2017年1月の記事一覧

PTA行事・しもつかれ講習会

 1月14日(土)にPTA行事として、しもつかれ講習会を実施しました。本講習会は、本年度から新たに始めた行事です。保護者の方の参加も得て、楽しく、そして、おいしく実施することができました。
  
   【受講者の真剣なまなざしが印象的でした】
 しもつかれ講習会は、講師に本校の家庭科の先生、そして、特別講師を校長先生にお願いして実施しました。校長先生にお願いした理由は後ほど。
 しもつかれは、栃木県(下野国)を中心に、福島、群馬、茨城、千葉の各県の一部、冬季に限って作られる郷土料理です。初午(2月の最初の午の日。今年は2月12日(日)です。)のときに作り、稲荷の社に供えたそうです。材料に、鮭の頭、大豆、大根、にんじん、油揚げ、酒粕など、残り物を使った料理です。冬の寒さでスの空いた大根、節分に煎った福豆、正月に食べた塩引き鮭の頭などを利用したしもつかれは、北関東の厳しい冬の生活の中から生まれた庶民料理だと思われますが、一方、その栄養価の高さ、味わいの豊かさ、深さを感じることができる料理です。名前の由来は諸説あるそうですが、宇治拾遺物語の「慈恵僧正戒壇築きたる事」に記述されている「酢むつかり」を起源とする説が有力だそうです。
 講習会では、講師の先生のはからいで、すでに鮭の頭は煮てあり、大豆の下ごしらえも済んだところから始まりました。受講生は、鬼おろしで大根、にんじんをおろし、油揚げを切り、鮭の頭、大豆とともに圧力鍋で煮て、そこに、酒粕を入れて、味を調え完成です。途中、鬼おろしを初めて使った人は、手つきも危なっかしく、歓声を上げながら取り組んでいました。しかし、そこは、大人です。徐々に慣れて、手際よく作業を進めていました。
   
 【鬼おろしで大根、にんじんを】 【酒粕を入れて、味を調え…あと少し】
 
  【しもつかれの完成です!】
 しもつかれとともに、夏みかんのマーマレードづくりにもチャレンジしました。講師の先生の自宅でとれた夏みかんを利用したマーマレードづくりです。まずは、夏みかんを半分に切って、種を取り出します。ボウルに夏みかんの汁を搾り、しぼり終わった房を皮から外し、房としぼり汁少量をフードプロセッサーにかけてペースト状にします。皮は、薄切りにし、熱湯で3回煮こぼします。ペースト状のものと、皮と、そして、袋に入れた種、そして、全体の重さの8割の砂糖を鍋に入れて火にかけます。あくを丁寧に取りながら煮たら、完成です。
  
   【皮を薄切りにします】   【8割の砂糖!結構びっくりです】
  
 【丁寧にあくを取りながら…】     【完成です!】
 イチゴやリンゴはジャムと呼ばれますが、柑橘系のジャムで果皮が入っているとマーマレードと呼ばれます。ちなみにマーマレードの名前の由来は諸説あるようですが、最も一般的に言われているのは、「ポルトガルで最初に作られたときの原料が、マルメロ(ポルトガル語、英語ではクインス。セイヨウカリンのこと)であったので、マルメロ転じてマーマレードになった」だそうです。
 最後に、校長先生からお話をうかがいました。最初に申し上げたとおり、校長先生は特別講師です。なぜかというと、実は、校長先生は、以前、しもつかれのホームページを開設していて(現在は忙しくなり中止しているそうです。再開されることを楽しみにしています)、しもつかれに関しては大家と言われています。そこで、講習会の最後に、しもつかれとは何か、そして、由来などについてお話をしていただきました。前半に紹介したしもつかれについての話も、実は校長先生に教えていただいたことです。
 
【校長先生のお話も大変参考になりました】
 現在は、食文化が大きく変化し、地域文化、郷土料理も失われつつあります。一方で、ユネスコの無形文化遺産に「山、鉾、屋台行事」が登録されたように、地域文化のよさを再度見直す動きも活発化しています。また、スローフード、地産地消といった動きも見られます。そういう意味で、改めて栃木県の郷土料理である「しもつかれ」を見直してみてはいかがでしょうか。ぜひ、一度家庭でも作って、家族そろって「しもつかれ」を囲んでみては?!
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