スーパーサイエンスハイスク-ル(SSH)に関するお知らせです
授業実践事例 美術×化学
本日は、1年次生の美術選択者を対象に、美術と化学の教科横断・分野融合の授業が行われました。
美術の絵画で使う絵の具の顔料について,化学の観点から実験を通してその合成や性質について学び,さらに合成した顔料から実際に絵の具をつくって塗ってみるまでを行いました。
授業は,まず顔料や色素について簡単に触れた後,ゴッホの「ひまわり」で用いられているクロムイエロー,北斎や広重の浮世絵に使われているベロ藍(ベルリンブルー)の紹介と,合成を行い,続いて,ジンクホワイトの白色顔料である亜鉛華(酸化亜鉛),神社の鳥居などに用いられる赤色顔料である弁柄(酸化鉄(Ⅲ))について,酸やアルカリとの反応実験を行いました。最後に,これらの顔料に含まれている鉛,鉄,亜鉛のイオンと硫化水素など硫黄との反応を見ました。そして,顔料として市販されているベロ藍とカドミウムイエローにオイルを加えて油絵の具をつくり,実際に塗る作業を行いました。
2時間目は、顔料に混ぜて絵の具をつくるための展色材の役割とその種類について学習しました。さらに、岩絵の具や水干絵の具に膠(にかわ)を混ぜて日本画の絵の具をつくり、塗ってみる実習も行いました。
生徒たちからは「実験や実習を通じて,絵の具の性質がわかった」,「絵の具のつくられ方が理解できた。」などの感想が得られました。この授業が,様々な視点や,視野の広がりを持つ機会になればと思います。