食品化学科日誌

2018年10月の記事一覧

総合実習は3班編成で実施しています 長文です。。。[食品化学科]

「総合実習」と言う授業があります。
国語や数学、理科と言えば、どんな授業をするのかなんとなくイメージすることができますが、
どんなことを勉強するの?という専門授業がたくさんあります。

その中の1つに「総合実習」という授業があり、毎年学年の始まりに生徒たちの頭上に「???」が浮いているのが特徴です。

ではどんな授業をしているかと言うと、食品化学科では、1クラスを「食品化学」「食品製造」「微生物利用」
の3つの班に分け
、実験実習を同時に実施しています。

なので、1度食品製造を実施したグループが、また食品製造に戻ってくるのに3週間かかります。
毎回実験実習を行うので充実した授業です。

今日はそんな総合実習の中身を見てみます♪
○食品製造
 この日の食品製造は「牛乳の加工」をテーマに、「アイスクリーム」の実習を行いました。
アイスクリームには3つの規格がありまして・・・・・、と授業になってしまいますのでちょっと省略して内容を説明します。

ベースとなる「牛乳、生クリーム、卵黄、砂糖」これを空気を含ませながら冷やし固めたものがアイスクリームです。
コツは「どうやって冷やすか」。

冷凍庫に入れてしまっては混ぜられません。

外に出すと融けてしまいます。
ではどうするか?

氷と食塩を使って「凝固点降下作用」を利用することで、アイスクリームのベースを
氷点下で冷やすことができるようになります。

あとは絶えず手を止めず混ぜ続ける!!
頑張った末においしいアイスクリームができあがりました♪


○食品化学
 この日は、教室の授業で行っている「還元糖」についての定性実験を行いました。
糖の中には、
「相手を還元する(自らは酸化される)力」を持った糖があり、その糖を「還元糖」と呼んでいます。
実験では、硫酸銅を還元して酸化銅に変換することで、色の変化を見る「フェーリング反応」を行いました♪

銅と言うと、10円玉のような茶色をイメージしますが、硫酸銅は綺麗な青色をした物質で、
還元することで酸化銅となり、10円玉のような茶色に変化します。

色の変化があった物が「還元糖」そうじゃないものが「非還元糖」と分けることができ、
今回使ったのは「グルコース(ブドウ糖)」「スクロース(しょ糖)」「でんぷん」の3種類で比較実験を行いました。



○微生物利用
 この日の微生物利用は「酵母の資化性試験」を行いました。
「資化」を簡単に説明すると、「酵母が食べられるご飯」というところでしょうか。
酵母は「糖」を食べて生活しています。でも、糖にはいろんな種類があり、すべての糖を酵母が食べられる訳ではないのです。

酵母がどの糖を食べること(資化)することができるのかを調べるのが「資化性試験」なのです。

そんな酵母は身の周りにもたくさん居て、自然から分離してきた酵母を使った食品がたくさんありあす。

「天然酵母パン」や「花酵母酒」とい商品がそうです。

そんな酵母を使った研究をしていく場合に、今回の「資化性試験」はすごく重要になります。

やり方は簡単♪ 培地に入れる糖を換えて酵母を培養するだ。

酵母が資化できる糖が入った培地にだけ酵母のコロニーが発生します。
ただ、酵母も生き物なので、実験をしてから3日くらいは培養しないと結果が分からないのが大変ですね。

※写真は後日アップします。


このように、3つの実験実習をぐるぐる回って実施するのが食品化学科の総合実習です♪