農業土木科日誌

2017年3月の記事一覧

新栃木駅前ロータリー

 東武鉄道新栃木駅前のロータリー。ここには農業土木科の先輩方が植栽した巴波桜があります。とちぎ桜花組合で育成された挿し木から5年目の木たちで、市内で見られる巴波桜としては最も大きな木ではないかと思います。
 3月の中旬からほころび始めて、今が見頃を迎えています。まだ若木ではあるため花芽はびっしりとはいえませんが、木肌の美しさや花の可憐さは申し分ない桜です。新栃木駅や栃木郵便局などへお越しの際はぜひご覧になってください。

栃木市役所庭園another story

 農業土木科では、一昨年から廃棄物を素材にものづくりを行う研究を行っています。木質系廃棄物を舗装材に、土砂廃棄物をため池の構造体にするなど、循環型社会に即した土木施工のあり方を学習しています。
 今回の屋上庭園でも実は細部に廃棄物を使用しています。特に目に見える部分で使用しているのは瓦です。栃木市は蔵や瓦葺きの伝統的建造物が多いためか瓦屋さんが多く、以前より廃瓦をいただき、埋め込んだり砕いたりするなど使途を変えて、造園・土木に利用してきました。今回は新井町にある有限会社森久瓦店様よりご提供してもらい、様々な瓦が小江戸の雰囲気を引き立たせてくれています。どこにどんな瓦が使われているのか、ぜひ探して見てください。森久瓦店様ご協力ありがとうございました!

栃木市役所屋上庭園が完成しました!

 栃木市役所屋上庭園は3月16日に完成し、NHK・とちぎテレビ・朝日新聞・東京新聞・下野新聞などでも紹介していただきました。
 17日に片付けなどの作業を行っていたところ、「テレビで見たよ」と市民の方々が早速見にいらしてくださいました。モチーフになっている市内各地の場所について説明すると、「あ~確かにそうだわ」「地図の通りになってる」と喜んでいただきました。ちなみにこちらが制作前のイメージ図です。

 作庭に取りかかると様々な課題が見つかり、若干の変更は余儀なくされましたが、それもまたものづくりの醍醐味です。生徒たちは時間や天気と闘いながらも「あーでもない」「こーでもない」と現場にて議論を交わしていました。もともとはガラス張りの4面を、竹垣によって栃木市を代表する4つの顔にゾーニングしてみたのですが、どうせならば岩舟や都賀、太平という合併前の町の雰囲気も入れてみたいねという話になり、さりげなく加えてみました。

 玉砂利や砕石で河川などを、瓦や割石は建物を表現しています。

 渡良瀬遊水地には市の鳥である「カモ」が泳いでいます。こちらはコンクリートの授業で型枠から製作した手作りのオブジェです。

 タマリュウと砕石を市松模様にして、田んぼや麦畑を表しています。本当はブドウの木を植えたかったんです。大平ですからね。岩舟はここ最近野外イベントなどで若者からも注目のクリフステージ。石組みがピッタリでした。


 太平山は、鉢を並べて季節の彩りを表す着せ替えゾーンです。今回は「巴波桜」を並べています。「梅は咲いたか、桜はまだかいな…」ととち介も花見待ちしているようですね。太平山から繋がる都賀平野にかけては山野草が広がっています。まだ、隙間だらけですが、今後少しずつ緑で埋まっていく予定です。
 
 他にも、ここでは紹介しきれない細かい仕事がたくさんあります。竹もちょうど良い高さで、少し目線を下げて竹を背景に見てみると、小江戸の風情が一層引き出されます。ぜひ、市役所4Fで360℃歩き回って見てみてください。

第2回産業現場研修が実施されました

 先週3月14日、農業土木科の一学年で産業現場研修に行ってきました。今回訪ねたのは、五洋建設那須技術研究所と、もみじ谷大吊り橋・塩原ダムです。
 
 五洋建設は道路や施設といった陸上での建設だけでなく、防波堤や海底トンネルといった海上土木建設も行っている会社です。
生徒たちは、実際にいくつかの研究施設を見学させてもらいました。液状化やコンクリート精製についての実験、津波のシミュレーションなどを見ることができました。建設の現場を支える確かな技術に触れることができたのは、生徒にとって非常に得がたい経験となったと思います。

 研究所につづいて、塩原ダムの見学にも行きました。職員の方に、普段見ることのできない発電設備やダムの内部にも案内していただきました。迫力の景色や放水を目の当たりにし、急な階段を上り下りし・・・ダムという巨大な構造物を肌で感じることができたようです。巷ではダムの魅力に取り憑かれる人が増えていると聞いていましたが、そのわけがわかったような気がします・・・!お土産には「ダムカード」もばっちりいただいてきました。
  

 技術研究所、塩原ダムの皆様、研修にご協力いただきましてありがとうございました。

学校周辺の工事及び植栽等の見学


 農業土木科1年生は、今回、学校周辺の工事及び植栽等の見学を行いました。

○赤津川河川工事見学
 赤津川は、利根川水系永野川の支流の川で学校周辺の地域を流れている川の1つです。今回、坂本産業株式会社様に協力していただいて、赤津川で行われている河川工事を見学することとなりました。河川の河床がシルト層でできており、軟弱な地盤であると聞きました。シルト層の地盤では、大型の機械が埋まってしまい作業することができないため、1tの土のうを設置した仮設工の上で作業している様子を見学しました。また、法面(切取ったり、盛土によって作られた人工的な斜面のこと)整形や護岸工、根固め工などの様子などを説明を聞きながら実際に見ることができました。
 1年生が今学習している内容の中では、今回の河川工事の内容はありません。しかし、今回見学した内容は、2年生、3年生で取り扱う内容が含まれます。また、将来の進路を考える上で実際の現場を見ることは、1年生にとって大きな刺激になったと思います。
   

○新栃木駅前植栽見学
 新栃木駅前には、ロータリーの中心と歩道脇に巴波桜が植栽されています。新栃木駅前の大きな通りの歩道の部分は、昨年度の卒業生が校外実習で巴波桜を実際に植栽した場所です。今回は、実際に植栽した場所を間近で見学しました。
           

○栃木市役所施工実習見学及び栃木グランドホテル庭園見学
 次に、今回実施している栃木市役所の施工実習見学と栃木グランドホテルの庭園を見学しました。1年生は、2年生が実際に校外で実習している姿を見て、施工現場に興味深々でした。また、栃木グランドホテル庭園を見学した際には、実際にお風呂から見える風景を楽しんでいる様子でした。
   
今回の見学で、1年生は普段多くの人々が利用する場所の施工等に、農業土木科の先輩が関わっていることに驚いた様子でした。1年生は、今後知識や技術を深めるとともに先輩の姿を見て校内外に関わらず活躍してほしいと思います。

 今回の河川工事見学に協力していただいた坂本産業株式会社様、本当にありがとうございました。

栃木市役所屋上庭園施工実習

 栃木市役所の4Fに吹き抜けの屋上庭園がありますが、この度農業土木科で改修工事を行わせていただけることになりました。福田屋百貨店時代からある庭園とのことで、限られた条件の中でどのような空間にしていくか、市役所側と打ち合わせを重ね、ようやく施工へと入る事ができました。

 まずは既存の樹木や下草などの除伐・撤去から始まり、整地作業を行いました。その後、間仕切りとなる四つ目垣の施工、築山の施工、竹の植栽と進み、ようやく雰囲気が出てきた感じでしょうか・・・まだ2日目を終えたところです。360度全面から見られている中での作業は大変緊張感がありますが、学習の成果を色々な方に見ていただくチャンスだと、参加している生徒たちは気合十分です。



 施工実習は3月16日まで行う予定です(9:30~15:00)。施工の様子はどなた様でも見ることができますので、ぜひ市役所へお越しの際はお立ち寄りください。

三寒四温と巴波桜

 明日は降雪の予報が出ていますが、春めいたと思ったところで寒さがやってくるのがこの時期の特徴です。3月中旬といえば、農業土木科がとちぎ桜花組合と連携し研究している「巴波桜(うずまさくら)」の開花時期にあたります。温室での促成栽培では1月上旬に開花をしていましたが、自然条件下ではソメイヨシノよりも先行してこの時期。ちょうど小中学校などの卒業シーズンに咲く桜です。花の美しさだけではなく、木肌の美しさも大きな特徴であり、栃木市の新しいシンボルとしてますます広げていきたいと考えています。

栃木グランドホテルでの管理作業


 農業土木科2年生の5名は今回、栃木グランドホテルの管理作業を行いました。
一昨年に、農業土木科の生徒が考えたデザインを基に栃木グランドホテルの設計・施工を行いました。そこで今回は、現在の様子を調査するとともに植栽の状況を見ながら作業を行うことにしました。
 実際に様子を見てみると、笹や竹の植栽を行った場所が成長し、デザインした庭がその場所の雰囲気に調和がとれていました。
 今回の作業は、笹の手入れを行い、竹を植栽した場所周辺にココヤシチップを使ってマルチングしました。このマルチングすることによって、植栽した周辺の雑草防止につながります。今日の作業によって、この庭を一層楽しめるような場所にできたのではないかと思います。

 
(マルチングする前の様子)  (マルチングした後の様子)

 
        (管理作業を行っている様子)

学校林整備


 一年生は今回、太平山の中腹付近にある学校林の植生調査及び整備を行いました。
学校林での実習は時々実施しており、これまで主に管理作業を行ってきました。
1年生が学校林に行くことは、今回が初めてだったのでとても楽しみにしている様子でした。
植生調査では、コドラート法という方法を利用して学校林の植生の状況を調べました。
植生調査が終わったら、学校林の整備を行いました。学校林内は、伐採された木や落ちた枝葉が多い状況でした。そのため、木や枝葉を適当な長さに揃えて一定の場所に集材しました。機会があれば、再度実施できればと思います。