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食品化学科日誌
キャリア形成支援事業を行いました。
今日は「上生菓子」と「大島まんじゅう」の2品を教えていただきます。
上生菓子とは白餡に砂糖やつなぎを加え、整形しやすくしたものを原料にして、四季折々の植物や風情を形にした菓子のことです。
今回は、冬のこの時期と言うことで上生菓子の題材は「藪椿(ヤブツバキ)」
講師の職人さん方はするするっと形作ってしまいます
簡単そうに見ていましたが、見るのとやるのでは大違い
それと併せて造ったのが「大島饅頭」皮にも餡にも黒糖を使いつつも
甘さ控えめの茶饅頭です。
思っていたより皮生地が包む餡に比べて小さいため、こちらも四苦八苦してました。
蒸け上がった饅頭に生徒たちは喜んでいました。
本日お世話になった山本総本店さん
お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。
栃木市倭町12-14
この時期ならではの実習です♪
もちろん、スポンジケーキを「ただ」作るだけでなく、原料の特性や、
生地が膨らむなどの加工原理を学び、その実践として製造実習を行っています。
いつもなら実習はそこで完結!
…なのですが、「学科としてこの時期ならではの実習」ということで自分たちで製造したスポンジケーキを素材として使い、
12日(月)に3年生が、14日(水)に1、2年生がデコレーションケーキの実習を行いました♪
基本的な材料は学科で準備し、各個人で必要な物は個人で準備してもらいました。
基本となる作り方をレクチャーした後は、それぞれ思い思いに制作開始です♪
一人ひとり工夫を凝らし夢中になって取り組んでいました。
一部ですが生徒たちの力作をご覧下さい

同じ物が1つとしてない「世界に1つだけのデコレーションケーキ」ができあがりました

いつもと雰囲気の違うお楽しみ時間で、嬉しそうに持ち帰る生徒たちの顔がまぶしかったです
都賀中さんへ出前授業に行って参りました(食品化学科)
高校生が先生役として、日頃自分たちが勉強している内容を中学生に教える授業です
この時間で、栃農の食品化学科がどんな勉強をしているのかの少しでも知ってもらえたら嬉しいです。
今日のテーマは「おまんじゅう」
ベーキングパウダーを使ったおまんじゅうを都賀中生さんたち24名と楽しく取り組みました♪
小麦粉の生地を作って、あんこを包み、蒸し上げる簡単な加工品です。
ですが、初めてだとやはり難しいので高校生がサポートに入ります。
蒸し上げ前と後での大きさの違いに、驚いている中学生を嬉しそうに眺める高校生が印象的でした。
およそ70分の短い時間でしたが、高校生も自分たちが先生として振る舞えたかどうかの不安と心配、
中学生が上手に作ることができたことでの充実感を得られた有意義な時間でした。
ただ、写真を取り忘れてしまい、ここに載せられないのがすごく残念でなりません。。。
新酒ができあがりました【お便り】
9月、大田原市にある「鳳鸞酒造(ほうらん)」さんへ技術協力として、本校で分離・保存していた「ワイン用の桜酵母」を用いたワイン造りに、食品化学部の生徒でお手伝いしにいきました。(過去の記事はこちら)
そして12月の初旬、鳳蘭酒造さんから新酒ができたとのこと。
こちらがそのワインです。
巨峰の色を生かして、ロゼに仕上げたワインになっております。
ラベルにも本校の「桜酵母使用」を表記していただきました。
仕込みを行った生徒たちはまだ未成年ですので、味を知ることができないのが残念ですが、その分多くの方に知っていただければ嬉しく思います。
鳳鸞酒造さんでは様々なワインも手がけています。この巨峰ワインもその一つです。しかし、栃農桜酵母を使用した巨峰ワインの仕込み量はおよそ5~600kgと少ない量ですので、およそ1,000本程度と数量限定になるそうです。
なお、恐縮ですが本校は酒類の販売資格はありませんので、学校では取り扱いしておりません。
今後取扱店舗を増やしていくとのことですが、
現在は
・町の駅コエド市場(栃木市倭町)
・東武宇都宮百貨店栃木市役所店(栃木市万町)
で取扱が始まるとのことです。
なお、酒類卸の「井上株式会社(栃木市園部町)」さんにおいても小売りが可能とのことですのでご確認いただければと思います。
容量:500ml
価格:1,280円(税込み)
化学を利用した食品加工
今日は、食品加工と化学を合わせた内容の実習を行いました。
テーマは「ミカンのシラップ漬け」みなさんも馴染み深いのでは??
スーパーやコンビニ、100円ショップでも購入できる程、身近な缶詰で価格もお手頃。それでいて筋の1つも残さず綺麗に剥かれている。すごいですよね♪
この薄い皮のことをじょうのう膜と言います。手でむいたことのある人なら、どれほどむきにくいかわかりますよね。
でも、「どうやってこんなに綺麗にむいているんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
きっと日本の製品なら一つひとつ人の手で…
…なんて考えていませんか?
もちろんその方法でも可能です。
ただ、手作業でおこなうということは、その作業をする人にお給料(人件費)が発生します。
今の日本で、しかも手作業でミカンの缶詰をつくったりしたら、1缶1000円超え…なんて商品になってしまいます。
ではどうやって綺麗にむいているのか?
答えは今回の実習でも使用した「塩酸と水酸化ナトリウム」という薬品を使いう酸-アルカリ併用法と言う方法です。酸には塩酸を、アルカリには水酸化ナトリウムを使います。
薬品と言っても、理科や化学の授業で使う実験用の塩酸や水酸化ナトリウムではなく、食品衛生法で定められている指定添加物としての塩酸と水酸化ナトリウムを利用します。
実際にミカンのじょうのう膜を除去していきましょう♪
これからの作業は必ず酸、アルカリに腐食されない道具を使います。
絶対に金属製の鍋やボウルは使わないでください。
まずはミカンの外皮をむき、房を分け0.6%塩酸を30℃に加温して20分作用させます。時々優しく混ぜます。
すると
これが酸処理前
これが酸処理後
少しふやけた状態になります。
じょうのう膜は「ペクチン質」や「繊維質」からできていて、水に不溶なものが多く含まれています。そこへ塩酸を作用させることで加水分解され、水に溶けられる状態に変化します。
酸処理中はだんだんと溶けたじょうのう膜が液の中に浮いてきたのがこの状態です。
酸処理しただけでも十分綺麗なのですが、一度水洗いし、次は0.3%水酸化ナトリウム水溶液で30℃15分処理します。
アルカリ処理前
アルカリ処理後
この処理によって、アルカリに溶ける繊維質のセルロースが除かれて、ミカンの房が綺麗になりました。
この後、流水中で1時間程水洗いをして、ミカンに付着した水酸化ナトリウムを洗い流して見たことのある缶詰のミカンができあがりです。
最後に56%の糖液(シラップ)につけ込んで2週間ほどつけ込みます。
実は、ミカンに限らず果物のシラップ漬けはできたては美味しくないのです。
漬け込み始めは糖度にばらつきがありますが、時間が経つにつれ味がなじんでくる(糖度平衡)ため、少し置いた方がおいしく仕上がります。
《のうくっく》は本校卒業生が制作