学校日誌

2021年6月の記事一覧

アグリカレッジ2021 第5回

アグリカレッジ2021 第5回
続いて、第5回は「植物の生殖から学ぶ」というタイトルで生物資源科学科 大西先生より講義と実験がありました。

 現在では作り出すことは倫理的に認められていませんが、ライガー、レオポンといった種の壁を越えた動物を対比軸とし、植物では、自然界交雑することでクロガラシ・キャベツ(ケール・カリフラワー・ブロッコリー:これらは同一種)・セイヨウアブラナ・カブ(ハクサイ・チンゲンサイ・コマツナ・ミズナ:これらも同一種)・カラシナ(タカナ・ザーサイ:これらも同一種)が生まれていることや、
 性別についても動物の性と比較すると、同じ花に同じ性を持つ、同じ植物体に雄の花と雌の花を持つ、雄の木と雌の木がある等、生殖を考えるとき、動物のスタンダードと植物とでは大きく異なること、葉の多様性など講義がありました。
 
 受講生のみなさんは理解されていることかと思いますが、分類階級の「種」は交配した際に子孫が永続していく生物集団(自然界の場合、地理的に出会うことが無い場合もありますので、そのような場合先の条件を満たしても亜種とすることもありますが)なので、先の例でいうと、キャベツとカリフラワーでも子孫は永続しますし、ハクサイとチンゲンサイでも子孫は永続することになります。(おいしいかは別問題です)

 講義の後は大学構内から葉をサンプリングし、ペーパークロマトグラフィーの実験を行いました。


 
 受講生に学校でやったことがありますかと質問してみましたが、今回が初めての受講生が多かったようです。
 北陵高の3年生はちょうど学習している内容だと言っていました。

アグリカレッジ2021 第4回・第5回が開催されました

アグリカレッジ2021 第4回・第5回が開催されました。
第4回は、「低炭素社会の農業・農村」のテーマで、農業経済学科 加藤先生より講義いただくことができました。

 例年行われている「機構変動枠組み条約締結国会議」略称COPや、COM「京都メカニズム」、CMP「パリ協定」の仕組みの違い等、気候変動に対する世界の動きをご説明いただいた後、我が国における削減目標や温
室効果ガス排出量の推移アクセスポイントについてもご紹介いだだきました。
 温室効果ガスの削減目標については、「2030年に2013年比46%にする」というニュースもありましたが、ここまで講義を聴いてきたみなさんは単純に国内の排出量を減らす以外に、森林が吸収する量や別の国の排出量を減少等も含むのか、含まないのか等気になっていることではないかと思います。小論文で差がつきそうなお話です。
 温室効果ガスの排出自体は減らすにこしたことはありません。国内で温室効果ガスを生み出しているのは発電で40%というデータが示された後、再生エネルギーとして、太陽光発電がメジャーになっているが、バイオマス発電の優位性と、コストという課題、そして、那珂川町で行われている取り組みが紹介されました。
 
 「木の駅プロジェクトなかがわ」が赤字にはならずに運営されていることはなぜか、3つの問題点と3つの主体から仮説を立て、与式し、実際にアンケート等により確かめていく農業経済の学問の進め方が紹介されていました。経済的合理性だけではなく、やりがいや自分の住んでいる地域のため等の心理も含めて考慮する転が農業経済の視点であるというお言葉がありましたが、受講生のみなさんはどのように感じたでしょうか。
 同席していた私としては、農学などの実学は「総合科学」だと思っているので、理科系と文化系の研究成果を統合して社会をよりよくしていく分野でしょうから、どちらかというと理科系のイメージの強い農学部ですが、農業経済の視野も持ち、視野を広げてみてはいかがかと思いました。(逆に、農業経済を専門として選ぶみなさんには、農学の理科系な部分の視野を持っていただければと思います。)

 今回も長くなってしまうので分けて投稿します。

学年集会

3学年集会を行いました

 6/23(水)、6時間目のLHRの時間を使い、3学年集会を行いました。今回の学年集会は、これから行われる期末テスト・進路へ向けてに焦点を当て、学年主任・進路指導部長よりお話をいただきました。
 3年生にとって一学期の成績は今後の進路決定の際に大きく関わる部分になります。進路の実現のためにまず自分で出来ることは、「目の前にある目標に向けてどれだけ早く取りかかる」かが重要です。それは勉強だけではなく、人としてのマナーの部分や普段の生活態度も意識していかなければならないとお話がありました。


                                                        

 今後社会人として生活出来るよう、今のうちに自分で出来ることは始めていきましょう!不安なこともあると思いますが、3年生の皆さんの周りには先生方がついています。一緒に頑張りましょう!

農業クラブ 各種発表大会

6月18日(金)栃木県教育会館にて、栃木県学校農業クラブ連盟各種発表大会が開催されました。
本校からは校内大会を勝ち抜いた計18名が参加しました。各種発表大会は「プロジェクト発表会」と「意見発表会」の2つの発表方法があり、さらにそこから3つの分野に分かれます。


「プロジェクト発表会」
 プレゼンテーションソフトを用いて日頃の農業クラブ活動で実施している研究内容等について複数人で発表する形式
「意見発表会」
 日頃の研究内容や将来の目標等を1人で口頭発表する形式
Ⅰ類:「生産・流通・経営」
   ・農業生物の育成や生産性向上に関すること
   ・農業生産物の流通や消費に関すること
   ・農業の経営や経済活動に関すること
Ⅱ類:「開発・保全・創造」
   ・生産物の加工技術や商品に関すること
   ・国土や地球環境の保全・創造に関すること
Ⅲ類:「ヒューマンサービス」
   ・動植物や地域資源の活用に関すること
   ・地域の食文化や伝統文化の継承に関すること


◎結果◎
プロジェクト発表会 分野Ⅰ類 最優秀賞
プロジェクト発表会 分野Ⅲ類  優秀賞
意見発表会     分野Ⅰ類  優秀賞
意見発表会     分野Ⅱ類 最優秀賞
意見発表会     分野Ⅲ類 最優秀賞


 
  
本校から出場した全員が入賞することができました!
なお、最優秀賞を獲得したチーム、個人は8月20日(金)に埼玉憲鴻巣市で開催されます第72回関東地区学校農業クラブ連盟大会令和3年度埼玉大会へ出場します!!

NEW バドミントン部大会報告

全国高等学校総合体育大会バドミントン競技会栃木県予選会大会報告

 6/11、14、17、18日と
全国高等学校総合体育大会バドミントン競技会栃木県予選会大会が行われました。結果は以下の通りです。応援して下さった皆様本当にありがとうございました。

 男子団体 2回戦 北陵3-2宇工 3回戦 北陵0-3日光明峰
 個人戦 シングルス
      1回戦敗退  中山、吉成
      3回戦敗退  佐藤
     ダブルス
      2回戦敗退  中山・篠崎、伊藤・小口
      3回戦敗退  吉成・佐藤

 
女子団体 1回戦 北陵3-0小山高専  2回戦 北陵3-0今市
      3回戦 北陵3-0小山西  
      準々決勝 北陵0-3作新 (ベスト8進出)
 個人戦 シングルス
      2回戦敗退  小林
      3回戦敗退  野間
     ダブルス
      2回戦敗退  大根田・宮本
      3回戦敗退  庄野・野間

 
  



アグリカレッジ2021 第3回

アグリカレッジ2021の第3回が開催されました。
第3回のテーマは 「卵子と精子の様々な出会い」でした。
 お昼を挟んで第3回は講義の後、宇都宮大学農場に宇都宮大学スクールバスにて移動して研究室と農場の見学となりました。
 ご指導いただきましたのは宇都宮大学農学部附属農場 農場長 長尾先生でした。
 附属農場の紹介では、ディズニーシーとディズニーランドを合わせたぐらいの面積である約102ヘクタールの広さを持つ国内最大の大学附属農場であることや、生産物の販売についてもふれられていました。
 
 動物と人間との関係性、家畜(食・衣・役)野生動物、家畜、伴侶動物、実験動物など、特に動物について学習する機会の多くない学科で学習する皆さんについては、視野を広げるきっかけとなったのではないでしょうか。
 講義の後はバスに分乗して農場まで移動し研究室での見学・採卵体験と農場の見学となりました。

と蓄場からいただいてきた卵巣から注射器にて実際に卵子を採取するという貴重な体験ができました。

 卵巣・黄体や動物のホルモンについて実物を見ながら話を聞くと大変わかりやすかったですが、受講生のみなさんはいかがだったでしょうか?

 採取した卵子を双眼実体顕微鏡で観察し、その後の培養に適した卵子について、細胞質の色合い等のお話を聞くことができました。

 続いてはマイクロマニュピレーターの操作体験です。
 卵子はゴムまりのようにとても柔軟であることがわかりました。研究室の方は精子1つをガラス管に捕らえて、卵子の中に送り込める技術をお持ちということでした。職人芸の世界ですね。憧れます。
 こうしてIVF(インビトロ(試験管)受精)された卵子は細胞分裂を開始し、胚が形成されていくこわけですね。

 農場見学では、放牧飼養により管理されている乳牛は現在希少になっていることや、農場の見学者が非常に多いこともあり、牛群は人に慣れている事、牛舎の換気の工夫、精液がどのように調整され、保存されているのかや、AI(人工授精)のやり方などをご指導いただきました。
 畜産を勉強している受講生が学校との違いを口にしていました。将来は附属農場で学習できるようになるといいですね。

アグリカレッジ2021 第2回が開催されました

アグリカレッジ2021の第2回が開催されました。
第2回のテーマは 「植物から学ぶ、生きる秘密」でした。

第2回は、バイオサイエンス教育センターの謝先生から生命は持続的にエネルギーを取り入れないと生きていけないが、(大きくとらえると)エネルギーの総量には変化が無く、光のエネルギーが化学結合のエネルギーに変換され(光合成)、化学結合のエネルギーを別の化学エネルギーに変換している(呼吸)、この生命の営みが持続的に続いているというような内容の講義がありました。

 光合成について明反応・暗反応の話がありました。二酸化炭素を固定する反応系(暗反応)と、光の力で水を分解して水素と酸素にして、水素受容体の還元と化学エネルギー(ATP)の合成を行う明反応、そして、不要な酸素が排出されるわけですが、この機会に復習(予習?)していただければと思います。

 講義の後はお待ちかねの実験・実習です。
 バイオサイエンス教育研究センター棟にて、ジベレリンとアブシジン酸で処理することで発芽にどのような影響があるのか、あわせて、マイクロピペットの使い方について実験・実習となりました。


 マイクロピペットの使い方についてはマスターできたのではないかと思います。
 液体を完全に吸い終わるまでにチップの先端を液面から引き上げている人はいませんでしたか?親指をあげるときに、上腕もあがってしまう人がいるように見受けられました。
 アブシジン酸は試薬として購入すると結構高価だったように記憶しているのですが、ジベレリンは農薬として種なしブドウの処理やシクラメンの開花促進等、授業の中で触れたことがある人も多かったのではないかと思います。今回分注されていた原液は500ppmでした。巨峰や藤稔などのいわゆる巨峰系4倍体の品種では25ppmで浸せき処理、シクラメンでは1鉢あたり1~5ppm2~5mL処理ですから原液はTAの大学院生の方がおっしゃっていたように、結構高濃度だということがわかりますね。
 大学院生の方はオオムギの
ストリゴラクトンの構造について研究されているとのことでした。ストリゴラクトンの分子的な多様性、植物間の保存がどの程度されているのか、今後明らかにされていくのでしょう。どのような変化が起きているのか大変興味深いです。

華道部による生け花

校内では、正面玄関や生徒昇降口で華道部による生け花が飾ってありますので、気づいたら立ち止まってご鑑賞下さい。
 
      
 

職員講習会(エピペン)

エピペン講習会
 6月15日(火)、放課後の時間を使いエピペン講習会を実施しました。現代では、様々なアレルギーがあり、誤ってアレルギー反応が出る食材を口にしてしまうとアナフィラキシーショックを起こし、場合によっては命に関わる場合もあります。
       
           
<講習会の様子> 
   万が一生徒がアレルギー反応を起こした時に備え、今回の講習ではエピペンについての説明と、実際にエピペンを打つまでの流れをグループごとに分け、演習を行いました。
   実際にこの様な状況になっても、冷静に対応できるように職員一同努めて参りたいと思います。

宇都宮大学アグリカレッジが開講されました

宇都宮大学アグリカレッジ2021
 6月12日(土)宇都宮大学アグリカレッジ2021が開講されました。
 本年度は県内農業関係高校7校から希望者が募集され、実施委員会に認められた生徒35名が宇都宮大学で全9回にわたる講座を受講することになります。
 本年度・次年度は本校が事務局ということもあり、開講式では本校校長・生徒代表による挨拶がありました。


 開講式に続いて第1回目「殺虫剤抵抗性」のテーマで宇都宮大学農学部生物資源科学科の園田先生による講義・実験が行われました。

 殺虫剤と
IRACコードや、ターゲットとしている昆虫の体の部位は神経と筋肉で8割にのぼること、神経に作用する農薬の一つである合成ピレスロイド剤はナトリウムチャネルを開放したままにする性質があること、昆虫に対する実験法等スライドを用いて講義があった後、今回は合成ピレスロイド抵抗性のコナガと感受性のコナガを用いた実験が展開されました。


 昆虫が殺虫剤への抵抗性を獲得する方法として講義の中では、ターゲット部位の遺伝的変異や、殺虫剤分子への分解能力の獲得が挙げられていましたが、ター別途部位の遺伝的な変異は殺虫剤の効果を劇的に弱めるというお話がありました。
 殺虫剤を実際に使用している生徒のみなさんは多くないと思いますが、同席していた私自身は、
IPMに心がけてはいますが、殺虫剤を使用する機会には講義の中でもありました選択性の高いジアミド系や、フロニカミドを利用する機会がありますが、IRACコードを参考にローテーションを組み立てて適切な防除をしていきたいと思いを新たにしました。
 受講生のみなさんにとってはすこしレベルの高い話だったかもしれませんが、大学での授業の雰囲気を知ることができたのではないかと思います。
 次回は第2回:植物から学ぶ、生きる秘密、第3回:卵子と精子の様々な出会いの2つの講座になります。どのような講義・実験が展開されるのか楽しみですね。