草木が多い、自然豊かな本校ならではです。

エゴノキとミノムシ

玄関前の植え込みでエゴノキが満開を迎えています。

小ぶりの小さな花をたくさんつけているエゴノキに、よく見るとミノムシが紛れていました。

ミノムシはミノガという蛾の幼虫です。最近めっきり見かけなくなりました。地域によっては絶滅危惧種に指定されているようです。20年くらい前は普通に庭木にもついていて、ミノを剥がしてカラフルな毛糸や紙クズの中に幼虫を放置してカラフルなミノムシを作る遊びをやったことがある人もいると思います。でも最近の生徒たちはミノムシを見たことのない生徒もいるかもしれませんね。ちなみにオスは蛾となりメスを求め飛び回りますが、メスは一生をミノの中で過ごすという不思議な生態をもっています。

理科の実験で使うミノムシクリップはこのミノムシに外観が似ていることからその名がついています。ミノムシを滅多に見かけることがなくなった今、ミノムシというと虫ではなく、ミノムシクリップを思い浮かべる生徒も多いかもしれません。

愛鳥週間~雀の巣立ち~

午前中の雨も午後には上がり、久しぶりに校内をみてまわりました。5月10~16日は愛鳥週間なので、特に鳥を観察しました。雨続きで久々晴れたため、巣立ったばかりのスズメをあちこちでみかけました。

まだうまく飛べず、クチバシの付け根には黄色い部分が残っています。顔の周りも成鳥のような黒い羽毛が生えそろっていません。近くに親鳥がいて、若鳥をそっとみ守っていました。初夏らしい風景でした。

物理実験~音速測定~

2年生の物理で音速測定の実験をおこないました。

管の中の水位が調整できる細長いガラス管の気柱共鳴装置を用いた実験です。管上部の開放口で音を鳴らし、共鳴する水位を2カ所見つけ、水位差から音の波長を割り出します。
 音の振動数と波長を掛けると音の速さが求められます。実験から割り出した音の速さと、音の速さを求める式 V=331.5+0.6t(V:音の速さ、t:温度)から導き出した数値を比べ、実験の精度を確認しました。教室内の室温は約22℃だったので、各班おおよそ345m/s前後の数値が出たようです。
 時速に換算すると1242km/h(約マッハ1.2)です。15℃で1気圧の空気中を伝わる音速は約340m/s。これがマッハ1です。音速の2倍がマッハ2、3倍がマッハ3です。

「緑の募金」

本校で集まった「緑の募金」の報告です。募金総額29850円は公益財団法人とちぎ環境・みどり推進機構へ届けました。緑化事業や緑化に対する普及啓発活動に使用されます。

今年度の緑化運動のテーマは「おちつくね こころやすらぐ 木のにおい」です。本校の木々の緑も次第に濃い緑色になってきてました。記念館の横にあるセンダンも先週ようやく芽吹き、ほぼ全ての木が葉をつけました。昼下がりのさわやかな風に欅やトチノキの葉が揺れています。

新緑の屋外授業

 校舎の南側に立派なトチノキが並んで植えられています。欅に続き、トチノキも芽吹きはじめたとたん、あっという間に大きな葉へと成長しました。まだ柔らかそうな葉が繁り、今が一番綺麗な時だと思います。光が透き通る若葉のトチノキの下で1年生が新体力テストの50m走の練習をしていました。

 若葉の緑と澄んだ青空のなかで赤い体育着が、きれいなコントラストになっていました。校庭南側では欅の木陰に入って、美術で風景画を描いていました。

美術の先生に聞くと、この時期に外で絵を描くのが定番で、欅の木を入れた風景画が人気の構図だそうです。天気も良くそよ風も吹いて、屋外の授業には最高のコンディションでした。

新体力テスト

午後、3年生が体育の授業をしていました。

新体力テストに向けた50m走やハンドボール投げの練習だそうです。新装なった陸上レーンを走ると、より速く走れそうな気がします。

栃木県の県花

先日紹介した白木蓮の近くにあるヤシオツツジが咲き出しました。栃木県の県花です。

ヤシオツツジはアカヤシオ、シロヤシオ、ムラサキヤシオツツジの総称で、校庭で咲いているのアカヤシオです。アカヤシオは葉が芽吹く前に開花し、透き通るような上品な淡紅色をしています。他のツツジの仲間と比べても群を抜く美しさです。上の写真は正門を少し入った左側にあるアカヤシオです。正門の至誠の碑のところにあるアカヤシオも綺麗な花を少しずつ咲かせています。

花丸 白木蓮の花

 卒業式から3週間が経とうとしています。正門の近くの花木もだんだん春の装いです。真っ先に白木蓮の花が咲きました。

樹木プレートに甘い香りがあると書いてあります。ぜひ匂いをかいでみてください。花の中には小さな虫がいました。

3月の旅立ちの季節を歌った合唱曲「あなたへー旅立ちに寄せるメッセージ」の歌い出しがこの白木蓮です。「白木蓮にも似た その白い翼で まだ見ぬ世界 未来という 果てしない空へ 旅立ってゆくのですね」先週も卒業生が合格の報告に訪れている姿をよく見かけました。正門の近くで白木蓮が彼らの旅立ちにそっと華を添えています。

NEW 記念館避雷針工事

先週から校舎の北側にある記念館の避雷針工事が行われています。



避雷針というとその表記から雷を避けるためのものと捉える人もいるかもしれませんが、避雷針に雷を呼び寄せて地面へと電流を逃がす導雷針という考え方もあるようで、発明以来、厳密にはどちらの効果によって防護されているのか、あるいは両方の効果が発揮されているのか、それとも全く別の理由で雷避けの効力を発揮しているのか、はっきりとはわかっていないようです。近年は受雷針という雷をあえて呼び寄せて建物を守るものも開発されているそうです。

ちなみに栃木県は名物に雷が挙げられるほど落雷発生件数の多い県で、お隣宇都宮市は雷都という異名があるほどです。家電の落雷保険も栃木県(宇都宮)発祥の有名量販店が他にさきがけて導入したという情報がネットに書かれていました。

備えあれば憂いなし、です。

花丸 早春の庭をめぐりて門を出ず

「早春の庭をめぐりて門を出ず」冬が終わる立春を迎え、庭の様子を眺めに外へ出てみても、まだまだ寒く、門から出て遠くへ行く気持ちになかなかならない。高浜虚子の句です。寒さのピークも峠は越え、外の様子を見てきました。数週間前にくらべると、どことなく春の空気になってきました。二棟東側にある定時制の花壇を覗いてみると、ここにも春の訪れがありました。

たくさんの水仙が芽を出していました。朝の氷点下の寒い冷え込みが続く中で、肉厚な葉が育っています。少しすると20~30㎝ほどの草丈に成長します。
 毎年のようにこの葉をニラと間違えて食べ、食中毒を起こすニュースが報道されています。この10年で報告がなかったのは2013年だけ。毎年10~20人ほどが食中毒を起こしています。学校の調理実習でニラと間違えて使ってしまった事故も起こっています。水仙はヒガンバナ同様、アルカロイドを含む植物です。葉の色や質感もニラとは若干違いますが、千切った匂いでその差は歴然なので、間違っても食さないようにしましょう。
 水仙の花が咲く頃には、庭をめぐりて門を出るくらいの暖かさになることでしょう。

花丸 講堂に春の便り

講堂の玄関脇にある紅梅が咲き始めました。午前中はずっと日陰になる場所です。寒さに負けず毎年花を咲かせています。



年が明けてもう1ヶ月以上、昨日が立春で暦の上では春を迎えました。植物は光の春を感じ取って少しずつ動き出しているようです。今年の寒さで、関東周辺の梅の見頃は例年より2週間ほど遅れるそうです。

節分のヒイラギ

 夜中から降り出した雪は朝まで降り続き、生徒が登校する頃には一面の雪景色になっていました。

ほぼ雪もやんだあと、外にも出られたので、正門のヒイラギを撮ってきました。

このヒイラギは、クリスマスのセイヨウヒイラギとは別のものです。冬に赤い実をつけるセイヨウヒイラギと違い、冬の初めに白い花を咲かせ、今はその花が枯れて残っています。実は初夏につけ、色は紫色です。
セイヨウヒイラギはクリスマスの木。このヒイラギは明日2月3日節分の木です。トゲトゲした葉は、鬼を追い払うと信じられ、ヒイラギの枝に焼いた鰯(イワシ)の頭を差して門戸に飾るという風習があります。鰯は焼く時の煙を鬼が嫌うそうです。最近はあまり見かけることもなくなりました。身近なところでヒイラギは利用されていますね。本校の正門の向かって右側にヒイラギが植えられています。これは敷地の北東にあたります。北東は表気門でヒイラギ、南東は裏鬼門でナンテンを植えることで邪気払いになります。いつも緑で変化が小さく、特に意識する人はあまりいないかもしれません。節分を機にヒイラギや古来の風習に注目してみましょう。

雪 「白」布ヶ丘

 昨日の夜から降り続いた大雪は日付が変わる頃には止みました。栃木県内もかなりの雪が積もったようです。宇都宮市では27㎝の積雪を観測し、真岡も一面真っ白な雪に覆われました。固まった雪で危険な状態でした。
 本校のグランドは、大半が積もったままのふわふわな状態で綺麗な状態です。ドローンを飛ばして見下ろしてみました。グランドに出ると雪が多く、ドローンを置こうとしたら雪の中に埋もれ、レンズも雪に覆われてしまいました。画はこんな感じです。



  本校のドローンは、「百里風壱号」と命名されています。命名者は校長です。

 初代パイロットです。抜群の飛行技術を誇ります。