スーパーサイエンスハイスク-ル(SSH)に関するお知らせです
SSHクラブ「とちぎ協働まつり」に参加
10月27日(日)台風一過のすばらしい青空の中で「第10回とちぎ協働まつり 2013」に参加してきました。
(とちぎ協働まつり2013実行委員会および栃木市主催)
「協働」とは協力して働くということで、市民・NPO・ボランティア・行政・企業が連携し、子供から大人まで
楽しめる「まつり」となっています。私たち栃木高校SSHクラブは、企画の一つである、「キッズワークエリア」
の、「研究室」を任されました。他には、警察・消防・営業・レストラン・保育士・新聞記者・病院・歯医者・大工
のエリアがありました。
11時と12時の2回、それぞれ、小学生5名で、活動時間は50分です。今回の研究は、生物班が「不思議
生物ネンジュモの観察」と、物理班が「わくわくどきどき光の回折実験」を行いました。
キッズワークエリアのテント 栃木高校のテント
11時スタートの集合写真 12時スタートの集合写真
顕微鏡でネンジュモの観察 ネンジュモの説明をしています
紙コップで実験器具を作り、青空を見ると(太陽を直接見てはだめですよ)虹が見えます
参加してくれた小学生たちはとても熱心で、楽しそうに活動していました。各班は50分の半分ずつを
受け持ったので、参加小学生がいないときには、一般の親子連れや、おじいちゃん、おばあちゃんまで
顕微鏡をのぞいたり、生徒の説明をきいたりしてくれました。大変よい経験になったと思います。
第3回群馬大学実験講座
サイエンスラボラトリー(SSH事業) 第3回群馬大学実験講座
平成25年10月26日(土)台風が太平洋岸を通過していく中、10時より12時まで、本校において
第3回群馬大学実験講座が行われました。自然科学への高い興味関心を持つ生徒を増やし、より
優れた科学的問題解決能力をもつ生徒集団を育成するのが目的で、今年度のこの事業は今回が
最終となります。参加生徒は、1年生の理系希望者です。
講座名 講師、(参加生徒数)は以下のとおりで、4講座実施しました。
1,「重金属の分析と除去について」 (36名)
群馬大学理工学部教授 板橋 英之
2,「生物の観察について」 (38名)
群馬大学理工学部教授 大澤 研二
TA 理工学府分子科学部門修士1年 沖森 健輔、 竹内 仁
3,「流れの可視化について」 (35名)
群馬大学理工学部教授 石間 経章
TA 理工学府知能機械創製部門修士1年 島方 大、 山田 表
4,「アルゴリズムについて」 (30名)
群馬大学理工学部教授 山崎 浩一
講座の様子を見てみましょう。
1,「重金属の分析と除去について」
渡良瀬川流域の銅イオンの抽出と、フミン酸による銅イオンの吸着の実験をしました。
説明を聞きながら、実験を始めています
結果はどうでしょうか
2,「生物の観察について」
スンプ法(スンプはこの実験方法を考えた学者の名前です)で、植物を観察しました。接着剤を植物の
葉の表面に塗り、乾いたら引きはがし、接着剤についた葉の微細な型を観察する方法です。
説明を聞きます スンプ法を実施中
顕微鏡で観察しています
3,「流れの可視化について」
水蒸気を発生させて、送風機で空気の流れを作り、レーザー光を当てるときれいな緑色で流れが
よく見えました。流れの途中にペットボトルやピンポン球を置くと流れが変わり渦も見えました。
また、牛乳の表面に牛乳を1滴垂らして、ミルククラウンを撮影しました。
ピンポン球 ペットボトル 段差
水蒸気発生装置と送風機 ミルククラウンの撮影
4,「アルゴリズムについて」
アルゴリズムとは「考え方」の学習です。次は、今回の問題例です。
以下の処理手続きはA、Bが以下の表の時、停止する場合は○を、しない場合は×をつけよ
処理1.紙Aと紙Bにそれぞれ1以上の整数が書いてある。
処理2.紙Aの数字=紙Bの数字の時は処理を停止する。
処理3.紙Aと紙Bがイコールではないとき、以下のいずれかである。
3.1 「紙Aの数字> 紙Bの数字」の場合は[紙Aの数字]を[紙Aの数字-紙Bの数字] に
書き換えて 処理2.に戻る。
3.2 「紙Aの数字< 紙Bの数字」の場合は[紙Aの数字]を[紙Aの数字の10倍の数字]に
書き換えて 処理2.に戻る。
生徒たちは熱心に取り組んでいました。科学への興味関心を高め、大学の学部学科選択や、
将来の職業にまで、思いを巡らしてほしいと思います。また、SSHクラブに入って積極的に実験を
しましょう。研究者には楽しい発見が待っています。
第1回栃木高校SSH科学実験教室
本校では昨年度より文部科学省からSSH事業の指定を受け、様々な科学関連事業を企画・実施して
います。今年度はその一環として、主に科学に興味を持つ中学生を対象に、「栃木高校SSH科学実験
教室」を開催しました。各実験講座を任された本校生はSSHクラブに所属し、各研究分野で研究を行っ
ています。参加してくれた中学生は31名でした。
(講座1) 16名、(講座2) 7名、(講座3) 4名、(講座4) 3名、(講座5) 1名
10月5日(土) 9:00~ 受付
9:30~ 開会式 開会の言葉 日程の説明
(司会、開会の言葉、日程説明を本校生が行いました)
9:50~ 移動 生徒が各会場へ誘導
10:00~ 科学実験教室 開始
各実験講座の様子を報告します。
実験講座1 酸化物超伝導体の性質 SSH物理班
本校の物理部では、酸化物超伝導体の研究を行っています。今回は、超伝導体を -196 ℃の
液体窒素により冷却し、マイスナー効果や電気抵抗が0になることを 確認する実験を行い、また
液体窒素を使った楽しい様々な実験も行いました。
実験説明をしています 液体窒素注入中
真剣に聞いている中学生
実験講座2 光の回折実験 SSH物理班
私たちの日常に存在する光は、さまざまな性質を持ちます。今回は、その中でも 光が波のように
振る舞う様子を実験で確認しました。光の当たり前のようで特殊な性質を実験を通して楽しく理解
できるように工夫してみました。
実験の説明をしています
紙コップを使って分光器の作成中
実験講座3 分子模型をつくろう SSH化学班
水や二酸化炭素、アミノ酸、etc。わたしたちの身の回りにはたくさんの分子が あふれています。
色をつけた発泡スチロールを使って様々な分子をつくってみました。
スチロールカッターで球を切断
分子模型を作製しています
実験講座4 ネンジュモの観察 SSH生物班
栃高の校庭には、シアノバクテリアの仲間のネンジュモが豊富に繁殖しています。 私たちは、
この生物の生態を研究しています。今回は、まず校庭の生息場所を観察してから、顕微鏡を使っ た
観察を行いました。
顕微鏡を使っての観察 実験の説明をしています。
ネンジュモの説明をしています ネンジュモの顕微鏡写真
実験講座5 呼吸による酸素消費量の測定 SSH生物班
生物の好気呼吸では酸素を利用してATPを作り出しています。大気中の酸素濃度は約21%
ですが、実際にはその内どのくらいの酸素を消費しているかを実測して、酸素消費量が以外と
少ないことを実感することができました。
測定器具類 作成中です
中学生たちは、とても興味関心が高く、熱心に取り組んでいました。11:40に実験が終了し
アンケート記入をお願いしました。
12:00 講堂へ移動後閉会式が行われました。
式の前に生徒がSSHの説明をしました 閉会のあいさつ
校長より、お礼の言葉 実験講座終了です
第1回ということで、生徒たちはしっかりと準備を重ねてきました。でもまだ不十分なところが
あったと思います。実験をしているときの中学生の熱心さには感動しました。参加ありがとうご
ざいました。これからもよろしくお願いします。
参加中学生、本校生徒、職員の集合写真です
SSH第2回群馬大学実験講座
たちの意気込みは2倍以上でした。今回は写真を多く紹介して、少しでも生徒たちの熱気が伝わるように
したいと思います。
10時に群馬大学に到着。教室集合後、さっそく大学研究の話が始まりました。石間先生のレーザーの話。
(中央写真)、右は大沢先生の、バクテリアの鞭毛を動かすモーターの研究。ともに研究への強い思い入れ
が感じられました。
それでは各実験班の様子を紹介しましょう。
「キレート適定」危険な薬品を扱うので、説明をよく聞き、ゴーグルをしっかりつけて、実験です。
「電気泳動実験」マイクロピペットを正しく扱い、電気泳動装置のゲルのスリットにタンパク質を注入
します。5つの青いバンドが注入した部分です。
「顕微鏡でのぞくミクロの世界」解像度の優れた顕微鏡で牛乳の白濁の原因を探ります。見えましたか?
「ペーパークロマトグラフィーによる物質の分離と解析」葉より葉緑素を取り出し、分離します。色素が
上昇し、うまく分離しそうです。
「ワイヤレス電力伝送実験」スイカ等の必須の技術を、ワイヤーをぐるぐる巻いて学びます。回路の作製
もしています。ちょっと難しいけどがんばっています。
「Flashを使ったプログラミング体験」正確に入力しないと動きませんよ。真剣そのものです。
「金属引っ張り実験」引っ張り試験を行っています。強度も調べています。(a班)
b班では金属の破断面を電子顕微鏡で観察しています。
「堰を超える流れに関する水理実験」人工の水路に実際に水を流して調べます。頭をつっこんで
水深を図っています。
「光の干渉を利用した測定」a班ニュートンリングを使ってレンズの曲率半径を算出する。難しいけれど
答に行き着くためにはグラフが必要です。説明をよく聞き、グラフ作成だ!
b班は、ちょっと奥まった部屋で回折格子を使って、原子から出る光の波長を測定している。これも
難しそうです。がんばれ。
16時。すべての実験が終了しました。大沢先生からの講評です。そして生徒代表が今日の体験の
まとめと大学への感謝の挨拶をしました。挨拶も貴重な体験です。
18時、全員無事に帰ってきました。ゴーグルや白衣の片付けご苦労様です。最後まできちんとやりましょう。
SSH第1回群馬大学実験講座
サイエンスラボラトリー(SSH事業)
第1回群馬大学実験講座
1 目的
自然科学への高い興味関心を有する生徒を発掘するとともに、より優れた科学的問題解決能力をもつ
生徒集団を育成する。
2 日時・場所
平成25年5月25日(土) 8:30~16:00 群馬大学理工学部
3 参加者 1年生全員、TA(SSHクラブの2年生)21名
4 日程
8:30 生徒集合
10:00 群馬大学着
10:00~11:00 オリエンテーション
10:00~10:20(20分) SSHについて
10:20~11:00(40分) 大学とは
11:00~11:30 実験説明
11:30~12:00 実験室見学・キャンパスツアー
12:00~13:00 昼食
13:00~16:00 実験(9講座)
①キレート滴定 ②電気泳動実験 ③顕微鏡でのぞくミクロの世界
④ペーパークロマトグラフィーによる物質の分離と解析 ⑤ワイヤレス電力伝送実験
⑥Flashを使ったプログラミング体験 ⑦金属引張試験A・B
⑧堰を超える流れに関する水理実験 ⑨光の干渉を利用した測定A・B
16:30 群馬大学発
18:00 栃高着
それでは、実験講座の様子を写真で紹介します。
オリエンテーションの最初は、SSHの説明です。真剣に聞いています。写真3枚目は、TAの2年生
たちです。今年からSSHクラブに入った2年生は、1年生を教えるTAとして参加しています。
オリエンテーションの2番目は、群馬大学の石間先生より大学、学部の説明がありました。
ここからは、今回のメイン、それぞれの実験講座の様子です。
1 キレート滴定
(キレート滴定法の中で最も一般的に利用されるエチレンジアミン四酢酸を用いて,水の全硬度を
算出する。)
先生の説明を真剣に聞いています。薬品を使うので白衣、ゴーグルは必須です。また廃液処理も
重要な最後の作業です。
2 電気泳動実験
(代表的なタンパク質分析法である電気泳動法が化学や物理の原理を応用したものであることを
実習を通して学ぶ。)
ゲルを作製したり、マイクロピペットの使用方法を学んでいます。
3 顕微鏡でのぞくミクロの世界
(顕微鏡を用いてパン酵母や牛乳のミクロの世界を観察・考察しながら、顕微鏡の取り扱いの
基礎を学ぶ。)
大学の最新の顕微鏡で、酵母菌を観察しています。ただ観察するだけではなく、細胞計数盤を
使って(写真2枚目)500gの酵母菌の個数を計算して出します。ベターな数字が出たでしょうか。
4 ペーパークロマ グラフィーによる物質の分離と解析
(本テーマに関する講義と実験を通じて理科、特に化学の分野において重要な分離技術の
基礎を学ぶ。)
光合成色素の分離実験です。まずは、材料の葉を乳鉢でよくすりつぶすところから始めます。
抽出した葉の色素は短冊状のペーパー(濾紙)につけて、有機溶媒で展開します。有機溶媒が
拡散しないようにガラスケース内に密封します。色素が少しずつ分かれてきているようです。
5 ワイヤレス電力伝送実験
(無線タグ-例suica-などで使われている、電線を用いないワイヤレス電力伝送実験をおこなう。)
説明が終わり実験に取りかかっています。配線板です。ワイヤレスにするためには、たくさんの
ワイヤーが必要なのですね。この後伝送できたかどうかを、LEDの光で確かめました。
6 Flashを使ったプログラミング体験
(Flashを使った未完成のプログラミングを完成させるというスタイルでプログラミングを体験する。)
先生やTAにアドバイスを受けながら、プログラムしていきます。初めてなのだから、どんどん質問して
前進あるのみ。
7 金属の引張試験
(引張試験を行い金属の変形過程を観察するとともに強度も調べる。また電子顕微鏡を用いて破断面
を観察する。)
A 引張試験の実験装置は写真3枚目です。バケツに水を入れて、バケツの取っ手の上部にある
白いバンドを切断します。バンドの変形による強度の違いを調べていきます。
B 説明の後、電子顕微鏡で破断面を観察しています。
8 堰を超える流れに関する水理実験
(堰を超える流れについて、常流と射流の様子と射流状態を回避するための工夫を水理実験に
よって検討する。)
模擬用水路に水が流れていきます。写真2枚目左端を見るとかなりの水量だということが
わかります。まるで滝のようです。水路の途中に人工的に堰を作り、堰を超える流れを観察
しています。
9 光の干渉を利用した測定
測定A 光の干渉を利用して何が測定できるか理解し、例としてニュートンリングを利用してレンズの
曲率半径を測定する。
測定B 光の干渉を利して何が測定できるか理解し、例として回折格子を 用いて原子からでる光の
波長を測定する。
9は概要の説明後、どちらかを選択しました。左がニュートンリング、右が回折格子です。ともに
内容は高度で難しい実験ですが熱心に取り組んでいました。
実験が終わってそれぞれの教室から、生徒たちが本部に戻ってきます。生徒全員集合し、群馬大学の
大沢先生より講評をいただきました。
その後、1年生の代表が、あいさつをしました。今回の実験教室に対し、群馬大学への感謝の気持ちを伝え
ました。すべて終わって少しほっとする生徒たち。最後にSSHクラブへの入部についての説明がありました。
群馬大学の皆様、お世話になりました。そして、ありがとうございました。
SSH発展研究(2年生)~生物分野講義

東京大学大学院理学系研究科の准教授 舘野正樹先生(本校
第78回卒)により
『地球の歴史・生命の歴史
~大気中二酸化炭素濃度の変遷を読み解く』
という内容で行われました。講義の後には,身近にある環境に関する疑問・質問が多くの生徒からありました。
SSH基礎研究ガイダンス~1年生
① 化学実験器具の扱い方
② 身近にある数学の不思議
③ 表現の仕方・伝え方
の内容で実施されます。
出張講義行われる
平成25年3月15日(金)、18日(月)、21日(木)の3日間にわたって、出張講義が行われました。11大学、12学部の先生方から、それぞれの専門分野について、アカデミックな講義を行っていただきました。大学受験に向けて日々努力する栃高生にとっては、受験勉強の「先の世界」に触れることのできる、たいへん貴重な時間となったようです。
出張講義 タイトル一覧(実施日別)
3月15日(金)
・感染症とワクチン
・地球環境修復と両立した再生可能エネルギー(バイオ燃料)生産
・数式で画像を見る
・刑罰が果たすべき役割について考える
3月18日(月)
・ワイヤレスエネルギー転送技術~携帯電話から宇宙開発まで~
・免震・制振技術を用いた建築構造デザインの可能性
・証券投資を通じて学ぶファイナンス
・TDLの政治学
3月21日(木)
・サイボーグ技術と医用福祉機械の展開
・今、シリコンがおもしろい!
・田舎の泌尿器科勤務医の話
・異文化コミュニケーション~自分探しの旅へのパスポート~
出張講義 大学一覧(50音順)
茨城大学 金沢大学 埼玉大学 筑波大学 電気通信大学 東京大学 東京外国語大学 東京工業大学 東北大学 一橋大学 山形大学
ウニの受精と幼生の観察
お茶の水女子大より、「海からの贈り物、ウニの受精実験キット(海洋教育促進プログラム)」
が届きました。早速1年は生物基礎で、2年は生物Ⅰの授業で実験を行いました。実験材料の
ウニの卵と精子は、状態が大変良好で、100%の受精膜の形成率に生徒は感動していました。
特に受精膜の上がりはじめの受精丘も確認できました。
2月21日に受精したものは1週間でプルテウス幼生まで進んでいます。日にちをずらして受精
させたので、胞胚期やプリズム幼生も見せることができました。写真は実験の様子です。
SSHクラブ員、群馬大学工学部へ
群馬大学工学部へ出向いた。
目的はそれぞれが考えてきた研究課題について発表し、大学の先生からのアドバイスを受けることである。
10時に開会し、1人1人が持ち時間2分で発表した。
開会のあいさつ 2分の持ち時間の発表
発表は、50分で終了し、その後、大学の先生方から講評をいただいた。研究に大切な動機が薄いことや、
しっかりとした仮説を立ててみようとか、限られた日数で、ある程度の成果が出せる計画を立てるなど、厳しい
けれど、とても重要なアドバイスを受けることができた。
その後、約1時間、物理・情報、化学、生物の3つに分かれ、それぞれに大学の先生がついてくれて、
話し合う時間を持つことができた。
物理・情報 化学 生物
生徒たちは、先生のアドバイスをもとに、さらに検討を加え、動機、仮説、研究計画を組み立てて、
研究活動に入ります。